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営業力強化のための社内コミュニケーション改革 ~LINE WORKSの導入・活用事例~

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年1月30日 8時41分

営業力強化のための社内コミュニケーション改革

営業力強化のための社内コミュニケーション改革
山本 哲也氏

株式会社ヤマザワ
取締役人事教育部 兼 情報物流部長兼プロジェクト管掌
山本 哲也 氏


ヤマザワ(本社: 山形県山形市)は、山形・宮城・秋田県に合計71店舗(2023年10月時点)の食品スーパーマーケットチェーンを展開。山形県内のスーパーマーケットの店舗数、シェアではトップを誇っています。中期経営計画では生産性の向上を目指し、物価高騰や顧客の購買行動の変化、競合の激化などの経営環境の変化に対応した業務改善・DXを推進。総菜の新工場の建設や新基幹システムの更新、AI自動発注システムの導入に向けた取り組みを進めています。店舗業務の効率化を図るためにLINE WORKSを導入し、本社と店舗間の情報連携を強化。これまでのLINE WORKSを活用した業務効率化のお取り組みと今後の展開についてお話しいただきました。

DX推進の一環として「社内コミュニケーション」の改善

ヤマザワは山形県を中心に宮城県、秋田県にも店舗展開し、現在(2023年8月時点)は69店舗の食品スーパーを運営している。1952年に薬局として創業し、1962年には山形県内初のスーパーを山形駅前に開業した。グループ会社でドラッグストアのヤマザワ薬品、惣菜や日配食品の製造・供給を担うサンコー食品がある。山形県内ではスーパーのシェアでトップ。売上高ランキングでも1位となっている。キャッチフレーズは「健康元気」で食品の供給、医薬品などを通じて地域のお客様の「健康元気」のお手伝いをしている。東証スタンダード上場企業であり地域に根差した事業を展開している。

ヤマザワでは、2021年から組織風土改革のために中期経営計画を推進し、その一環としてDXを推し進めている。DX推進は、まず21年3月に「商品部ITプロジェクト」を開始。営業力向上に寄与できることは何かと考え、商品力強化のために、商品部の業務改善を進めることにした。それまで商品部のバイヤーの業務は、Excelでの資料作成や、データ入力作業に忙殺されて、本来やるべき商品開発や産地開拓、販売企画立案、売場の指導といったところに時間が割けないという状況があった。

最初は商品部の業務改善を目的にスタートしたが、必要なインターネット活用やITインフラ整備を進めていく中で、全社ベースのシステム刷新、業務改善の機運が高まった。業務改善やシステム導入では、まずITインフラの整備や使用端末などの環境整備が不可欠で、経営トップの理解も得て「全社でDXを推進しよう」という機運が高まり、22年3月から「DX推進プロジェクト」に発展し全社横断型のプロジェクトとなった。キーワードはすべてが「営業力強化のための業務改革の実現」である。

業務改革のテーマのひとつが、「シンプル・タイムリーな社内コミュニケーション」である。当時の主なコミュニケーション手段は電話と社内メール。電話は双方の時間が取られ、社内メールは事業所に戻ってからパソコンで確認する必要があり、店長はデスクにいる時間が増えていた。事務所に戻らなくても一通りの情報が手に入る端末が必要と考え、社用で使っている携帯電話をスマホにするなど、着手できるところからスピード感を持って対応した。2023年中には、社内インターネット環境やパソコン、通信システムの入れ替えなどの環境整備が完了した。2024年以降のDX推進では、省人化やデータ活用といった取り組みを開始したいと考えている。

LINE WORKSで「今、何が売れているか」をスピーディに共有

コミュニケーションの改善ではスマホに変えて、中心となるアプリには最初からLINE WORKSが視野にあった。慣れ親しんだLINEのようにスマホで手軽に使えるビジネスチャットツールということで、どこにいても情報が入手可能なことから、LINE WORKSの導入は自然な流れだった。

生鮮商品部の青果部門は野菜や果物の仕入れや販売企画の立案、売場指導が主な役割になっている。全体統括のリーダーがいて、バイヤーがいて、売場指導のトレーナーがいるという組織。コミュニケーションする先としては、仕入れに関しては市場や仲卸、産地などの取引先、物流に関しては社内折衝や現場の69店舗が対象になる。生鮮商品部と店舗とのコミュニケーションでは、生鮮商品部からの商品供給や売場指導が主な連絡事項であり、店舗からは発注や特注の依頼、商品のクレームなどが挙げられる。

LINE WORKSの導入後、青果部門は旬の商品や主力商品の売場の展開状況をほぼリアルタイムで確認できるようになったり、店舗もスマホで手軽に報告できたりと好評だ。売り場の展開状況を全店に写真共有することで、優秀な他店の事例を参考にするなど、よい売場のイメージが容易にできるようになった。

店舗運営部のブロック長は、担当エリアの数値管理や店舗の運営指導、店長はじめスタッフの育成などが責任範囲。店舗と本部の仲介者となり、本部に対する要望事項の伝達などのコミュニケーション、エリアの市場環境や競合店の確認、地場商品の発掘といった役割も担っている。ブロック長は10店舗程度を担当しているが、全店を毎日回ることは難しい。店舗の状況を把握するため、以前は店長がデジカメで撮った売り場状況をExcelに貼り付けて報告書を作成していた。現在はスマホで撮った写真をそのままLINE WORKSで送るだけで実施状況を手軽に報告し、本部やブロック長はどこにいてもすぐに確認できる。これにより店長は売場に出ている時間が増え、売り場の改善もスピードアップした。タイムリーなコミュニケーションで、日々の販売計画とは違う「今、何が売れているか」という情報を共有できるようになり、お客さまのニーズに素早く応えられるようになった。

今後の課題については、利用者のリテラシー向上に尽きる。LINE WORKSは直感的に使えて時間や場所を選ばないツールだけに、闇雲に発信していると受信側は情報過多や対応量の増加に嫌気がさして、せっかくのツール導入が逆効果になる。LINE WORKSは管理者が従業員の利用頻度を確認できるので、利用スタンスにずれがある従業員へのガイドを行うなど、リテラシー向上を促すことができる。今後は乱立する会議の削減にも活用していきたい。
2023年度から社内会議のルールとして「最大1時間」「会議目的、資料の3日前事前共有」が定められたが、LINE WORKSを活用して事前の情報共有が進むことで意思決定がスムーズとなり、決定した内容の実行度を高めていければと考えている。

ビジネスチャット「LINE WORKS」
https://line-works.com/
お問い合わせは「LINE WORKSそうだん窓口」まで
電話番号:03-4316-2996
営業時間:平日10:00~12:00 / 13:00~18:00(土日・祝日・年末年始を除く)


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