減収減益のココカラファイン マツキヨHDとの統合作業着々と進行中
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2021年5月30日 20時55分
ココカラファイン(神奈川県)の2021年3月期連結業績は、売上高は対前期比9.3%減の3664億円、営業利益は同22.4%減の103億円、経常利益は同18.0%減の128億円、当期純利益は同47.8%減の43億円だった。2021年10月にはマツモトキヨシホールディングス(千葉県:以下、マツモトキヨシHD)と経営統合する、ココカラファインの決算説明会における塚本厚志社長の発言を抄録する。
販売管理費は対前期比0.2%減に
――2021年3月期連結業績は減収減益だった。
塚本 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響、訪日外国人減少によるインバウンド関連需要の急減、新しい生活様式により、家庭内で消費する日用品や衛生品は好調だったものの、化粧品カテゴリーは苦戦した。調剤分野においては、受診抑制による処方せん枚数の減少、処方期間の長期化に加えて、薬価・診療報酬改定の影響を受けた。全社的に対応した事柄として、PCR検査キットや、抗原検査キット等の新しい需要への対応を行なった。また、eコマースで購入した商品の店舗受取りサービスの対象店舗を拡大した。
ドラッグストア事業については、マツモトキヨシHDとのMD統一によるシナジーを早期実現することができた。子会社CFIZ(大阪府)による23店舗の出店を含む、52店舗の出店、28店舗を退店した。結果、売上高では対前期比8.2%減となった。
調剤事業については、M&Aや調剤併設化による規模拡大で105店舗の増加があった。オンライン服薬指導への対応なども行なった。結果、売上高は同9.2%増となった。
全社的に、販売管理費においては人件費コントロール、営業費の圧縮などを行い、結果として販売管理費は同0.2%減となった。
ヘルス&ビューティケアが強いマツキヨココカラ&カンパニー
――ココカラファインは2021年10月にマツモトキヨシHDと経営統合する。
塚本 統合会社の新社名は株式会社マツキヨココカラ&カンパニー。グループ理念は「未来の常識を創り出し、人々の生活を変えていく」、グループのビジョンは「美しさと健やかさを、もっと楽しく、身近に。」だ。3000店舗を超える拠点とデジタルを活用し、お客さま、患者さまのもっと身近な存在になりたいと考えている。2026年3月期にグループ売上高1.5 兆円、営業利益率7%をめざす。
統合後のグループの体制は、マツキヨココカラ&カンパニー新会社の下に、シナジー創出会社のMCC マネジメント、そして2つの事業会社により事業を運営し、ブランドは維持していく方針だ。
ドラッグストア業界全体の売上が概ね8兆円ある。その中で、新会社の位置付けは売上高において概ね1兆円、店舗数においては3200を超える店舗数となる。業界においての上位10社での売上高シェアは75%ある。新会社の特徴としては、特にヘルスケア、そしてビューティケア商品の売上高が、総売上高の65%を占める。ヘルスとビューティーのカテゴリーが大変強い会社が出来上がることになる。
調剤業界の売上高は全体で7.7兆円ある。店舗数としては、業界全体で概ね6万店舗ある。上位10社での売上高シェアは20%になる。ココカラファインとマツモトキヨシHDの調剤売上高を合算すると1142億円。1000億を超える規模となり、上位7番目という位置付けとなる。将来において業界の再編を考えると、まだまだ上位集中型になってない調剤業界において、今後調剤シェアを高めると同時に、成長のドライバーとして調剤分野に、より注力をしていくところだ。
経営統合に向けた取り組みについて、今後は運営の効率化、購買や物流・コストの削減・効率化を進めていく。このような取り組みを経て、シナジー効果として、ココカラファインとして年換算で80億円の利益改善を見込んでいる。2021年10月の経営統合後、初年度で営業利益200億円、経営統合後3年目をめどに300億円のシナジーの発現を見込んでいる。
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