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小型店でも総菜の魅力は抜群! 「ヨークマルシェ大和町店」売場レポート!

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年6月8日 20時59分

店舗周辺にはイオンスタイルや西友もあり、競合は厳しいエリアだ

ヨークベニマル(福島県/大髙耕一路社長)が6年前に出店した売場面積300坪の小型フォーマット店舗「ヨークマルシェ大和町店」(宮城県仙台市:以下、大和町店)。同社はその後、「ヨークベニマル安積町店」(福島県郡山市)、「ヨークベニマル今泉店」(栃木県宇都宮市)でも小型店に取り組んでおり、大和町店はその先駆けとなった店舗である。前編では生鮮3品を解説したが、後編では重点を置く総菜売場と日配・加工食品などの売場を見てみよう。
調査日=2024年1月14、15日 ※本文中の価格はすべて本体価格

店舗周辺にはイオンスタイルや西友もあり、競合は厳しいエリアだ

量感あふれ、魅力ある総菜売場

 前編では生鮮3品の売場を解説したが、生鮮ゾーンとは一転、総菜では「量感」を重視してた売場づくりがなされていた。壁面16尺で天ぷらやフライ、8尺で寿司、続く10尺はベーカリー、4尺でサンドイッチ、そして横8尺×縦6尺でピザや弁当、おにぎりを展開している。

 平台は6尺の冷蔵ケースを絡めながら、縦24尺×横6尺で「カジュアルデリ」「ブランチ&ナイトデリ」「ナイトデリッシュデリ」「居酒屋デリ」「おばあちゃんの煮物」「自社製調理麺綾」のほか、「セブンプレミアム」を含めた構成で、カテゴリ―別に商品を展開している。どのコーナーも量感にあふれ、売場の核となっている。

店舗周辺にはイオンスタイルや西友もあり、競合は厳しいエリアだ

 フライでは「熟成やわらかとんかつ」(498円)、「メンチかつ2個」(360円)、「チキンステーキ」(398円)、「若鶏唐揚げ」(100g 当たり188円)など売れ筋商品が中心で、寿司は「生寿司10貫」(698円)、「〆ブリ8貫」(830円)、「海鮮丼」(598円)を販売する。

自社ブランドを掲げた「With Mom 海鮮丼」。マグロやイカ、エビ、ホッキ貝入りサラダなどが入っている

 弁当では「煮込みかつ丼」(レギュラーサイズ550円、キッズサイズ320円)、「熟成やわらかとんかつ弁当」(598円)、「コロッケおかか海苔鮭弁当」(480円)、「イカカツおかか海苔弁当」(398円)などなじみのある商品を揃える。

「自社製麺 ダブルソース焼きそば」。自社ブランド「ウィズマム365」は「健康的で若々しい、おしゃれなデリカテッセン」をコンセプトに掲げる

 べーカリーは店内製造ではなく、同じ区内にある「仙台六丁の目店」など近隣店からの納品で、13時頃に大和町店に届く体制であるようだ。商品は「4種のミックスピザ」(798円)、「湯こね食パン」(4枚198円、1斤380円)、「湯こねロール」(119円)、「生メロンパン」(160円)などほぼフルラインで品揃えであるようだ。

小麦粉の一部を熱湯で仕込んだ「湯こねロール」は青葉区にある「仙台上杉店」で製造

 ヨークベニマルの総菜売場は他の部門よりお客の滞留時間が長い。生鮮食品を目的に来店したお客も自然と総菜売場に足が向かっているようだ。お客の多くにとってヨークベニマル総菜売場は寄らずにはいられない売場なのだろう。魅力的な売場であることは間違いない。

リズム感のある和日配

 続いて日配売場を見ていこう。和日配は青果・精肉売場の近くで売場を展開し、平場冷蔵ケース62尺で「漬物」「総菜」「豆」「納豆」「練り物」「水物」「豆腐」とリズム感のある配置となっている。佃煮や中華総菜は総菜売場に隣接して展開していた。各カテゴリーともセブン&アイ・ホールディングス(東京都)のプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」を軸に、地場商品とこだわり商品を絡めた構成となっている。ヨークベニマルは冬場に「おでん種」コーナーを常設するのが定番で、大和町店では平台の催事場で展開していた。

 洋日配は店舗正面から見て左側のゾーンにある。アイスクリーム、冷凍食品、チルド飲料、ヨーグルト・デザートの順に配置され、全体的にコンパクトにまとめているようだ。プレーンヨーグルトは19品目を扱う。訴求品は「セブンプレミアム」だが、「明治・ブルガリアヨーグルト400g」(178円)、「雪印メグミルク・ナチュレ恵400g」(148円)なども安い。牛乳はチラシ掲載の「森永乳業・おいしい牛乳1000mℓ」(218円)を販売していた。商品構成のスタイルは標準店とほぼ変わらず、安定感のある売場となっている。

小型店ながらこだわり商品が充実

 生鮮品・日配品以外の売場スペース構成比は、加工食品が24%、酒7%、菓子8%、日用品5%とこちらもほぼ標準スタイルであるようだ。売場は狭いため、約180cmの高いゴンドラを使い、陳列数を確保している。全体的に「セブンプレミアム」とナショナルブランド(NB)の売れ筋商品をベースとしつつ、こだわり商品も絡めた商品構成となっている。

 つゆでは「久原醤油」、ポン酢は「馬路村」「旭食品」「創味食品」、しょうゆは「味丸十」、みそは「会津天宝」「西京味噌」などと品揃えに幅を持たせており、即席麺は袋麺に力を入れ、5P、3P、単品など43品目と充実させている。小型店ということもあって、カテゴリーごとに品揃えにめりはりを付けている。

 酒類もこだわり商品の扱いがみられ、ウイスキーと焼酎はプレミアム商品を専用ボックスで陳列していた。日本酒は一升瓶30種を揃え、「一ノ蔵」「浦霞」などの地酒15本、「久保田」「八海山」「高清水」といった新潟産や東北産の銘酒15本をラインナップ。菓子も「セブンプレミアム」とNBの売れ筋商品をベースに構成。大袋菓子は55品目も扱っていた。

 ヨークベニマルでは、「nanaco」の現金1万円以上チャージ(入金)で100円分ポイントプレゼントを行っているものの、独自のポイント販促などは行っていない。最近のスーパーマーケットチェーンでは珍しい対応であり、商品に魅力がないとお客を呼び込むのは難しいはずだ。

 その点、ヨークベニマルは、自店としては「売る物」があり、お客にとって「買うもの」がある。小型店であってもそのスタイルは撤退されている。今回、筆者は久しぶりにヨークベニマルの売場を見たが、小型店であっても基本スタイルがぶれていない点には大いに感心させられた。

(店舗概要)
所在地 仙台市若林区大和町4-6-1
開店日 2018年11月16日
売場面積 996㎡(301坪)
営業時間 10:00~22:00
駐車台数 59台
構造 鉄骨造・平屋建て

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