1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

地場スーパー積極買収で好調!クスリのアオキ、25年5月期中間決算は増収大幅増益

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2025年1月8日 20時57分

クスリのアオキ松山高岡店 ●所在地: 愛媛県松山市高岡町297 ●営業時間: 9:00~22:00 ●開業日: 2024年10月2日 ●アクセス: JR予讃線「松山」駅からバス約25分

クスリのアオキホールディングス(石川県/青木宏憲社長:以下、クスリのアオキ)が2025年5月期(24年度)の中間決算を発表した。フード&ドラッグへの転換を進め、全国各地の地場スーパーマーケット(SM)のM&A(合併・買収)で注目を集めている同社。26年度までの中期経営計画(中計)で数値目標に掲げる売上高5000億円を射程圏内に捉えている。

クスリのアオキホールディングスの青木宏憲社長=2025年1月8日、東京都内

既存店好調で増収増益

 クスリのアオキが241226日に発表した25年5月期(連結)の中間決算は、売上高が対前年同期比12.6%増の2,428億円、営業利益が85.5%増の126億円、経常利益が84.9%増の129億円、親会社株主に帰属する中間純利益が152.0%増の86億円の増収・増益だった。なお、中間純利益は株式報酬費用を除いた場合は同4.5%の減益となる。

 好業績の要因の一つが、既存店売上高の好調な推移だ。既存店売上高は対前年同期比7.0%増で、各月の売上高はすべての月で前年同月実績を上回った。25年18日に開かれた決算説明会で、取締役管理部門担当の八幡亮一氏は「既存店売上が想定を上回る伸びだった」と説明。既存店客数も対前年同期比4.4%増と好調だった。既存店での生鮮食品販売強化や改装、ハイ&ローからEDLP(エブリデーロー・プライス)へ移行した価格政策が寄与。商品部門別実績ではフードの売上高が同7.9%増の250億円と大きく伸び、売上高構成比は50.0%に達した。

 一方で、新規出店数は伸び悩んだ。同社では、225月期は新規出店数が102店舗まで伸びたが、245月期には45店舗まで落ち込むなどこの2年は新規出店で苦戦。その流れもあり、255月期は70店舗の出店を計画しているが、中間期末では15店舗に留まった。この点について青木社長は、建築費の高騰や好立地物件の減少が影響したと説明。24年から立地開発の基準を引き下げたほか、フード&ドラッグへの業態転換で徐々に収益性改善がすすんでいることから、25年5月期下期は新規出店を強化し、過去最高の55店舗を出店できる見通しを示した。青木社長は「出店戦略は直近で最大の課題だ」とし、「上期は低迷したが、下期はV字回復できる見込みだ」と語る。265月期は過去最高となる120店舗を出店する予定だ。255月期中間期末の時点の店舗数はドラッグストア、調剤専門薬局など計975店舗となっている。

М&Aで新規出店強化

クスリのアオキ松山高岡店
2024年10月にオープンした「クスリのアオキ松山高岡店」(愛媛県松山市)

 新規出店が伸び悩むなど課題はありつつも、業績が好調に推移しているクスリのアオキ。26年度までの中計で売上高5000億円、1000店舗出店という数値目標を掲げているが、青木社長は「5000億円の達成ははっきりと見えてきた」と自信をのぞかせる。

 その背景にあるのが、エリアごとの生鮮MD強化と好立地物件の確保を目的とし、215月期より強化している全国各地の地場スーパーのMAだ。今期も248月に木村屋(千葉県)、9月にママイ(愛媛県)を吸収合併し、同月にムーミー(香川県)から事業譲受した。12月にはハッピーテラダ(滋賀県)を子会社化し、252月にはヨシムラ・ハッスル(いずれも奈良県)を吸収合併する。

 関西エリアは立地開発が難しく、大型店舗を出店しにくい状況にあるというが、今回のМ&Aで関西エリアの売上高は500億円を超える見通しだ。また、直近では「これまでのМ&Aで最大の案件」(青木社長)という計画外のМ&Aも実施。252月に、株式会社伏見屋(秋田県)傘下の本間物産(山形県)、トップマート(千葉県)の事業譲受も決定した。このМ&Aにより秋田県進出を果たし、東北エリアの売上高は既存店を含めて500億円を超えるという。

 こうしたМ&Aは24年12月時点で18社まで増え、店舗数は18社合計で129店舗となった。青木社長は「当社の成長戦略の柱になりつつある」と強調。毎年地場スーパーから売却を要望する話が届いているという。青木社長は「買収した各社の強みを理解しながらアオキと融合させるのが一番大変な部分だが、他社にはできないと思う。これができれば、出店開発が滞っているなかで大きな強みとなる」と語った。

 そのほか、既存店の改装等の施策もすすめている。クスリのアオキは店舗フォーマットとして、300坪の小型店、400坪の中型店、450坪の大型店を揃えているが、直近2年間で300坪の500店舗を改装。255月期は、300坪、400坪の計200店舗を改装する。フード&ドラッグの実現へ、255月期末には一部店舗を除き青果や精肉、総菜を全店で導入する予定だ。

 生鮮食品のさらなる強化に向け、同社初の総菜プロセスセンターの開設などにも取り組んでいる。そうした生鮮食品などのフードの取り扱いを拡大させて集客率を高めつつ、ドラッグストアの本分も重視。「お客の信頼を得て、利益に結び付けるために必要」(青木社長)として、26年5月期末までに調剤薬局の併設率70%をめざしている。255月期上期末で併設率は66.7%となっており、下期にさらに開局する予定だ。

 通期の業績予想(連結)は期初から据え置き、売上高が対前期比11.0%増の4850億円、営業利益が同35.2%増の251億円、経常利益が同27.4%増の256億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同47.1%増の181億円を見込んでいる。

 

 

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください