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生鮮売場を確保する巧みなレイアウトに注目! 「ロピア千種店」の売場を徹底解説

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年11月6日 20時54分

ロピア千種店は今年1月に閉店したフィットハウス名古屋千種店の建物の1階に出店した

ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)は名古屋市2店目となる都心型の「ロピア千種店」(以下、ロピア千種店)を5月15日にオープンした。全店ベースでは94店目となる。前編では生鮮売場を青果、鮮魚、総菜まで見た。後編は精肉売場と日配・加工食品売場を見ていこう。
調査日=2024年6月9、10日 ※本文中の価格はすべて本体価格

ロピア千種店は今年1月に閉店したフィットハウス名古屋千種店の建物の1階に出店した

精肉売場は落ち着いて風格がある

 精肉売場は約53坪(歩測)で生鮮ゾーンの締めである。屋号の「肉のロピア」が英語表記となっており、売場の雰囲気が既存店と異なった雰囲気となっている印象だ。

 左壁面は加工肉が16尺、豚肉は24尺でしゃぶしゃぶ、ステーキ、焼き肉、ひき肉を展開。調査日は、豚肉を「ロピア柳津店」(岐阜県岐阜市)の精肉作業室から納品していた。ケース下段では三重産「しゃぶしゃぶ用大」(100g当たり169円)、号外POPを付けてメキシコ産「豚ばらブロック」(同99円)、国産「豚ひれ肉ブロック」(同169円)、国産「豚ももスライス」(同79円)、豪州産「牛・豚ひき肉(牛:豚=7:3)」(100g当たり98円)を提供する。

オリジナルのたれに浸したチリ産の豚肉ローススティック。100g当たり129円で販売

 牛肉は正面28尺でブロック、ステーキ、焼肉用、しゃぶしゃぶの並びでオリジナルの「みなもと牛」をベースに輸入牛を絡めた構成だ。この週の日替わりチラシ商品はみなもと牛のオンパレードで「切り落とし」(100g当たり299円)、「ステーキ用切り落とし」(同499円)、「切り落とし焼き肉用」(同399円)、「モモブロック」(同399円)。週末もこれらの商品が売れている。

 鶏肉は平台16尺を2本展開。右側は「メガ盛」で「国産若鶏モモ肉(特大)」(100g当たり69円)などを配置、背面は岐阜県産の「恵那どり」で「若鶏もも肉」(同129円)、「手羽元」(同107円)などを買いやすいサイズで販売していた。

岐阜県産の「恵那どり」。若鶏の砂肝は100g当たり129円

 メイン通路には6尺と8尺の什器を並べ、壁面側には牛肉とたれを、反対側は63本で輸入牛のプルコギ、サムギョプザル、牛サガツステーキなどを展開し、力を入れている。

 冷凍肉は絞って、焼き鶏、コロッケ、ホルモン、北京ダックなどを展開。他の生鮮売場と比較すると、他のチェーンにはない落ち着いた風格のある売場であり、安心して買える。この雰囲気がお客を呼び込んでおり、ロピアのノウハウなのかもしれない。

迫力の20尺のキムチコーナー

 日配売場は生鮮売場と同様に、スペースを十分に確保。商品構成もほぼモデルに近い。和日配の平場は60尺。漬物は精肉関連として特にキムチを独立させて、和日配の顔にした。漬物は40尺でうちキムチが20尺を占める。「高麗食品」が45品目、「ダイニチ食品」が2品目を扱っており、29品目を対象に1399円、31111円で販売する。多くのお客が売場の迫力に圧倒されて購入していく。この発想は「ロピア」ならではと言えよう。

 納豆は6尺で下段に「タカノフーズ・まろやか旨味45×3」(67円)、オリジナル商品「北海道ユキシズカ大豆使用雪静40×3」(89円)を展開。豆腐は広島県に本社を置く「やまみ」がメイン、揚げは地場、愛知県稲沢市の「小菱屋」をメインに「もめん厚揚げ1枚」(111円)、「がんも16個」(399円)、「油揚げ16枚」(111円)などを価格訴求する。

 洋日配は正面壁面。チーズケーキ(グループ企業の利恵産業)、ホエイフォンケーキ(三重県津市の「喜場」)、ゼリー(大阪府堺市の「アイズ商会」)、サンドイッチ(岐阜県山県市の「リッチバーガー」)を41本ずつ専門店コーナーとして展開。単価が張る商品だが、よく売れている。現場主義だからできるのだろう。

 カップ飲料を挟んで32尺で乳製品を展開。扱いは固定化されている。

洋日配で展開されていた「バニラビーンズ香るごほうびプリン」はグループ企業の利恵産業で製造

 右側76尺でチルド飲料、ヨーグルト、ゼリーを配置。無調整牛乳は定番「東海乳業」(岐阜県岐阜市)の「酪農牛乳1ℓ」(189円)、「関牛乳」(岐阜県岐阜市)の「無調整牛乳1ℓ」(299円)を導入。プレーンヨーグルトは1220品目の扱いでメインは「日本酪農」。下段は爆買いの4個販売で扱いはほぼ固定化した。

加工食品はスパイスに力を入れる

 加工食品・飲料・酒の売場スペース構成比は27%とほぼ標準。全体に売場は縮小されているが、定番はロピアスタイルを踏襲している。

 スパイスは21尺で展開している。アウトドアスパイスは6尺で棚に「うお~かけてかけまくろ!!」の帯。塩・アウトドアスパイスで110品目の扱いがある。パスタは「はごろもフーズ・ポポロスパゲティ7700g」(259円)を主力に棚6段で販売。即席袋麺は3尺で「サンヨー・サッポロみそ5袋」(329円)など10品目に、カップ麺は大型サイズを中心に35品目に絞った。売れ筋は「ハウス食品・バーモントカレー230g」(199円)、「キユーピー・マヨネーズ450g」(299円)など。

オリジナルの調味料も多い。写真はイタリア産の黒トリュフを使った「トリュフ醤油」
「なつかしの香ばしむぎ茶(56パック入り)」。水出し・煮出し共用の麦茶パック

 飲料の定番は30尺と売れ筋商品に絞り、催事に力を入れている。水は「友桝飲料・蛍の郷の天然水500ml」(39円、3111円)を販売。酒はスペースを割いて、とくにウイスキーは15尺取った。輸入ウイスキーはスコッチを軸に鍵付き7ボックスを展開するなど55品目、台湾も4品目陳列。日本酒は岐阜県、愛知県、三重県の地酒の扱いがあるなどきめ細かい対応が取られている。

菓子売場は縮小も、催事が目立つ

 エスカレーターがほぼ中央で前方ゾーンが変則的なため、菓子売場が縮小されているが、催事対応が多く、売場スペース構成比は12%と高い。定番は売れ筋部門をベースに構成。菓子大袋は1246品目の扱い。「ロッテ・チョコパイ9個」(279円)、「不二家・カントリーマアム19個」(199円)、「明治・ベストスリー135g」(259円)と売れ筋商品で構成している。

オリジナルの「割れせんべい」はグループ企業のユーラスが製造。生地を焼き上げた後に割っている

都心店を意識してさまざまな工夫

 千種店は居抜き出店で、エスカレーターが売場中央にあるという建物の制約もあり、レイアウトには苦労の跡が見えた。ただ生鮮売場のスペース構成比は38%と生鮮ゾーンはきちんと確保し、かつ生鮮一体型を維持し、力を発揮していた。加工食品売場の商品構成は定番を中心とし、絞り込んだ。今年2月に三重県1号店としてオーブンした「桑名サンシティ店」(三重県桑名市)の売場を踏襲しているように思えた。

 売場は落ち着いた雰囲気で、配置も合理的でムダが少ない。スペースの制約があるため、レジにも工夫が見られた。並ぶレーンは2カ所だが、それをレジ8台で対応することで、狭いスペースを効率的に使用していた。

 商品は全体に堅実で売れる商品に絞っている。都心型店舗であることから名古屋みなと店と同様に営業時間を21時まで延ばしている。愛知県内の他店では19時か20時までの営業だ。

 来店客は夫婦連れが多いが、都心の店舗であるため客層が広く、外国人客も多い。調査日にはお客は途切れることはなかった。ロピアはもともと都心店が強い。その強さを見せてくれた店であると言える。

(店舗概要)
所在地  愛知県名古屋市中区新栄3-20-24
開店日  2024年5月15日
売場面積 約510坪(歩測)
営業時間 10:00~21:00
駐車台数 約150台
アクセス JR中央線・地下鉄東山線「千種」駅徒歩約3
競合店  マックスバリュ グランド千種若宮大通店

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