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2023年度決算は過去最高業績のしまむら、さらなる成長めざし新中計がスタート!

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年4月22日 20時59分

しまむらの看板

しまむら(埼玉県/鈴木誠社長)は4月1日、2024年2月期通期の決算を発表した。主力の「しまむら」だけでなく、「アベイル」「バースデイ」なども好調で、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。決算発表では、25年2月期からスタートする3カ年の新中期経営計画も発表され、今後の戦略が示された。

しまむらの看板

売上高、各段階利益ともに過去最高を記録

 41日にしまむらが発表した20242月期通期の決算は、売上高が対前期比3.1%増の6350億円、営業利益が同3.8%増の553億円、経常利益が同4.3%増の567億円、当期純利益が同5.4%増の400億円と、売上高・各段階利益ともに過去最高を更新した。

 事業別に業績を見ていくと、主力のしまむら事業の売上高は同2.9%増の6270億円だった。しまむら事業では、自社開発PB(プライベートブランド)とサプライヤーとの共同開発ブランド「JBJointDevelopment Brand)」の重点的な強化に取り組み、とくに高価格帯PBの「CLOSSHI PREMIUM」は売上高が37.7%増と高い伸びを示した。

 JBでは、素材や着心地にこだわったナチュラルテイストのブランドである「SEASON REASON(シーズンリーズン)」の麻100%のシャツやウール混のニットの販売が好調だった。

しまむら 代表取締役社長 鈴木誠 氏

 20242月期の売上高に占めるPBの比率は22.3%で、売上高は対前期比で10.2%増加した。JBは売上高に占める比率が8.5%で、売上高は同10.7%増加した。

 販売では、創業70周年企画を軸に販促を強化した。芸能人やインフルエンサーとの限定コラボ企画や、都市部の商業施設にポップアップストアを出店。これらについて鈴木社長は「残暑・暖冬と厳しい環境の中でも集客に大きな効果を発揮した」と手応えを語る。

「アベイル」や「バースデイ」事業も好調

 ヤングカジュアルの「アベイル」の売上高は、対前期比2.8%増の616億円だった。JBを軸としたトレンドに合った商品提案が奏功し、JBの売上高は同17%増となっている。

 ベビー・子供用用品の「バースデイ」も、売上高が同0.5%増の727億円と増収を果たした。巣ごもり需要の反動で一部商材が不調だったものの、クリスマスや正月、節分やバレンタインといった季節企画を強化したことでアウター衣料の売上が伸長した。キャラクターやメーカーとコラボした商品の売れ行きも好調だった。

新中期経営計画がスタート

 さて、しまむらでは決算発表と同時に、252月期を初年度とする3カ年の新中期経営計画を発表している。

 「ネクストチャレンジ」と題した新中計では、最終年度の27年2月期に売上高7190億円、営業利益660億円、営業利益率9.2%をめざす。これを実現するため、新中計では、「成長戦略」「基礎と基盤の強化」「ESG活動の推進」の3本柱に取り組む。

 まず「成長戦略」では、事業ポートフォリオの再構築を推進する。収益性の高いしまむら事業の成長を維持しながら、アベイルやバースデイ、オンラインストアの収益性向上、雑貨・ファッションを扱う「シャンブル」の安定黒字化をめざす。台湾の思夢樂の売上の拡大を図る。

 同時に、既存店の売上拡大と新規出店を通じて市場シェアのさらなる拡大をめざす。新中計の3カ年では、前中計を大きく上回る150店舗の新規出店、150店舗の既存店改装を計画しており、とくに出店では、従来の郊外中心のドミナント出店に加えて、しまむらにとって空白地帯だった都市部への出店も強化する。また、都市部への出店を見据えたポップアップストアも展開する計画だ。

 これまでのしまむらでは、1店舗あたりの広さが売場面積1000㎡前後を標準としてきたが、今後は立地や商圏に応じて1300㎡の大型店の出店をしていくことも検討していく。

 次に「基礎と基盤の強化」では、労働条件や労働環境の整備やデジタル化に生産性の向上に取り組む。商品調達については、ASEANでの生産拡大による原価の低減をめざす。加えて、カントリーリスクを考慮した生産国の分散、国内物流拠点の移転などの見直しを行うことで、サプライチェーンの再構築化を推し進める。

 最後に「ESG活動の推進」では、「環境」と「社会」の2つからアプローチする。環境では、サステナブル商品の仕入れの数値目標を設定し、社会では、女性管理職比率の向上や障がい者雇用に取り組んでいく。

2025年2月期は増収増益を計画

 新中計の方針にもとづき、初年度となる252月期は、「ネクスト・チャレンジ1st『当たり前を改める』」をテーマに、商品力や販売力、新中計で掲げた基礎と基盤の強化に取り組む。

 商品力の強化では、新中計でも掲げているストアロイヤリティを高める「ブランド力向上」、顧客ターゲット拡大のための「ラインロビングの推進」、データ分析の高度化による「商品開発力の強化」の3点に取り組む。

 販売力の強化では、性別や年代の購買履歴などのデータ活用をはじめ、地域特性に合わせた売場や販促活動を強化する。

 出店戦略では、新規に43店舗を出店する。グループ内の複数事業を組み合わせたファッションモール形式での出店を拡大することで、店舗の収益性をより高めていく考えだ。既存店改装は、しまむら事業を中心に40店舗の改装を計画する。

 以上のような取り組みにより、252月期の業績予想では、売上高が6596億円(対前期比3.9%増)、営業利益が563億円(同1.9%増)の増収増益を見込む。

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