多様な価値観が入り交じる大阪・西成エリア、人を惹きつけてやまない西成グルメで一杯
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年11月30日 20時59分
前回の「検証! 大阪・西成の安宿はビジネスの出張に使えるのか?」では、現地に宿泊、問題なく仕事ができることを証明した。今回はその続編で、宿を飛び出して“一杯やる”という企画だ。仕事のみならず、お酒も驚くほど捗る街、西成──。さあ、まずは周辺エリアを歩くところからスタートしよう。
外国人観光客も多い新世界
格安ホテルが多い西成の「あいりん地区」からほど近い人気の観光地といえば「新世界」(大阪市浪速区)だ。大阪メトロの動物園前駅、JR、および南海電鉄の「新今宮」駅から北へすぐの場所にある。
串カツや立ち飲み屋など、ビジュアル満点の「ジャンジャン横丁」を抜けると、そこはもう「ザ・大阪」。派手な看板、建物が立ち並び、期待通りの景色が広がる。平日でも多くの人で賑わい、とくに外国人観光客の姿が目立つ。アジア系だけでなく、欧米系の人も珍しくなく、海外からの注目度の高さをうかがい知れる。
新世界のランドマークは、言うまでもなく「通天閣」。テレビでもお馴染みで、思わずスマホのカメラを向けてしまう。周囲を見ると、皆、笑顔である。この場には、
西へ進んで堺筋を南下、JR新今宮駅の北側にあるのは、星野リゾートが運営する「OMO7」(大阪市浪速区)だ。労働者の街、「あいりん地区」の至近にある高級ホテルで、2022年4月の開業時、大きな話題となったのはまだ記憶に新しい。
新今宮駅前から東に向くと、11月24日の「麻布台ヒルズ」(東京都)の開業によって“日本で2番目に高いビル”となった「あべのハルカス」が見えてくる。ふと横を見ると、ドンキの看板が目に入るが、ここ大阪ではなぜか地味に感じる。
次に、宿泊したホテルがある「あいりん地区」を散策した。ホルモン焼き、うどん店、お好み焼き店などが点在しており、有名店を探しながら歩くのも楽しみ方のひとつだ。
紀州街道をしばらく南下すると右手に出てくるのは西成警察署。かつて西成で暴動が起こった際、ここに多くの労働者が集まっていたニュース映像を見たのを思い出す。高い柵に囲まれた異様な姿に圧倒される。
近くには、YouTuberも時々、訪れている通称「三角公園」(萩之茶屋南公園)。炊き出しが定期的に行われるほか、さまざまなイベントも開かれている。あちこちに目に付くのは労働者風の男性で、明るい時間から飲酒している人も多い。
人気の観光地、高級ホテル、労働者の街。ひとつの価値観だけではうまく説明できないのが西成エリアの特徴であり、魅力なのかも知れない。
濃厚な味わいのホルモンで一杯
さて夕方になったので一杯やるか。今回、行こうと計画していたのは、西成の有名ホルモン店「やまき」。だが、あいにくの休みだったため、並びで営業していた「ホルモン 航」へ。何人かの先客が飲んでいる姿が楽しそうで、ふらっと入る。
最初、要領がわからず、ビールケースを利用した簡易の立ち飲みテーブルの前に立っていた。すると横にいたお客が店の主人に「こちら、お客さん」と合図してくれ、店の奥へと移動する。
壁に貼ってあるメニューに一通り目を通した後、「ミックスホルモン」(400円)と「白ネギ焼き」(200円)、そして「チューハイレモン」(300円)を注文。「ホルモンは、にんにく入れますか」と聞かれ、「お願いします」と答える。
待つこと数分、運ばれてきたのがこれである。完璧なルックスではないか。割り箸でホルモンをつまんで口へ。タレがにんにくと混じり合い、何とも言えない濃厚な旨味が広がる。レモン酎ハイを多めに含み、そのままゴクリと喉へと流し込んだ。
1杯目があっという間に空になったので、今度は「チューハイライム」(300円)を頼む。そしてミックスホルモンで飲酒を再開した。
「あぁ、これは無限に飲んでしまうわ」──。危険を察知した私は、会計を済ませて通りへ飛び出した。
続いて2店目へ。選んだのは、商店街「動物園前一番街」の一角にある居酒屋「能登屋」である。コロナ禍を通じ、周辺の店は多くが入れ替わっているそうだが、この店は50数年も同じ場所で営業しているという。
ビール、そしておでんを数種注文した。店を切り盛りしている年配の女性、またカウンターで座っている数人と男性客と話をしながらしばらく過ごした後、ホテルへ戻る。部屋では、急ぎの原稿を執筆したが、意外に捗ったのは前回の記事で書いた通りだ。
今回、「大阪西成の安宿は出張に使えるのか?」を検証した。安く、狭い部屋ではあるが仕事もできる。さらに楽しい店が多いという環境もあって、好みが分かれるだろうが、なかなか面白いと感じた。
翌朝、ホテルをチェックアウトした私は、地元の京都へ戻る前、周辺を少し散歩した。朝から営業している飲食店も多く、「朝食」を出すところもある。某店の前に立っていた手書きのスタンド看板では、メニューのひとつに「西成モーニング」を紹介していた。
興味を持ち、近寄ると「生ビール or 酎ハイ or 酎ハイ or ハイボール ゆで玉子・1品」とある。このメニューで、元気よく1日のスタートを切る人もいるのだろうか。
刺激的な街だった。あれこれ感慨深い思いを胸に、私は帰りの電車に乗った。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「入場者が限界ギリギリ」と通天閣、南海電鉄への身売り情報に地元「新世界」も当惑
産経ニュース / 2024年11月21日 17時0分
-
【ドンキ】大人気ふりかけ「ごまにんにく」!ご飯泥棒になるアイテム
イエモネ / 2024年11月16日 12時0分
-
【OMO7大阪 by 星野リゾート】冬が旬、大阪の味覚「ふぐ」尽くしの体験で身も心も温まる夜を過ごす「PIKAPIKA ふぐナイト」開催|2025年1月18日~3月14日
PR TIMES / 2024年11月12日 11時0分
-
〈親子3代で売春あっせん〉「遊んでいかはります?」大阪の歓楽街・松島新地で経営者らを逮捕…万博を控えての浄化作戦で風前の灯か
集英社オンライン / 2024年11月10日 17時0分
-
通天閣、南海電鉄に売却検討 万博の先見据え、連携必要と判断
共同通信 / 2024年11月8日 10時34分
ランキング
-
1「70歳代おひとりさま」の平均貯蓄額はいくら?
オールアバウト / 2024年11月23日 19時30分
-
2ワークマンさん最高…!「1280円ルームシューズ」で足首までぽっかぽか&気持ち良い〜
女子SPA! / 2024年11月23日 15時45分
-
3小泉孝太郎がやっている「納豆の最高においしい食べ方」 タレ半分、“あるもの”をたっぷり
Sirabee / 2024年11月22日 16時15分
-
4冒険をあきらめる“元少年”が続出…36年ぶり『ドラクエ3』にあらわれたモンスター以上の“難敵”
週刊女性PRIME / 2024年11月20日 6時30分
-
5とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください