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最新!アメリカ小売業トップ10社ランキング2021!10社すべて増収の衝撃!

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2021年5月9日 20時50分

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昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大は、米国の小売市場にも大きな影響を及ぼした。食品小売業を中心に、消費者の生活様式やニーズの変化を的確にとらえ、ECのインフラ整備・強化を始め、素早く柔軟に対応した企業が総じて業績を伸ばしている。2020年の小売各社の販売額ランキングトップ10から、市場を俯瞰してみたい。調査協力=三井物産戦略研究所 文中の日本円表記はすべて1ドル=110円換算

20年の小売販売総額は約380兆円 食品小売&ホームセンターが絶好調

 米商務省が発表した2020年の米国小売業の販売総額は、対前年比3.1%増の3兆4562億ドル(約380兆1820億円)だった。販売額上位10社の顔触れには前年から変化はなく、トップのウォルマート(Walmart)にEC専業のアマゾン・ドット・コム(Amazon.com、以下アマゾン)が続き、3位にドラッグストア(DgS)最大手のCVSヘルス(CVS Health)、4位に食品スーパー(SM)最大手のクローガー(Kroger)がランクインした。

 内食需要の高まりにより、ウォルマート、クローガー、9位のアルバートソンズ(Albertsons)など、食品を扱う小売企業はとくに好調で、販売額が前年から2ケタ増となった。また、幅広い世代にわたり消費行動がデジタルへとシフトしていることを背景に、アマゾンは業績を大きく伸ばしている。巣ごもり消費の拡大により、DIY商材を中心に需要が増え、ホームセンター(HC)の二大チェーンである8位のホーム・デポ(Home Depot)や10位のロウズ(Lowe’s)の販売額も前年から2ケタ増となった。

ウォルマート&アマゾン リアルとネットの2大巨頭はオムニチャネル化加速!

 このうちウォルマートは、20年度のEC売上高が対前年度比79%増と大幅に伸び、業績を牽引した。コロナ禍でEC需要が急増するなか、全米に広がる店舗網を生かしたオムニチャネル化を加速。オンラインで注文した商品を店舗で受け取る「グロサリー・ピックアップ(Grocery Pickup)」を約3750店舗に拡大するほか、約3000店舗で当日配送サービスを実施している。

アマゾンゴー
アマゾンのレジレス店舗「アマゾンゴー」

 アマゾンは、主力のEC事業に加え、米国で26店舗を運営するレジレス店舗「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」など、デジタルテクノロジーを活用した新たなリアル店舗の業態を次々と展開している。また、20年11月には、有料会員制プログラム「アマゾンプライム」の米国会員を対象に処方せん薬をオンラインで購入できる「アマゾン・ファーマシー(Amazon Pharmacy)」を開始し、医薬品市場にも本格的に参入した。

ECとPB強化が奏功したクローガーとターゲット コストコも堅調

クローガー
クローガーは食品ECとPB開発の強化が奏功している

 クローガーはウォルマートと同様に、20年度のEC売上高が対前年度比116%増と大幅に伸びた。ネットスーパーの宅配サービス「デリバリー」を2472店舗で展開し、店舗受取サービス「ピックアップ」を2223店舗にまで拡大させている。英ネットスーパー専業のオカド(Ocado)の技術を取り入れた大型のフルフィルメントセンターも今春から稼働し始めており、インフラの整備が急ピッチで進んでいる。

 また、内食需要の高まりにより、生鮮食品、簡便・即食商材を中心に売上が伸長。プライベートブランド(PB)「アワ・ブランズ(Our Brands)」の20年度の売上高は過去最高の262億ドル(2兆8820億円)超に達した。

 6位の会員制ホールセールクラブ大手のコストコ(Costco)は、21年3月に発表された米国顧客満足度指数(ACSI)の「百貨店およびディスカウントストア部門」で最も高い顧客満足度を獲得するなど、コロナ禍でも米国の消費者から高い支持を得ている。有料会員の更新率が91%と高いことからも、既存顧客に根強く支持されていることがうかがえる。

 7位のターゲットは近年、ECとPB開発を積極的に強化してきたことが奏功し好調に推移している。20年度のEC売上高は対前期比145%増の約100億ドル(1兆1000億円)に拡大した。また、食品、日用品、衣料品、家具などの幅広いカテゴリーで48のPBを展開。そのうち10ブランドで年間売上高が10億ドル(1100億円)を超えている。

 アルバートソンズも、オーガニック専門PB「オー・オーガニック(O Organic)」、簡便商材を展開する「オープン・ネイチャー(Open Nature)」など、食品を中心にPBを強化している。取扱品目数は1万2000品目を超え、その売上構成比は19年度時点で25%超となっている。

ドラッグストア大手の伸びは小幅も、コロナ禍で社会的役割は増大

 一方、DgS企業はほかの業態に比べると伸び率は小幅だった。CVSヘルスの20年の販売額は対前年比8.8%増、5位のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(Walgreens Boots Alliance)では同3.3%増となっている。

 コロナ禍では両社とも、新型コロナウイルスの検査や新型コロナウイルスワクチンの接種などにも対応。CVSヘルスはドライブスルー方式の検査場を4000カ所以上展開し、ウォルグリーンも月50万回規模の検査能力を備える440カ所以上の検査施設を設置するなど、社会的役割を大きく担っている。

 

詳しい解説は、「アメリカ小売業トップ150社ランキング」を完全収録した「米国小売売上トップ150社ランキング ウォルマートもアマゾンも…上位20社中6割が2ケタ成長の真実」をご覧ください。

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