名古屋市の都心部に出店! 「ロピア千種店」売場レポート
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年10月23日 20時56分
ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)は中京地区7店目となる「ロピア千種店」(以下、千種店)を5月15日にオープンした。愛知県内では23年11月にオープンしたロピア名古屋みなと店(名古屋市)に続く2店目の出店で、名古屋市内としても2店目になる。人口密度が高い都心部に登場したこの都市型店舗の特徴に迫ってみた。
調査日=2024年6月9、10日 ※本文中の価格はすべて本体価格
マンションも多い都心部に出店
名古屋市の千種地区は愛知県と中部地方最大の繁華街・ビジネス街である「栄」駅から地下鉄で2駅。千種店はJR中央線と地下鉄東山線の「千種」駅から徒歩約3分の交差点に位置する。周辺にはマンションが多く、人口密度が高い都心部である。
千種店は敷地内に高層マンションもある建物の1階に出店。この建物には今年1月までバッグや靴などのブランドを扱う「フィットハウス名古屋千種店」が店を構えていた。2階には「サンドラッグ」「セリア」が同時に開店した。
売場面積は約510坪(歩測)とロピアの標準規模。エスカレーターが売場の中央にあるにもかかわらず、売場スペース構成比は生鮮・日配の合計が61%と本来のスペース割りを実施している。非生鮮売場は品揃えを絞っているが構成比は変わりがなかった。このバランス感覚がロピアの強さでもある。
コンパクトにまとめた青果売場
部門別に売場を解説していく。生鮮売場は約160坪(歩測)。青果売場は約28坪(同)とやや狭いが、コンパクトにまとめた。平場壁面に12尺冷蔵ケースでメロン、マンゴー、ライチ、ブドウなど国産、輸入の単価が高い商品を配置。都心型店舗を意識した商品導入である。入口はバナナ。平台の陳列でこの日は1房500円で販売。外国客の購入が目に付いた。
平台は4台。前方は旬のサクランボ、メロン、スイカを配置。チラシ(6月4日~10日)では「アメリカンチェリー1パック」(999円)、「同大入り」(3000円)、「スイカ」(1980円)を掲載。メロンは「レッドメロン大玉」(399円)、「イエローキングメロン」(880円)、「アールスメロン」(1390円)と価格バランスを取った構成。スイカ(1/4カット)は「イエロースイカ」(599円)、「レッドスイカ」(699円)。キウイは壁面8尺で「5玉」(500円)、「10個」(900円)を販売していた。
野菜は壁面冷蔵ケース32尺で愛知産「スイートコーン」(199円)、徳島産「同2本」(399円)、「ホウレンソウ」(111円)、「レタス」(139円)、「キャベツ」(150円)と他店と比較すると安値で提供している。
平台の後方2台目はトマトコーナーで「フルーツトマト」(100g当たり89円)、「トマト8個」(399円)、「ミニトマト」(100g当たり199円)とトマトは重点商品である。平台3台目は旬のアスパラガス、ズッキーニや「キュウリ8本」(299円)、「白ネギ3本」(199円)、ブナシメジ、マイタケなどを配置。4台目は売れ筋のピーマン、カボチャ、ナス、エンドでオクラ、長イモを、背面はニンジン、ジャガイモ、タマネギを配置する。6月10日は新タマネギをバラ売りで1個111円、3個250円で販売する。
青果は政策が明確で、旬果実に贈答用の扱いもある。野菜はトマトをメインに、売れ筋商品を価格訴求で提供している。
総菜売場は売れ筋に絞って利益を取る
総菜売場は品揃えを絞った。平場壁面の12尺でサラダ、沖縄そば、ミルフィーユローラー、14尺でチキン南蛮タルタル、ピザを販売。ピザは平時と週末とは販売方法を変え、平日はモーニングサービスと銘打って「プルコギピザ」「マルゲリータ」などを1箱650円、2箱1200円、3箱1500円で販売。週末はディナーピザとして「究極のマルゲリータピザ」「チキンピザ」「ウインナーベーコンピザ」などを999円で販売していた。
平台のメイン通路エンドで「王道ミートグラタン」(680円)、「アップルパイ」(999円)を陳列。右側は26尺で「小林さんちのナポリタン」(666円)、「山男のチキン丼」(600円)、「ウナギ姿ずし竹」(1111円)、「ごちまるキンパ(牛カルビ)3~4人前」(1380円)、エンドでは「ふっくら焼き鳥(たれ)10本」(660円)、「同20本」(1180円)を展開。左側は「大きな皮のせシューマイ6個」(777円)、「小林さんちのロールキャベツ6個」(666円)、「ロピチキ3個」(600円)などフライ系を配置している。
全体にロピアの売れ筋商品で構成し、予算が立ちやすく利益が取れる仕掛けがほぼ完成したのだろう。堅実な対応である。ただ作業場が後方で補充に苦労をしていると見られる。
鮮魚売場に対面の握り寿司コーナー
鮮魚売場には8尺で対面の「握りずし」コーナーを導入しており、売場に華やかさがある。扱う具の数は約30。「本マグロ大トロ」「穴子」(500円)、「本マグロ中トロ」「イクラ」(300円)、「本マグロ赤身」「赤貝」「ヒラメ」(200円)、「生サーモン」「ブリ」(150円)など価格帯に幅を持たせている。お客の反応も良く、週末は人が途切れることなく購入しており、この売場がロピアの看板になりつつある。
隣では「魚萬握りずし喜14貫」(1590円)、「楽30貫」(3200円)、「チラシずし」(1200円)、「チラシずし(ウニ・イクラ・カニ)」(1390円)、横8尺で「たっぷり具巻(カニ)」(1590円)、「マグロ」(1190円)、「サーモン」(1190円)、「ウナギ巻ずし」(1190円)、「魚萬はみだし巻」(990円)など幅を持たせた。
壁面は42尺。丸物、切り身、マグロ、刺し身冊、塩干、珍味を配置。丸物では「真アジ2尾」(600円)、「マガレイ1尾」(500円、600円)など。切り身は「真サバ2切れ」(390円)、「ブリ切り身」(100g当たり180円)、「本マグロ刺し身用(マルタ産)」(同550円)、「ブリ刺し身用」(450円)などを販売。連続してウニ、明太子、珍味とつながる。この壁面は量感と質感があり、定期的に担当者が商品をチェックしている。
平場ではサーモン、タコに冷凍魚「銀ザケ(切り身三切れ)」「ホッケ」「フライ」「ブラックタイガー」「ウナギ」など売れ筋商品に絞ってコンパクトにまとめている。鮮魚売場は精肉売場に対してライバル意識があるようで、攻めの姿勢を感じる。売場の雰囲気が販売に連動しているようだ。
後編は精肉売場と日配・加工食品売場を解説する。
(店舗概要)
所在地 愛知県名古屋市中区新栄3-20-24
開店日 2024年5月15日
売場面積 約510坪(歩測)
営業時間 10:00~21:00
駐車台数 約150台
アクセス JR中央線・地下鉄東山線「千種駅」徒歩約3分
競合店 マックスバリュ グランド千種若宮大通店
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
南米最大級の水産食品展示会、日本食・すしに高い関心(ブラジル)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月31日 9時40分
-
「くら寿司」×Adoが新コラボ 好物マグロ&サーモン、マグロ&イクラ「ミルフィーユ寿司」2種を発売
オトナンサー / 2024年10月21日 17時10分
-
関西初の「ロピアモール」として出店! 「ロピア北加賀屋店」の売場を解説
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年10月17日 20時55分
-
「スシロー」大切り「本鮪」が“100円” 「漬けうに」“120円” 新キャンペーン開始 グランドメニューに「サラダ寿司」3種追加
オトナンサー / 2024年10月16日 12時10分
-
多治見店とは違う「ロピア桑名サンシティ店」の独自の売場づくりとは?
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年10月2日 20時59分
ランキング
-
1型破りコンセプトのエアバス新型機、ついに航空会社の手に! 「通路1本の旅客機」の常識を覆すスペックとは
乗りものニュース / 2024年11月1日 7時12分
-
2米アマゾン、55%増益=生成AIでクラウド成長―7~9月期
時事通信 / 2024年11月1日 8時56分
-
3セブン「上げ底疑惑」で社長発言がマズすぎた理由 言い方や、他企業との比較も悪手でしかなかった
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 18時10分
-
41個40円の「パチパチパニック」売上10倍に 子どもが減っているのに、なぜハジけたの?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月31日 8時30分
-
5富士通、間接部門の幹部に早期退職募集…組織再編で余剰人員を削減
読売新聞 / 2024年10月31日 20時5分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください