スマホ1つでレジまで…進化するスーパーマーケットアプリの現在地
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年6月30日 20時55分
スーパーマーケット各社のスマホアプリは、機能的な進化を続けています。会員カードやチラシの代替からスタートし、店舗での買い物に欠かせないツールとなるべく更新を重ねてきました。その進化の現在地について、ここでは買上点数と来店頻度を高める機能に注目します。
![スーパー各社のアプリは機能的な進化を続ける](https://diamond-rm.imgix.net/wp-content/uploads/2024/06/01-1.jpg?auto=format%2Ccompress&ixlib=php-3.3.0&s=42c3235b1876c6bcaa7e2fe129e7ab8f)
「買い物メモ」で売上アップ!
スーパーマーケット各社のアプリに共通する初歩的な機能は、チラシ画像の掲載です。この特売情報は集客のためのものですが、これにメモ機能が加わると、買上点数のアップにつながるはずです。正確にいうと、チラシ画像をアップするだけではだめで、セール情報をワンタップでメモやお気に入りに保存できる必要があるでしょう。
ライフ、オーケー、サミット、西友、ベルク、ロピアなど、セール情報をメモ保存できるアプリは増えています。対象商品をカテゴリー別に編集して探しやすくしたり、レシピ情報に記載した原材料を保存できるところもあります。ベルクは、レシピの原材料としてプライベートブランド(PB)等の商品名まで記載しています。例えば「ごまドレッシング」ではなく「くらしにベルク 焙煎ごまドレッシング」とメモさせることで、商品のプロモーションにつなげます。
買い物メモは単なる便利機能ではなく、ベルクのように試みれば販促に結びつくはずです。メモは顧客の買い物支援でもあります。いったい日々の買い物で、どれだけ買い忘れる物があることか。私など、先だっても練りワサビを買おうと思いつつ何度も買い忘れた挙句、最後はネットで注文しました。メモを作らないから忘れるわけで、買い物にメモが必要なことは明らかです。
セール品やレシピ材料だけでは不十分ともいえますが、それだけでもメモ登録できたら、顧客には買い忘れ防止、店にとっては点数アップにつながるはずです。アプリでチラシ画像をチェックするだけではアプリを閉じた瞬間に忘れそうですし、買い物中はいろいろなことに気を取られ、さまざまなことを考えているうちに、あれもこれも買い忘れてしまうなんて、よくあることではないでしょうか。
スマホでレジまで完結
![スマホ1つでカードも財布もレジさえいらない。最高では?](https://diamond-rm.imgix.net/wp-content/uploads/2024/06/02-1.jpeg?auto=format%2Ccompress&ixlib=php-3.3.0&s=1761017abe43cf4051d154f51743f469)
スーパーマーケットのアプリに来店頻度を高める機能があるとしたら、やはり買い物中の商品スキャンだと私は主張します。レジ待ちだけは避けたいので基本的にピーク時間には行きませんが、買い物は日々のことなのでそうとばかりはいきません。ピーク時間に買い物に出るとき、私の選択肢は買い物中にスマホでセルフスキャンができるところに限られます。
買い物中でスキャンができるスマホアプリといえば、首都圏ではイオンリテールの「レジゴー」、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)の「Scan & Go Ignica」、またイトーヨーカドーのアプリ内にも「IYマイレジ ピピットスマホ」が搭載されています。このようなスキャン機能は、スマホをレジ代替にしてしまう画期的なものですが、買い物中のスマホ活用は会員カードの置き換えから始まっており、ポイント管理や割引特典を提供することが原初的な機能です。
そしてカードの代わりにスマホを取り出した以上、支払いまで完結するのがスムーズというわけで、決済機能を搭載するアプリが増加しています。
手数料やセキュリティの兼ね合いから、スマホにチャージする手段は今も現金が主流ですが、ヤオコーは今年、銀行口座からのチャージを可能にしてキャッシュレスで完結できるようになりました。いまどき銀行ATMを見つけてキャッシュを引き出す手間は大変ですし、コンビニエンスストアのATMを利用して手数料を取られるのも愉快ではありません。現金を調達する労力やコストを考えると、スマホ内でチャージできるに越したことはありません。キャッシュレスチャージを可能にすることで、スマホアプリは真に財布代わりと呼べるものになります。これに商品スキャンが加わるとスマホはレジ代替にもなり、買い物の作業はスマホだけで完結します。
アプリ内でチラシとメモが結びつき、ポイントカードと財布、さらにはレジまで結びつきつつあるわけですから、まさにスーパーアプリかもしれません。さらには、ヤオコーアプリ内の「井戸端会議」や、ロピアの公式アプリ「ロピタ」内に設けられたレシピ投稿のように、独自のSNSを志向する機能もあります。日々の買い物を刺激したり便利にしたりする方向性で、スーパーマーケットのアプリのさらなる飛躍を期待しています。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
セルフレジで客が減る? 欧米で「セルフレジ撤去」の動き、日本はどう捉えるべきか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月18日 8時10分
-
買い物しながら自分のスマホでお会計 “レジ待ち解消”の最新システムを記者が体験 買い物時間が短縮 働き手不足のにもひと役 札幌市
北海道放送 / 2024年7月17日 20時58分
-
“黒船ロピア”で競争は激化…地元スーパーは地域密着戦略でがっちり「地域に愛される店をどう作っていくか」知恵とアイデアで低価格に挑む
北海道放送 / 2024年7月12日 21時41分
-
どうしても「1万円札」を崩したい…!コンビニでドリンク1杯を”1万円札”で支払うのは迷惑?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月11日 5時40分
-
スマートフォン提示でカードレスにクレジットカード決済ができる「TOKYU CARD スマート払い」を「TOKYU POINT CARD on LINE」に搭載!
PR TIMES / 2024年7月5日 16時45分
ランキング
-
1今回のシステム障害、補償はどうなる?…「保険上の大惨事」「経済的損害は数百億ドル」
読売新聞 / 2024年7月20日 21時24分
-
2次はコメで家計大打撃!? 昨年の猛暑の影響で不足が懸念、約11年ぶりの高値水準に 銘柄によっては品薄や欠品も
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月20日 10時0分
-
3物言う投資家エリオット、スタバ株を大量取得=関係筋
ロイター / 2024年7月20日 5時59分
-
4「みんなの意見は正しい」はウソである…ダメな会社がやめられない「残念な会議」のシンプルな共通点
プレジデントオンライン / 2024年7月20日 16時15分
-
5AI利用で6割が「脅威感じる」 規則・体制整備に遅れも
共同通信 / 2024年7月20日 16時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)