脂肪・コレステロール値改善市場のトレンドは?生活習慣病予防など取り込み堅調に推移
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年4月22日 1時15分
昨今の健康志向の高まりを受けてユーザーが拡大している健康・機能系の食品群。今期は「糖質オフ・ゼロ系ビール類」「睡眠サポート」「たんぱく補給食品」「脂肪・コレステロール値改善」の4つのカテゴリーを取り上げ、トレンドを探る。
コロナ明けの人流回復と猛暑の影響も追い風に
富士経済によると、脂肪・コレステロール値改善カテゴリーの2023年の市場(見込み)は対前年比9.9%増の3138億円となった【図表】。
同カテゴリーは茶カテキンや難消化性デキストリン、乳酸菌類、ウーロン茶重合ポリフェノールなどの成分を含み、脂肪やコレステロールの低減などを訴求した商品を対象としている。
22年の市場は、19年に機能性表示食品としてリニューアル発売された伊藤園「お~いお茶濃い茶」の躍進が続いたほか、サントリー食品インターナショナル「伊右衛門特茶 TOKUCHA」の復調、機能性表示食品としてリニューアル発売された「サントリー烏龍茶 OTPP」や新商品の「伊右衛門濃い味」の好調が後押しし、急拡大した。
23年は、新型コロナウイルスが5類に移行したことでCVSの来店客数が増加したこと、猛暑により止渇目的での需要が増えたことなどが市場の追い風となった。また飲料メーカーを中心とした値上げは、販売数量は落ち込むものの販売金額ベースではプラスに働くケースが多く、結果として前年に対し10%近い伸長につながった。
飲料タイプを中心に新機軸の商品の投入も活発
脂肪・コレステロール値改善カテゴリーは、飲料を中心に商品開発が活発なカテゴリーであり、24年も各メーカーから新商品が投入される。
森永乳業の「PURESU発酵酢ドリンク」は、ホエイなどをビフィズス菌で発酵させた新健康飲料。疲労感軽減、おなかの脂肪減少、腸内環境改善の機能を表示したトリプルヘルスクレームの機能性表示食品で、ざくろ味、マスカット味の2品をラインアップする。仕事や家事・育児で時間に追われる20代後半から40代をメーンターゲットとしており、日常生活の中で気持ちを切り替えるリフレッシュ飲料として提案している。
コカ・コーラシステムは、発売から10年を迎えた「からだすこやか茶W」をリニューアル。脂肪の吸収を抑え、糖の吸収をおだやかにする働きに加え、内臓脂肪を減らすのを助ける難消化性デキストリンを関与成分として配合した特定保健用食品「からだすこやか茶W+」として新発売する。
ポッカサッポロフード&ビバレッジでは、BMIが高めの方の体脂肪やウエストサイズを低減することが報告されているMCTの入った機能性表示食品のカップ入りスープ「MCT SOUP」を2月に発売。旭松食品は、機能性表示食品の高野豆腐「新あさひ豆腐」を発売。同品に含まれる大豆ベータコングリシニンは高めの血中中性脂肪値を低下させること、および高めのBMIを低下させる機能が報告されている。
脂肪・コレステロール値改善カテゴリーは、中高年層の生活習慣病予防だけでなく、脂肪対策やそれに付随するベネフィットの提案によってダイエットや美容ニーズなども取り込むなど幅広い性年代に訴求しやすく、今後も堅調な推移が期待される。
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