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福岡のソウルフード「ごぼう天うどん」に見た、うどんの奥深さ

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年12月30日 20時55分

福岡のソウルフード「ごぼう天うどん」

仕事で全国あちこちへ行くが、毎度、楽しみなのはその地で長く愛される食の定番メニュー。いわばソウルフードだが、福岡県の場合、私は「ごぼう天うどん」推しである。麺、つゆ、具、すべてが、私の住む京都のうどんとまったく別物で、強烈においしい!今回は直方市で入った店をレポートする。

福岡のソウルフード「ごぼう天うどん」

 ファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングス(東京都/金谷実社長)は2024年10月、うどんチェーン「資(すけ)さんうどん」を展開する運営会社、資さん(福岡県/佐藤崇史社長)を買収した。

 資さんは1976年創業で、当初は北九州市を中心に店舗数を拡大。その後、後継者問題などを経て18年、投資ファンド傘下となってからは九州各地、さらに大阪府、兵庫県、岡山県に進出。24年11月には関東1号店となる「八千代店」(千葉県八千代市)をオープン。25年初頭には東京・両国に出店し東京都にも上陸する予定だ。大手ファミレス傘下となったことで、さらに広域で事業展開すると観測されている。

 私は以前から度々、資さんうどんを利用していた。一番通っているのは「小倉」駅から徒歩数分にある「資さんうどん魚町店」。

出張で定期的に足を運ぶ九州・小倉
小倉駅から徒歩数風の距離にある「資さんうどん魚町店」

 出張時、夕食のため寄ることが多い。最初はおでんとビール、焼酎、そしてうどんでフィニッシュするのがお決まりのコースだ。

 〆はいつも「ごぼう天うどん」(資さんうどんのメニューでは「ごぼ天うどん」)。関西では見たことのないメニューで、これが“サイコー”なのですよ。麺は柔らかい中にも、ほんの少しだけコシがあり、京都と比べると汁の見た目はやや濃く、甘いながらも深みがある。極めつけが麺の上に乗っている、ごぼうの天ぷら。

 ごぼうの天ぷらは、天ぷら定食の一品として出てきても全然うれしくない。だがうどんの上に乗った途端、その実力を発揮する。衣が汁を吸い、だしの旨みがごぼうに染み込んだ結果、とてつもなくおいしい具に豹変するという印象である。

 私を楽しませてくれる資さんうどんだが、今回、大手ファミレス傘下となることで、個性のない味になるのではとの懸念がある。ニュースのコメント欄にも同様の声が多数寄せられている。皆、心配しているのだろう。

 しかし、九州にはまだまだおいしい「ごぼう天うどん」がある、というのが今回のテーマである。

 少し前、私は仕事で福岡県直方市へ行った。その時、カメラマンやコーディネーターの方と、たまたま見つけたのが「英ちゃんうどん」という店だった。外観は、よくある定食屋さんのような感じ。ほかに目ぼしいところもないので、「ここで食事をしようか」と皆の意見がまとまった。

福岡県直方市で見つけた「英ちゃんうどん」。昼時には行列ができる

 入店すると、午後1時を過ぎても席は8割がた埋まっていた。スマホで調べると、昼時には行列ができることもあるようだ。

 「結構人気があるんだな」ぐらいに思い、案内された座敷に腰を下ろした。

うどんの奥深さを知る

 店内を観察すると、スーツを着た会社員やドライバー風の男性、友達同士の女性、家族連れなど、客層は幅広い。総じて着飾らず、気軽に利用できる店のようだ。

 女性スタッフが水とメニューを持ってくる。メニューを決めようとざっと目を通すと、どれもすごく安い!

メニューを見ると、いずれも安い。「ごぼう天うどん」は何と同390円!

 大好きな「ごぼう天うどん」はなんと税別390円!「えび天うどん」「肉うどん」は同440円である。もう少し値上げしてもいいのではないか、と大きなお世話をしたくなるほどの価格設定である。なお、「そば」は80円増し。

 それらのうち、私は「人気No. 1」の「肉ごぼう天うどん」を頼んだ。価格は同570円。それに「いなり」同70円を1個つける。何度も申し訳ないが、ホント安すぎですよ。なお「人気No.2」は「肉増しうどん」同640円、「人気No.3」が「肉磯辺天うどん」同540円。

 78分ほどして私の目の前に料理が届けられた。見てください、この期待感が高まりまくるルックスを。

注文した「人気No.1」の「肉ごぼう天うどん」。価格は同570円

 汁の色は資さんうどんよりも、やや濃い感じ。そこにうどんが入り、ごぼう天、そして甘辛く煮た肉、さらに少量のネギが乗っている。

 早速いただく。まず汁、次にうどんという順番で食した。資さんうどんと比べると、味はほんの少し濃いものの、京都人の私でも塩辛い感じはしない。うん、うまい。続けてうどんを食べたが、汁、さらに肉の香りがしてとても美味である。

 汁、麺、具と、うどんを構成する要素は全国共通だろう。だが、土地が変わればこうもアプローチが違うというのは、料理とは奥が深い。「英ちゃんうどん」の「ごぼう天うどん」は、これまで食べたものとは一味違う、荒削りながら、どんどんとこちらに入ってくる味。もし近所にこの店があったら、高頻度で利用するだろう。

荒削りながら、どんどんこちらに入ってくる味。強烈においしい!

 さて、この「英ちゃんうどん」だが、検索すると福岡県内にぽつりぽつりと店を確認できる。しかし、まとまった情報を載せるWebサイトが見当たらない。暖簾分けで店が増えたのか、フランチャイズチェーンなのか、また本部があって直営店があるのか。経営形態が不明で、ミステリアスな感じがまた気に入った。

 いずれにせよ、福岡県に行く機会があれば、ぜひ「ごぼう天うどん」を体験してほしい。

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