第2四半期は減収減益のココカラファイン、マツキヨHDとのMD統一実施、そのシナジー
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2020年12月23日 20時55分
ココカラファイン(神奈川県/塚本厚志社長)の2021年3月期第2四半期業績は減収減益だった。資本業務提携を結ぶマツモトキヨシホールディングス(千葉県/松本清雄:以下、マツモトキヨシHD)とのMD(マーチャンダイジング)統一に向けて、20年10~11月にかけて店舗における棚替えを実施。プライベートブランド(PB)商品の相互供給・共同開発もスタートした。21年3月期第2四半期決算説目会における塚本厚志社長の発言を抄録する。
DgS事業の既存店売上高は同8.7%減
ココカラファインの21年3月期第2四半期業績は、売上高は対前期比7.8%減の1918億円、営業利益は同19.9%減の54億円、経常利益は同18.2%減の65億円、四半期純利益は同77.6%減の11億円だった。ドラッグストア(DgS)事業の既存店売上高は同8.7%減と苦戦。マツモトキヨシHDとのMD統一に伴い約43億円の特別損失(商品評価損)を計上した。
DgS事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響により訪日外国人が減少、インバウンド関連商品の需要が急減した。新しい生活様式により、家庭内で消費する日用品や衛生用品は好調だったものの、化粧品カテゴリーは苦戦した。また、19年10月の消費税増税前特需の反動減があった。期中に子会社のCFIZ(大阪府)の14店舗を含む21店舗を新規出店し、一方で21店舗を閉店した。そのほかトピックスとして、EC(ネット通販)サイトで購入した商品の店舗受取サービスの対象を全店舗に拡大した。これにより利便性がより強化された。結果、21年3月期第2四半期までのDgS事業の売上高は対前期比8.6%減となった。
調剤事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響で受診抑制が顕著になり、それによって処方箋枚数が減少。処方箋1枚当たりの処方期間は長期化した。期中の店舗数についてはM&A(合併・買収)や調剤併設推進により13店舗純増した。結果、21年3月期第2四半期までの調剤事業の売上高は対前期比3.2%増となった。
マツキヨHDとのシナジーは下期に約40億円出現
ココカラファインは20年1月にマツモトキヨシHDと資本業務提携を締結した。経営統合に向けてMD統一やPBの相互供給・共同開発が進んでいる。
マツモトキヨシHDとの資本業務提携によるシナジーの早期実現のために、医薬品を含むナショナルブランド商品のMD統一、そしてPB商品の相互供給、共同開発について現在進めている。これからさらに顧客販促や1店舗当たりの物流コストの削減、そして決済手法の統一などを今後進めていく予定だ。収益改善のイメージとして、21年3月期下期に約40億円、21年10月の経営統合後3年をめどに両社合算で数百億円のシナジーが出現する計画を立てている。
調剤事業は、マツモトキヨシHDとの医薬品、調剤機器の共同調達などにより、シナジーを早期に実現する。調剤事業の出店形態として、医療機関との連携がさらに必要とされる『敷地内薬局』を代表とする、より専門性の高い薬局づくりを進めていく。敷地内薬局については、すでに開局している薬局が2拠点ある。今後は4つの敷地内薬局の開局を予定している。一方で、地域密着型のかかりつけ薬局づくりを強化していく。地域密着型のかかりつけ薬局の象徴としての『健康サポート薬局』を、22年までに100拠点まで増やす計画だ。
調剤事業は新規出店やM&Aを活用してドミナントを深耕し、ヘルスケアネットワークの構築を進めていく。20年11月には兵庫県を中心に薬局を展開するフタツカホールディングスの全株式を取得した。調剤事業の21年3月期の拠点数は415拠点、売上高は700億円超になる。調剤事業の売上高は22年3月期におおよそ800億円になる予定だ。
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