週刊コンビニエンスストアニュース 大手コンビニ3社の決算、売上高・利益ともに大きく伸長
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年4月15日 20時55分
大手コンビニエンスストア(CVS)チェーンの2024年2月期決算は、各チェーンが売上高・利益とも大きく伸ばした。セブン-イレブン・ジャパンは既存店売上高を堅調に伸ばし、売上・利益ともに順調だった。ローソンの24年2月期決算は、売上増収、事業利益が対前期比46.3%の大幅増益となった。国内の売上高・利益の伸長は、人流回復や猛暑の後押しのみならず、各種キャンペーンやフェアの積極展開が既存店売上高を押し上げたことも幸いした。ファミリーマートについては事業利益が過去最高を更新した。現在、原材料や仕入れコストが上昇し、競合激化が予想されるなか、新年度においてはこれまで以上にどのようにして各社が既存店強化に努めていくのか動向に注視したい。(4月9日~15日までのニュースをまとめました)
セブン-イレブン・ジャパン
営業収益・営業利益好調
セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン-イレブン・ジャパンの2024年2月期決算は、チェーン全店売上高が5兆3452億円となり対前期比3.8%の増収、営業利益は同7.8%増の2510億円と好調だった。
各地でのイベントなどの再開による人流回復や好天に恵まれた。また地域やメニューなどのテーマを設定し、さまざまな商品を取り揃えるフェアの積極展開や、アプリを活用した販促などの各種施策が奏功した。既存店売上が前年を上回り(既存店売上高は3%増)、営業増益につながった。
なお海外CVS事業である7-Eleven,Inc.(連結)のチェーン全店売上高は10兆2004億円で同2.3%減。商品売上は伸長した一方で、ガソリン価格の下落と販売量の減少が影響した。商品粗利益の改善と円安の影響を受け、営業利益については営業利益は3962億円で4.1%の増益だった。
ファミリーマート
東北地方でローソンと初の共同輸送
4月11日から東北地方の一部地域において、アイスクリームや冷凍食品などを対象とした、ファミリーマートとローソンの物流拠点間の輸送を開始する。両社の商品を同じトラックに混載し、共同で輸送することで、車両台数とCO2の削減を目指していく。ファミリーマートとローソンが共同輸送を行うのは今回が初めてで、ファミリーマートの宮城県多賀城と秋田、ローソンの盛岡と秋田の物流拠点間を運行する。
2月期決算の事業利益は過去最高
ファミリーマートの2024年2月期決算は、営業収益が5078億円(対前期比10.0%増)、事業利益がの837億円(同30.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は518億円(同50.9%増)となり、大幅な増益を達成した。
2023年度通期は、コロナ5類移行後のインバウンドも含めた消費の著しい回復や、夏場の猛暑の後押しに加え、各種キャンペーンが奏功した。既存店の客数が前期比3.3%増、客単価が同2.0%増と前期を上回ったことから、既存店日商は同5.3%増となり、利益計画を達成した。また、デジタルサイネージの設置など、店舗のメディア化が進展し、顧客とデジタルの接点となるアプリ「ファミペイ」は、ダウンロード数が順調に増加。約2000万に伸長した。
電気代や人件費などのコスト上昇は続いているものの、営業収益が463億円増え、事業利益については過去最高となった。当期利益は期初計画を上回った。
ローソン
<青森県>県初の木材使用店舗をオープン
4月11日、店舗の壁や天井・軒天に青森県産木材を使用した「青森中央高校前店」(青森市)をオープンした。店舗内装の仕上げ材、店内の一部天井部分、店外の軒天部分に、県産「ヒバ」を使用。また、県の魅力を発信することを目的に、店外の壁面を、第7代ねぶた名人・竹浪比呂央氏制作のねぶたをイメージしたイラストで装飾した。
2月期の事業利益は対前期比46.3%増
ローソンの2024年2月期決算は、営業収益が前期比8.8%増の1兆879億円、事業利益が940億円(対前期比46.3%増)、税引前利益が772億円(同64.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は521億円(同75.5%増)となり、大幅な伸びを達成した。
国内CVS事業の営業収益は7553億円(同8.2%増)、セグメント利益は697億円(同46.5%増の)で、海外事業については営業収益が1146億円(同20.8%増)、セグメント利益は前期の損失50億円から一気に黒字化して25億円を計上した。
国内CVS事業は、「ハピろー!」などのマーケティング施策効果、店舗理想形改装効果や人流回復などで既存店売上高が対前期比で4.6%増となり、経費コントロールも奏功して増益に着地した。事業利益は、総粗利益率が計画を0.1ポイント下回ったものの、既存店売上高が計画を0.1ポイント上回り、その他の営業収入が見込みよりも増加したことや、コストコントロールが進んだことで、ローソン単体では60億円を上乗せした。海外事業は、中国のロックダウンの影響による赤字から黒字転換して大幅な増益となった。
「Uber Eats」導入店舗が5000店舗を突破
2019年8月から導入を開始したデリバリーサービス「Uber Eats」の導入店舗数が、4月4日で5000店舗を突破した。4月10日には顧客の「Uber Eats」アプリと店頭在庫有無の自動連携機能がスタートし、5月からは取扱商品数を現在の700品から3000品へ順次拡大していく。
スリーエフ
2月期決算は大幅増益
2024年2月期は、営業総収入が対前期比4.9%増の138億5700万円、営業利益が同495.4%増の9億900万円、経常利益が同480.0%増の9億1400万円、当期純利益は2億1700万円を計上した。中長期経営計画の4年目となる2023年度は、個店平均日販と加盟店利益が計画水準を上回り、3期連続で赤字だった利益が急速に回復している。
今週のイチオシ!新商品
- 「牛すきと塩こうじ焼鯖弁当」……肉と魚のバランスが良く、ご飯は160gと少なめの弁当(税込558円)。
- 「寿司詰め合わせ」……炙りサワラ・海老・カレイ・サーモン焼ハラス・いか・玉子のにぎりの詰め合わせ(同610円)。
- 「オクラとなめこのおかか和え」……昆布だし、カツオだしでやさしい味わいに仕上げた。(同227円)。
ミニストップ
2月期の営業利益は赤字
2024年2月期決算は、営業総収入が790億5600万円(対前期比2.7%減)、営業利益は6億900万円の赤字、経常利益は1000万円、当期純利益は4億6800万円の赤字となった。当期純利益の大幅赤字は、前期に韓国売却益を238億円計上したことによる。
事業の選択と集中を進め、連結経常利益は1000万円となり、5期ぶりに黒字化した。単体では、業績改善が進み、経常利益段階で2億4300万円の黒字を計上した。
2025年2月期の連結業績については、営業総収入で900億円(対前期比13.8%増)、営業利益で15億円、経常利益で18億円を見込んでいる。
今週のイチオシ!新商品
- 「ボリュームとんかつサンド」……歯切れのよいロースとんかつを、ほんのり甘く柔らかいパンでサンドした。食べ応えのあるボリューム感、満足感のあるサンド。4月9日発売(税抜438円)。
- 「シーフードミックスフライ弁当」……店内で調理した手づくり弁当の新規商品。海老(2本)、白身魚、イカの味わいをフライでぎゅっと閉じ込めた。4月12日発売(税抜550円、大盛は600円)。
ポプラ
2月期は収入減も利益は大幅回復
2024年2月期決算は、営業総収入が前期比5.3%減の123億7,000万円、営業利益はの4億400万円(対前期比7.3倍増)、経常利益は3億6000万円(同約4倍増)となり、当期純利益で4億6200万円を計上した。
店舗売上は、人流の活発化や物価上昇を背景に好調となり、既存店ベースは対前期比3.5%増と前年を上回ったが、直営10店舗をフランチャイズ化したことで、営業総収入は減少。利益については、燃料費、光熱費の高止まりや原材料費の高騰などで厳しい状況となったが、店舗のフランチャイズ化による費用の削減や売上伸長によって大幅増益につなげた。
セイコーマート
おすすめの新商品
- 「北海道黒豆茶」……光黒豆は“余韻のある甘み”が特徴。からっとした“香ばしさ”とやさしく続く“甘み”が楽しめるお茶(税抜100円、関東の店舗は別価格)。
- 「北海道ブルーベリーチーズアイスクリーム」……爽やかな北海道余市産のブルーベリーソースを使用し、濃厚なチーズとぴったりなアイスクリーム(同220円、関東の店舗は別価格)。
- 「台湾風カステラサンド(ホイップクリーム)」……豊富牛乳を使った台湾風カステラにホイップクリームをサンド(同180円、北海道限定)。
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