京都・八幡、エジソンゆかりの地で楽しむ老舗の名物餅
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年12月7日 20時59分
白熱電球で世界の夜を明るくしたのは米国の発明家、トーマス・エジソンである。しかし実用化にあたり、京都の竹が重要な働きをした事実を知らない人は案外多いのではないだろうか。今回は、竹が自生していた場所に足を運んでエジソンの偉大な功績に触れた後、現地の老舗和菓子店へ立ち寄るという話だ。
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神社を参拝後、目的地に向かう
京都府南部に位置する八幡市が今回の舞台。目的地は、神社、石清水八幡宮近くのエジソン記念碑だ。以前から存在自体は知っていたものの、足を運ぶのは初めてのことである。
そもそもなぜ八幡市に記念碑があるのだろうか。それは白熱電球の実用化にあたって、エジソンが同市の良質な竹をフィラメントに使ったからだ。これにより従来、40時間ほどだった点灯時間を1000時間と飛躍的に伸ばすことに成功する。
一般に白熱電球を発明したのはエジソンだと思っている人は多いだろう。しかし実際は違う。発明者は、イングランドの物理学者、化学者であるジョゼフ・スワン。エジソンは改良によって製品を長寿命化した人物である。
さて記念碑は鳩ヶ峰という山の上にあるため、最寄りの京阪電鉄京阪本線、石清水八幡宮駅近くから出ているケーブルカーに乗る。途中、窓からの眺めはとてもよく、清々しい気持ちになった。
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降り立ったケーブル八幡宮山上駅から歩いたが、平日であるためかほとんど人の姿はない。道中、目についたのが、そこかしこに生えている竹、竹、竹。フィラメントに使われるだけのことはある。しばらく進むと石清水八幡宮が見えてきた。せっかくだからと参拝し、目的地に向かう。
数分して到着する。囲いがしてあり鉄扉より中に入ることはできないが、遠目から記念碑を確認できた。どうです、なかなか存在感があるでしょう。
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そばに解説文があったので読んでみる。すると、この碑は最初、石清水八幡宮の境内に建立され、1958年に今の場所に移転されたことがわかった。1984年にデザインを一新、再建され、現在に至っている。来る前に参拝したのは正解だった。
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補足になるが、フィラメントに使用されたのは、実は同じ竹でも「真竹」のようだ。来る途中、目にしたのは別種の「孟宗竹」。現在、あまり真竹は生えていないが、碑の背中側に植えてあるのがそれだと聞いた。この話は帰り道、駅近くの観光案内所で教えてもらった。
少しの間、現地に滞在、周囲を散策した後、再びケーブルカーで下山した。
歴史ある和菓子店へ
記念碑を見たら、次に行くところも決めていた。それは八幡市で有名な和菓子店である。実はこのお店、かつてラジオでCMが流れているのを聞いたことがあり、いつか機会があれば寄ってみたいと考えていた。
ケーブルカーを降りてから歩くこと5〜6分、お目当ての「走井餅老舗」にたどり着く。事前調査によれば「京都・石清水八幡宮 門前名物」とのこと。やはり歴史ある場所を訪れたら、老舗で休憩するのが落ち着くというものだ。
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店内へ入るとお客は私一人だった。「お好きなところにどうぞ」と案内され、庭に面した4人掛けのテーブルに座る。
メニューには、「栗ぜんざい」や「あべかわ餅」のほか、うどん、赤飯などの食事も載っている。私は定番の「走井餅セット」、抹茶付きを頼んだ。
注文品が来る間、あらためてスマホで和菓子店のことを検索してみた。起こりは明和元年(1764)で、250年以上の歴史がある計算だ。滋賀県・大津で創業、明治43年(1910年)に6代目が京都で商いを引き継いだと書かれていた。
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ここまで読み進め、走井餅老舗が京都に来た頃、エジソンは何をしていたのだろうと興味を持った。Wikipediaを見ると、トースターを発明した年であることがわかった。白熱電球に比べると、人類に与えたインパクトは劣るが、偉人のあくなき好奇心、探究心の一端を垣間見た気がした。
そうこうしている間に目の前に甘味が置かれた。餅は細長く、刀の「荒身」を模しているのだという。早速、いただくと餡は甘さ控えめで上品なお味。抹茶をそっとふくむと、とろりとした何とも言えない食感が口いっぱいに広がった。あぁ、美味である。
ゆったりとした贅沢な時間を楽しんだ後、店を後にした。大変満足した。
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駅前に戻ると、さっきは素通りしていたのか、エジソン像があることに気づいた。立ち止まって、しばしその尊顔を拝する。
エジソンと竹──。その関係は、八幡市民の大きな誇りになっているに違いない。
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