消費者がリピ買いしている商品はこれ! 2024年7~9月リピート率ランキング
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年12月6日 1時0分
ダイヤモンド・リテイルメディアでは、True Dataの「ウレコン」のデータを基に主要カテゴリーのリピート率ランキングを調査。今期は「ビール」「ヨーグルト」「中華料理の素」「冷凍米飯加工品」の4つを取り上げ、トレンドを探る。
出所:ウレコン
対象期間:2024年7月1日~9月30日
抽出方法:100以上の商品がある食品カテゴリーに関して、売上個数累積構成比で90%
以上の商品のリピート率でランキングを作成
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ビール
機能系や小容量の商品が上位に
ビールは酒税改正の影響による新ジャンルや発泡酒からの流入もあり、好調に推移するカテゴリーのひとつだ。
同カテゴリーで特徴的なのが、機能系の商品の動きだろう。売上個数ベースのランキングでTOP20内に入った糖質ゼロ系商品はキリンビール「キリン一番搾り糖質ゼロ 350ml」のみだったのに対し【図表1】、リピート率ランキングではサントリー「パーフェクトサントリービール」と「キリン一番搾り糖質ゼロ」が各3商品、計6商品がランクインしており【図表2】、糖質ゼロの関心の高さがうかがえる。
1位の「パーフェクトサントリービール 350ml×6」を含め3商品がランクインした「パーフェクトサントリービール」は、ビールならではの“力強い飲みごたえ”と糖質ゼロによる“爽快な後味”が楽しめる商品。味わいへの評価が高く、好調に推移している。
一方、キリンビールの「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は2020年10月6日に発売を開始。24年5月末時点で計販売数量が6億本を突破し、新たなユーザーを獲得している。
アサヒビール「アサヒスーパードライ」は売上個数ランキングではTOP20内に4商品がランクインしていたが、リピート率ランキングでは7商品がランクインしており、多くのロイヤルユーザーがついていることが分かる。さらに、ランキング内で唯一の瓶ビール「アサヒスーパードライ 大瓶 633ml」が入っている点もポイントだ。
またリピート率ランキングでは、2位「アサヒスーパードライ 135ml×6」や5位「アサヒスーパードライ 250ml」、6位「キリン一番搾り250ml」といった250ml以下の商品群も多くランクインしており、これらはビールカテゴリー全体と比較し、女性や70代、80代の購入割合が多い【図表3,4】。このことから「350ml缶では飲み切れないので小容量のビールがほしい」というニーズが一定数あると考えられる。
ヨーグルト
繰り返し購入されている植物性ヨーグルト
売上個数ランキングでは、明治の「明治ブルガリアヨーグルト LB81 プレーン 400g」が1位となったヨーグルトカテゴリー【図表5】。今回、リピート率1位となった商品は、マルサンアイの「豆乳グルト400g」だ【図表6】。同品は2010年に発売された植物性ヨーグルトを代表するブランド。乳酸菌TUA4408Lにより「お通じを改善する」機能性表示食品で、コレステロールゼロかつ大豆イソフラボンも摂取できるという商品特徴から、平均価格が208円と他商品と比べ高額でありながら、繰り返し購入されている。
また、他の植物性ヨーグルトとしてポッカサッポロフード&ビバレッジ「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト 110g」が6位にランクイン。同品は血清コレステロールを低下させるはたらきがある大豆たんぱく質を含んだ特定保健用食品だが、24年9月末に販売終了している。
お通じの改善やコレステロールゼロなどの効果を期待して、冷蔵庫にストックするユーザーも多い植物性ヨーグルトだが、購入者の属性を見ると「豆乳グルト 400g」はカテゴリー全体と比較し50代の割合が多く【図表7】、「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト 110g」は60代、70代の割合が多い【図表8】。同じ植物性ヨーグルトでも、容量・サイズの違いから購入者の年齢層が異なっていることが分かる。
もう1点、ヨーグルトカテゴリーのリピート率ランキングでキーワードとなっているのが、商品名に「砂糖不使用」と記載がある商品群だ。今回のランキングでは7位「森永乳業 トリプルヨーグルト 砂糖不使用 ドリンクタイプ 100g」、15位「ダノンビオ プレーン 砂糖不使用 75g×4」など、TOP20に5品がランクインしている。売上個数ベースでみると「砂糖不使用」と記載されている商品はランク内に1商品のため、「砂糖が含まれていない」というワードはリピート購入に大きく係わっているといえるだろう。
中華料理の素
下処理済みの具材・ソース入りシリーズが支持を集める
簡便・時短のアイテムとして、主婦層からの支持も厚い中華料理の素。売上個数ランキングでは味の素の「CookDo 回鍋肉用 90g」が1位になった一方【図表9】、リピート率ランキングでは日本ハム「中華名菜 八宝菜 390g」が1位となった【図表10】。
同品は、にんじん・きくらげ・うずら卵・豚肉・鶏肉・たけのこ・しいたけ・まいたけという8種類の下処理済みの具とソースが入ったチルドタイプの商品。「中華名菜」シリーズは売上個数ランキングでTOP20に3商品が入ったが、リピート率ランキングでは5商品がランクインしている。
今回1位となった「中華名菜 八宝菜 390g」の購入者を見るとカテゴリー全体と比較し男性が多く、年代別で見ると70代、80代の割合が多いという特徴がある【図表11】。同品は下処理済みの具材・ソース入りという簡便性の高さから、世帯人数の少ないシニア層や男性も繰り返し購入していると推測される。また購入時間帯を見ると、シニア層のユーザーが多いこともあり、午前中の購入が目立っている。
5位にランクインした丸美屋食品工業の「贅を味わう 麻婆豆腐の素 コク深い甘口 180g」と12位の「同 中辛 180g」は、本格志向の麻婆豆腐好きに向けた、贅沢な味わいが特徴のひき肉入り麻婆豆腐の素。2024年1月にリニューアルを実施しており、平均価格が200円台と麻婆豆腐の素のなかでは比較的高価格帯の商品となる。同シリーズは売上個数ベースではTOP20には入っていないが、リピート率は高い。
辛さの違いでユーザーが異なるのも麻婆豆腐の素の特徴だ。「同 コク深い甘口 180g」を購入している年齢層はカテゴリー全体と比較し40代の割合が多く【図表12】、「同 中辛 180g」は50代の割合が多い【図表13】。小さな子供がいる家庭は、子供の味覚に合わせて甘口の商品を手にとることが多く、これが甘口タイプのリピート率の高さにも影響しているようだ。
冷凍米飯加工品
個食対応・食べきりサイズの商品群に伸びしろ
売上個数ランキングでニチレイフーズの「本格炒め炒飯 450g」が1位となった冷凍米飯加工品は【図表14】、冷凍食品の中でも特に売上構成比の高いカテゴリーだ。今回取り上げた3カテゴリーと比較して、売上個数ランキングの上位にある商品がリピート率ランキングでも上位に入る傾向にある。そうした中でリピート率1位となったのは、ニップンの「いまどきごはん」シリーズの「野菜を食べるカレー」だ【図表15】。
「いまどきごはん」は外食メニューや家庭では作りにくいメニューが手軽に楽しめるシリーズ。具沢山で食べ応えがあり、トレー容器に入っているため皿に移し替える手間もない簡便性の高さが特徴だ。「野菜を食べるカレー」は100gの野菜と五穀ごはんを使用し、たっぷりの具材と共にスパイスの効いた香り豊かなカレーを楽しむことができる。「いまどきごはん」シリーズは「野菜を食べるカレー」以外にも6位の「参鶏湯」や12位の「具だくさんビビンバ」、14位の「甘だれからあげ丼」と複数の商品がTOP20にランクイン。「野菜を食べるカレー」は、カテゴリー全体と比べて女性ユーザーが多く【図表16】、年齢層をみると60代の割合が多いことから【図表17】、ランチや少人数世帯の夕食として利用されていると考えられる。
リピート率ランキング3位にランクインしたニチレイフーズの「もちもちおこわ 美味三味 80g×3」は、栗・赤飯・鶏五目の3種類の味が一袋に入ったおこわのおにぎり。もち米とうるち米を最適な比率で炊飯釜で炊き上げた同品は、カテゴリー全体と比較し60代、70代に購入されており【図表18】、購入時間も11時台など午前中の割合が高い【図表19】。
リピート率ランキングでは、大袋のチャーハンやチキンライス、ピラフ以上に食べきり・個食タイプの商品が目立っており、こうしたリピート率の高い商品を上手に店頭展開することが冷凍食品売場の活性化につながりそうだ。
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