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低カロリー甘味料市場、価格改定以降、厳しい状況が続く 価値や使い方提案で需要拡大をめざす

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年5月20日 1時0分

i-stock/west

価格改定の影響により、低カロリー甘味料市場は厳しい状況だ。低カロリー甘味料の価値をあらためて訴求することで、美容や健康に気を使う若い女性など、新たなファンを取り込んでいくことが重要だ。

金額・数量PIともに前年割れが続く

 KSP-POSデータの低カロリー甘味料の期間通算(2023年4月~24年3月)の金額PIは、852円で対前年同期比6.8%減、数量PIは1.71で同10.7%減。金額PIと数量PIすべての月で前年割れ、数量PIは2ケタ減となった。食品の値上げラッシュや燃料費の高騰などを背景に、家計への負担が大きくなっており、高額商品を控える傾向にある。低カロリー甘味料は買い控えの対象になっていることから、市場は厳しい状況だ。コロナ禍で健康を気づかう若年層の流入が目立ったが、こうしたライトユーザーの離脱が目立っている。今後は低カロリー甘味料の使い方や価値をあらためて訴求していく必要がある。

健康のイメージ
低カロリー甘味料の価値をあらためて訴求することで、美容や健康に気を使う若い女性など、新たなファンを取り込んでいくことが重要だ(i-stock/west)

 サラヤでは、梅酒をはじめとした果実酒提案に力を入れている。砂糖を大量に使う果実酒を「ラカントS」に変えることで、甘くて低カロリー・低糖質を実現する。売場でカロリーカット率を訴求して、気づきを与えることで新たなユーザーを獲得する。

 また、味の素では、料理訴求のテレビCMを投下。使用量1/3で砂糖と同じ甘さの「パルスイート®」を砂糖の代わりに使うことで、カロリーをコントロールしながら甘くておいしい肉じゃががつくれることを訴求。飲み物やスイーツだけでなく、毎日の料理で「毎日コツコツカロリーオフ」を提案している。

 そのほか、顆粒タイプでは、日本リコスが天然甘味料ステビアと食物繊維を配合した「ステビアヘルス」を展開。より上白糖に近いすっきりとした甘さの〈ホワイト〉と、黒糖のようなコクを感じられる〈ブラウン〉の2種類をラインアップ。ホームページでは「ステビアヘルス」を使ったレシピを定期的に更新している。

低カロリー甘味料の金額PIおよび金額PI対前年推移
低カロリー甘味料の金額PIおよび金額PI対前年推移
集計期間:2023年4月~2024年3月 地域:全国 チャネル:食品スーパー 出典:KSP-POS(食品SM)

使いやすい液体タイプは伸びしろの大きなカテゴリー

 冷たい飲み物にも使用できる液体タイプで市場をリードするのは、味の素の「パルスイート®カロリーゼロ液体タイプ」。その後を追うのが、サラヤの「ラカントSシロップ」。店頭配荷が進み、順調に売上を伸ばしている。浅田飴のロングセラーブランド「シュガーカット」は、23年に発売50周年を迎えた。昨年は「シュガーカット」シリーズを対象にしたキャンペーンを行い、ブランド全体を盛り上げた。

 一方、サラヤでは、腸活につながる機能性表示食品「ラカントフローラビオ」を今年3月に新発売。食物繊維イヌリンがビフィズス菌を増やし、腸内フローラを良好にし、食後の血糖値の上昇をゆるやかにするダブルヘルスクレーム商品だ。はちみつのような甘さで、ヨーグルトと相性がよいため、同社ではヨーグルト売場での関連販売で提案している。

 また、発売30周年を迎えるロングセラーの塩水港精糖「オリゴのおかげ」は、おなかの調子を整える特定保健用食品。砂糖に近い甘さで、砂糖に比べてカロリーは40%オフとなっている。飲み物やヨーグルトのほか、料理などへの活用も広がっている。

 腸内環境をよりよい状態にする「腸活」は、TVや雑誌などで取り上げられることが多く、認知も進んでおり、腸活実施者も増えている。低カロリー甘味料の新たな機能として注目されている。

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