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ギフト市場、23年度はカテゴリーによって明暗、食用油ギフトが健闘

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年6月10日 1時20分

中元・歳暮市場はユーザーの高齢化と利用の減少により、今後も先細りが予想される。(写真はイメージ、iStockよりririe777)

中元や歳暮などのフォーマルギフトは縮小傾向にあるが、家族や友人間で気軽に贈り合うカジュアルギフトは堅調に推移している。コロナ禍で気軽に人に会いにくい状態が続いたことから、新たなコミュニケーション手段として定着しつつあるようだ。

ビール・ハムソーギフトは23年も前年割れが続く

 ギフト市場で大きなウエートを占める中元・歳暮市場だが、ユーザーの高齢化とそれによる利用の減少により、長期的に縮小傾向にある。次の世代に贈答の習慣が継承されていないことから今後も先細りが予想される。

 その一方で、家族や友人間で気軽に贈り合うカジュアルギフトは堅調に推移。とくにコロナ禍で気軽に人と会いにくい状況が続いたことから、気持ちを伝える手段としてギフトが選ばれているようだ。

日本のギフトイメージ
中元・歳暮市場はユーザーの高齢化と利用の減少により、今後も先細りが予想される。(写真はイメージ、iStockよりririe777)

 2023年の中元期(6~8月)と、歳暮期(11~1月)は、全体的に苦戦を強いられた。KSP-POSデータによると、ギフトの定番であるビールギフトは、中元期の6月の金額PIが1206円で対前年同期比8.1%減、7月は5019円で同1.2%減、8月は3050円で同4.3%増。歳暮期の11月は1464円で同1.7%増、12月は4999円で同1.4%減、1月は455円で同8.2%減となった。

 同様に厳しい状況となったのがハム・ソーセージギフト。中元期の6月の金額PIは704円で同9%減、7月は1847円で同9.1%減、8月は1118円で同6.7%減。歳暮期の11月は1566円で同0.8%減、12月は5282円で同8.1%減、1月は470円で同3.1%減。中元期、歳暮期ともに大きな落ち込みではないが、すべての月で前年割れとなった。

ギフト関連品目の金額PIおよび金額PI対前年推移

価値あるギフトとしてオリーブオイルギフトに期待

 食用油ギフトの中元期の6月の金額PIは388円で対前年同期比8.4%減、7月は1233円で同2.2%減、8月は1086円で同3.6%増で推移した。歳暮期の11月は592円で同15.7%減、12月は1849円で同15.3%減、1月は394円で同9.2%減。食用油の値上げにより、22年は食用油ギフトの需要は高まり、23年中元期までその傾向は続いたが、23年歳暮期は2ケタ減となった。

 食用油ギフトの中で今年注目を集めているのが、オリーブオイルギフト。原料高騰により今年5月には23年10月以来4度目の値上げが行われた。こうした状況からオリーブオイルギフトは価値のあるギフトとして選ばれることが予想される。日清オイリオグループでは、産地限定、単一品種オリーブオイルを詰め合わせた特別感のあるギフトを品揃えしている。

 一方、味の素AGFでは「味の素ブランドギフト」の一部商品の製造販売を23年12月末で終了。今年の中元期に向けては、環境と使用性に配慮した紙パック容器「スマートグリーンパック®」を採用した食用油ギフトを展開していく。

 調味料ギフトの中元期の6月は101円で同6.5%減、7月は274円で同24.5%減、8月は430円で同8.7%減。歳暮期の11月は139円で同20.7%減、12月は421円で同29.4%減、1月は182円で同1.9%減となった。調味料ギフトは苦戦しており、とくに歳暮期は大きく落ち込んだ。

 中元・歳暮ギフトは厳しい状況だが、仏事のニーズも戻ってきていることから今後のギフト需要に期待が寄せられている。

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