健康・機能性市場トレンド2024 秋・冬
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年10月21日 1時0分
コロナ禍以降、生活者の健康意識が高まったことで健康・機能性を訴求する商品への需要が高まっている。今回は機能性表示食品、たんぱく質補給食品の市場環境を探るとともに、実店舗での展開事例を紹介する。
乳酸菌やGABA配合の商品群が、市場拡大に貢献
健康志向を背景に毎年右肩上がりで伸長している機能性表示食品。23年の市場は新商品の発売やPR・販促活動の強化、価格改定の影響もあり、前年比19.3%増の6865億円と見込まれている。
成分別でみると、消費者からの認知度が高い乳酸菌は、脂肪(低減)や免疫機能維持、睡眠、ストレス緩和など幅広い機能で訴求しやすいことから大きく伸長。乳酸菌同様、幅広い機能を持つGABAも好調に推移する。
一方、特定保健用食品の23年の市場(見込)は対前年比4.4%減の2690億円となった。機能性表示食品は表示できるヘルスクレームが多様化しているが特定保健用食品は表示できる機能が少なく、商品化までに時間やコストがかかることから、今後も新商品の発売は限定的とみられている。
睡眠に関するヘルスクレーム、コロナ禍以降も好調に推移
続いてヘルスクレーム別でみると、「脂肪」に関するヘルスクレームは性別や年代にかかわらず需要が高く、23年は飲料の大型ブランドが投入されたことで著しく伸長。23年市場(見込)は前年比8.3%増の3669億円となっている。
コロナ禍で広まった「睡眠」に関するヘルスクレームは、ブームが収まりつつあるものの消費者の関心は依然として高い。また、腸内環境改善とストレス緩和を組み合わせたマルチヘルスクレームも好調で、24年以降も市場拡大が予想される。
新商品をみると、森永乳業は肌の保湿力と腸内環境の2つの機能が表示された「森永アロエヨーグルト W」を投入。ポッカサッポロフード&ビバレッジは「ポッカレモン100」を高めの血圧(収縮期血圧)を下げる機能性表示食品としてリニューアルした。マルサンアイは睡眠の質改善・疲労感緩和・血圧低下に関するトリプルヘルスクレームを取得した豆乳飲料およびアーモンドミルクを発売したほか、日清オイリオグループの「日清MCTオイル」は「足の筋力を維持する」という新たな機能性表示を届け出た。
このような複数のヘルスクレームを持つ機能性表示食品は今後も増加することが予想され、消費者にとっての選択の幅が広がりそうだ。
ブームは終息したものの、微増傾向が続く
富士経済の調査によると、2023年のたんぱく補給食品の国内市場は対前年比4.3%増の2687億円となった。
15年に各種メディアでたんぱく質の重要性が発信され、たんぱく補給ブームが到来。また筋トレの流行や、インフルエンサーによるプロテインの紹介が増加したことも、新規ユーザーを取り込むきっかけとなった。
20年以降は新型コロナウイルス感染症の流行による生活様式の変化もあり、外出制限や運動不足に伴うコロナ太り解消の需要を獲得。とくにTV番組で特集されたことでライトユーザーを多く獲得し、21年までは10%を超える伸びが続いた。22年以降はブームが一段落し、メディアの露出減少やライトユーザーの離脱がみられる。
しかし、同カテゴリーの主要品目であるプロテインはヘビーユーザーを中心に引き続き需要が増加しているほか、毎日の食生活に取り入れやすい麺類やスープ類、ソーセージなどの食事メニューや、栄養素をバランスよく含むシニア向けの経口栄養流動食などが伸長している。
24年の市場はプロテインや常温加工食品など、たんぱく補給に関する意識の高い消費者を中心に需要増加が続き、前年比2.8%増の2763億円が見込まれている。
食事やおやつ感覚で、たんぱく質を手軽に摂取
プロテインパウダーを中心に市場を拡大してきた同カテゴリーだが、近年、伸長しているのが、手軽にたんぱく質を摂取できるタイプの商品だ。
よつ葉乳業は今年4月に発売した「よつ葉 たんぱくリッチ0」の好調を受けて、ゴクゴク飲めるさらっとした飲み心地が特徴の新商品「同 のむヨーグルト プレーン加糖」を今月発売。
カルビーは豆のおいしさを楽しめるブランド「miino(ミーノ)」から北海道産大豆「ゆきほまれ」を使用した「miino 大豆 しお味」を期間限定で発売。大豆由来のたんぱく質と食物繊維がたっぷり含まれた、おつまみにもおやつにもピッタリの商品だ。
キッコーマン食品では大豆を使った乾麺とスープをセットにした「大豆麺」シリーズを展開。新商品の「大豆麺 中華そば ゆず塩」は帆立だしに宗田鰹節と煮干しを合わせた魚介ベースのだしにゆずの風味を加えたスープが特徴だ。
丸大食品は「プロテインスティック マイルドソルト味」「同 ブラックペッパー味」をリニューアル。原材料がわかるよう「プロテインチキンスティック」へ名称変更したほか、パッケージでは食シーンをピクトグラムで表現し、手に取りやすくしている。
たんぱく質はカラダづくりや体力づくりに欠かせない重要な栄養素だ。商品ラインアップも豊富になっていることから、たんぱく補給食品のカテゴリーは今後も成長が期待できるだろう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
マルサンアイ カナダで新会社設立 「豆乳パウダー」事業に新規参入
食品新聞 / 2024年11月20日 16時22分
-
森永乳業 下期は機能性回復へ ビフィズス菌啓蒙継続
食品新聞 / 2024年11月18日 9時52分
-
女性が不足しがちなビタミン・ミネラル・たんぱく質が摂れる累計売上63万個突破(※1)の人気プロテインシリーズから新フレーバー2種類が登場!ファインプロテインダイエット 抹茶風味&焼き芋ブリュレ風味
PR TIMES / 2024年11月15日 17時45分
-
脂肪肝を予防する「肝活」に! キッコーマンが「鍋に豆乳を入れる」提案
マイナビニュース / 2024年11月11日 15時35分
-
ヤクルト本社 新ブランド「豆乳の力」 植物素材利用食品を新たな柱に 植物性ヨーグルト市場で新機軸創出
食品新聞 / 2024年10月25日 14時18分
ランキング
-
1ブランド物を欲しがる人と推し活する人の共通点 囚われの身になってしまう、偶像崇拝者たち
東洋経済オンライン / 2024年11月21日 14時30分
-
2「無人餃子」閉店ラッシュの中、なぜスーパーの冷凍餃子は“復権”できたのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月20日 6時15分
-
3「サトウの切り餅」値上げ 来年3月に約11~12%
共同通信 / 2024年11月21日 19時47分
-
4食用コオロギ会社、破産へ 徳島、消費者の忌避感強く
共同通信 / 2024年11月21日 18時25分
-
5さすがに価格が安すぎた? 『ニトリ』外食事業をわずか3年8カ月で撤退の原因を担当者に直撃「さまざまな取り組みを実施しましたが…」
集英社オンライン / 2024年11月21日 16時49分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください