2023年春・夏売上伸長率ヒットランキング!ロングセラーブランドなどのアイテムが上位に
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年2月13日 1時0分
新型コロナウイルスが5類に移行したことで外出機会は増えたものの、相次ぐ値上げの影響もあり節約志向の動きが顕著だ。今回は2023年4月から9月までの金額増減率の高かった商品を各カテゴリーからピックアップ。好調の要因と消費のトレンドを探る。
自宅でも手軽に楽しめる海外のフレーバーも人気に
KSP-POSの中から金額構成比1%以上の商品を対象(CGC商品および対象期間の前年4月までに出現のない商品は除外)とし、2023年4月から9月までの金額増減率を調査したところ、各カテゴリーのトップ商品は【図表】のような結果となった。
コロナ期間中は外食品質や味の新奇性など、少しこだわったものを選びたいという機運が高まったが、新型コロナウイルスが5類に移行した23年5月以降も、自宅で手軽に楽しめる新機軸の商品が消費者に選ばれる傾向にある。
理研ビタミンの「ふりかけるザクザクわかめR」は調理わかめをバラバラにしながら極限まで乾燥させることで生まれた弾ける食感が特長のふりかけ。第1弾となる「ふりかけるザクザクわかめR韓国風ごま油風味」は、北海道でのテスト販売での好評を受けて、22年9月より全国で展開。発売2ヵ月で当初の年間販売予定数量を達成し、数々のヒット賞を受賞した。ごはんにふりかけるだけでなく、薬味としてサラダや冷奴など、幅広いメニューに活用できる点もポイントだ。
オンガネジャパン「オットギサリ麺」は、韓国の鍋のシメとして人気のインスタントラーメン。近年の韓国ブームを背景に日本でも「サリ麺」の認知が高まっており、SNSやテレビの情報番組でも度々、取り上げられている。同品は独特のもちもちした食感に加え、通常のインスタントラーメンよりもボリュームがあり、コストパフォーマンスが高い点も支持されている。
バカルディジャパンの「バカルディゴールド」はオーク樽熟成したバカルディ・ラム原酒をブレンドした、本場の「キューバリブレ」でも使われる黄金色のラム。ホワイトラムよりも熟成の長さを感じられリッチで厚みのある味わいが特長だ。同社では「バカルディゴールド」を炭酸水で割るだけで手軽に楽しめる「バカルディハイボール」の提案に注力しており、特に若年層から好評を得ている。
主要カテゴリーにおける伸長率ランキング1位の商品
定番ブランドのリニューアル品、期間限定フレーバーも好調
糖質オフ・ゼロやたんぱく質・カルシウム補給など、健康感を訴求する商品は今期も好調に推移している。
キリンビールの「キリン氷結R 無糖」シリーズは食事に合うすっきりとした飲み心地と、フレーバー×アルコール度数の多彩なラインアップで幅広い年代に受け入れられている。23年10月の酒税改正により新ジャンルと発泡酒の酒税が一本化されたことで、新ジャンルから同ブランドへの流入も加速している。今春にはシリーズ初となる期間限定フレーバーも投入し、売場を盛り上げていく考えだ。
マルハニチロのロングセラーブランド「1秒オープンおさかなソーセージ」は、カルシウムやたんぱく質が豊富なことから、40代以上の中高年からの支持が高い商品。手軽に持ち運べ、そのまま食べられるので、子供のおやつやお酒のおつまみとしても定着。近年は料理の素材として炒めものなどにも活用されている。
コーシン乳業の「コーシンとろける桃」は、白桃のピューレを使用し、完熟のとろける食感を再現したなめらかな飲み応えの紙パック飲料。ビタミンCを100mlあたり7.5mg添加することで機能性も付加している。果汁10%未満ながら濃厚な味わいが楽しめる同シリーズは「とろける」シリーズとして季節限定フレーバーも展開している。
昨今の物価上昇や経済の不安定さの影響もあり、安心できるロングセラーブランドを選ぶ動きも目立っている。
23年春に史上最大規模のブランド刷新を行った日本コカ・コーラの「ジョージア」。大型ペットボトルコーヒー「ジョージア深み焙煎贅沢ブラック」は、猿田彦珈琲監修の深煎り焙煎による豊かな香りに加え、新たなブランドロゴによるシンプルなデザインのパッケージも好評で、若年層や女性など新たな客層を取り込むことに成功している。
サクサク食感の口あたりのよい氷の上にフレッシュなスライスレモンがのった〈レモン〉、蜜づけ粒あずきがたっぷり入った〈あずき〉で知られる、フタバ食品「サクレ」では期間限定フレーバーとして投入した〈パイン〉が定番商品として定着した。濃厚な味わいとゴロゴロと入った果肉の多さは発売当初から高く評価され、リピート率も高くなっている。
同じくフタバ食品の「ダンディーチョコレート」は、て「驚愕のバキザク食感」、アイスとチョコ菓子を一緒に食べているような圧倒的な食べ応えで人気の商品。昨秋にはラクトアイス規格からアイスミルク規格にスペックを変更し、北海道産生クリームを増やしたことで、より濃厚で深みのある味わいになっている。
原材料費等の高騰に伴い各カテゴリー内で値上げが続くなか、消費者の購買行動にも変化が生じている。伸長している既存商品を見極め、売場に反映していくことが買い上げ点数の向上に影響していきそうだ。
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