イオン、オーケーも導入 システム問題を迅速に解決できる「New Relic」
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年6月17日 1時0分
近年、EC市場は拡大を続けている。小売業においてもEC比率は年々高まっており、さまざなデジタルサービスが展開されている。もはや、デジタルは小売ビジネスのコアになりつつあるが、ECサイトの運営、モバイルアプリ、決済、レコメンド、配送、会員IDの管理、ポイントやクーポンなど、ビジネスを支えるシステムの構成はますます複雑になっている。システム全体をリアルタイムに把握できるオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームを提供しているNew Relicに小売業における課題や活用事例を語ってもらった。
小売業におけるシステム障害のビジネスへの影響は大きい
小売業においては、顧客のデジタルシフトが進む中で、特にリアルとデジタルをつなぐシステム構成が必要になる。しかし、社内にエンジニア組織を持たない企業も多く、システムのことはベンダーに丸投げするなど、低位安定の関係に固定化されていることも多い。
「全業種と小売業を比較すると、重大なシステム障害が発生した企業割合、重大なシステム障害の検知時間の長い企業割合、重大なシステム障害による年間の機会損失額ともに、小売業界において高い。
アプリがつながらない、決済に失敗したなどの顧客体験が、巨額な売上損失に直結するなど、ビジネスへの影響も大きくなっている」とNew Relic技術統括コンサルティング部 兼 プロダクト技術部部長の齊藤恒太氏は語る。
システム全体のオブザーバビリティプラットフォームを提供する「New Relic」
New Relicは、このようなシステムが抱える課題に対し、システム全体のデータをリアルタイムに取得し続け、常にシステム全容の状況把握と改善ができるオブザーバビリティプラットフォームを提供する。
各システムの情報がサイロ化し、非効率なオペレーションを繰り返していた企業にとっては、組織の誰もが問題の原因をすぐに特定し解決することで、EC/基幹システムをより安定的に稼働させることが可能になる。また、運用業務の自動化・効率化によるコストの削減や、顧客体験の向上などによる収益の向上も見込むことができる。
このようなNew Relicの取り組みは、日本国内では600社以上、そのうち小売業では100社以上に採用されている。イオンでは、巨大なシステムの障害調査の短縮化に成功。経験豊富な一部のエンジニアに頼るのではなく、全員がシステムで発生した問題を解決できるようにすることで、組織文化改革にもつながった。
三越伊勢丹では、これまで解決までに数時間を要するような問題を、数分レベルまで短縮することに成功した。百貨店とそれを支えるグループ各社の情報戦略を担ってきた三越伊勢丹システム・ソリューションズ(IMS)における信頼性向上と、エンジニアの育成にもつながっている。
最近では、1都3県に150店舗以上を展開する食品スーパーのオーケーでも運用が開始されている。オーケーでは2021年10月にオーケークラブ会員限定のサービスとしてネットスーパー、2022年10月にはオーケークラブ会員カードをモバイルアプリ化してリリースしているが、並行して全システムのクラウド化も推進してきた。
クラウド上に展開したすべてのシステムの観測をNew Relicで行うことで、異常の検知や原因特定のスピードアップ、運用の効率化・標準化に役立ている。
ビジネスオブザーバビリティを実現するPathpoint。生成AIの活用も
New Relicはシステムの品質向上などを目的としたエンジニア向けともいえるが、今後は、ビジネス視点での情報を可視化していくビジネスオブザーバビリティを目的とした新しいサービス「Pathpoint」も強化する考えだ。
本来、システムとビジネスは綿密に連携しており、切り離して考えることはできない。「Pathpoint」は、ビジネスに影響するシステムの問題をリアルタイムに把握し、ビジネスに影響する問題の発生個所の切り分けと対応を迅速化することで、ビジネスチームと技術チームがデータに基づくROIの高い意思決定を可能にする。
「Pathpoint」により、これまで分断されがちだったビジネスプロセスと技術要素を関連づけることができる。
さらに、2023年5月には、生成AIの活用についても発表されている。New Relic上の画面から、質問を投げかけるとAIから回答が得られるなど、生成AIを活用することで、専門性の高いエンジニアでなくてもより早く問題分析を行うことが可能になった。2024年4月より生成AIの開発者むけに、AIアプリの観測を可能にするAIモニタリング機能についても一般提供が開始されている。
齊藤氏は、「今後は、小売業界向けのイベント・団体でのメッセージ発信も強化していく予定です。障害対応による非効率な業務、システムのモダン化や複雑化、ベンダー依存の体質など、小売業が抱える問題はさまざまです。Sler/ベンダーとの連携や協業を図りながら、小売業の課題解決に貢献していきたい」と話してくれた。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
オンラインプログラミング学習のProgateが、オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォーム「New Relic」を導入し、サービスのユーザー体験を向上
PR TIMES / 2024年6月25日 16時15分
-
オージス総研、New Relicのダッシュボードを統合したAWSの監査サービス
マイナビニュース / 2024年6月11日 7時21分
-
オージス総研「AWS監査サービス powered by オブザーバビリティ」を提供開始
PR TIMES / 2024年6月10日 12時45分
-
レバテック、国内最大級の人材プラットフォーム「レバテック」にオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォーム「New Relic」を採用
PR TIMES / 2024年6月6日 13時45分
-
オーケーが事業と店舗業務を支える多種多様なシステムのクラウド化と運用の効率化・標準化に向けて「New Relic」を採用
PR TIMES / 2024年5月31日 14時40分
ランキング
-
1新NISAで人気の「NTT株」が5月から急落した深層 個人株主は急増も、海外投資家と思惑のズレ?
東洋経済オンライン / 2024年6月26日 8時10分
-
2テスラ、新型EVリコール 1万台超、不具合相次ぐ
共同通信 / 2024年6月26日 7時12分
-
3売上2兆円、ドン・キホーテ創業者が「日本経済を決定的にダメにした」と断言する“A級戦犯”とは?
文春オンライン / 2024年6月26日 6時0分
-
4スーパーで無料提供されている「割りばし」を大量に持って帰るのはあり?無料とはいえマナー違反になる…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月26日 2時10分
-
5青森のサクランボ農園で実が割れる被害、佐藤錦は1〜3割が裂果…9園が一般客の受け入れ断念
読売新聞 / 2024年6月25日 23時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください