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驚異の集客力!ロピア奈良1号店「ミ・ナーラ店」の売場を解説 今夏には2号店の出店も

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2021年8月3日 20時56分

ロピアは入るショッピングモールの「ミ・ナーラ」

2021年4月末に関西5号店「ロピア ミ・ナーラ店」(奈良県奈良市:以下、ミ・ナーラ店)を出店し、奈良県初進出を果たしたロピア(神奈川県/高木勇輔代表)。前編では青果・鮮魚・総菜売場をレポートした。後編では精肉、日配、加工食品、冷凍食品などの売場を見ていこう。
調査期間:5月29~30日 ※本文中の価格はすべて本体価格

ロピアは入るショッピングモールの「ミ・ナーラ」

●精肉
驚異の商品開店!売場は常時品薄状態

 精肉は、生鮮ゾーンの突き当りのコーナーで展開。店舗正面から見て左側の壁面36尺が牛肉、奥側壁面8尺で同じく牛肉、24尺で豚肉、6尺でひき肉をそれぞれコーナー展開しており、平場では鶏肉、冷凍肉、羊肉などを配置する。

ロピアミ・ナーラ店の売場フロア図

 牛肉は黒毛和牛やロピアオリジナルの「みなもと牛」に、豪州産と米国産の輸入牛を絡めた商品構成で、売場は品薄状態で、従業員は補充に追われている様子だった。豚肉はロピアオリジナルの「三元豚」をメーンに、兵庫県の業者「MMミート」が供給する「兵庫県産えびす餅豚」も扱う。鶏肉は店内加工で提供しており、岡山県産「森のなごみ鶏」などを日替わりで訴求する。加工肉コーナーでは、自社製ウインナーの試食販売を行っており、多くの人が購入していた。

 開店時、牛肉や鶏肉は全体の7割程度商品が陳列されていたが、1時間後には5割程度に減り、補充が間に合っていない状態だった。16時頃に店舗を訪れると全体の7~8割は売れてしまっている状態だった。それゆえ、精肉では値引きをほとんど見かけない。「肉のロピア」を掲げていることもあって、お客の肉への関心は高いようだ。ロピアの最大の魅力は「肉」であるということを再認識させられた。

●日配・冷凍食品 
品揃えはほぼ固定化か、メーン商品を一部変更

 入口から見て店舗奥側から右側壁面で展開する日配売場は、乳製品が28尺、和日配が71尺、洋日配が73尺で、平場では、冷凍食品やアイスクリーム、チルド飲料のコーナーとなっている。

 和日配の豆腐コーナーは8尺5段で53品目を扱っており、最下段に「三木食品・明日香豆腐350g」(50円)、下から2段目に「山食・豆腐300g」(29円)と、ほかの店舗とは商品配置を変えているようだった。麺コーナーも、大阪ベイタワー店では、奈良県の製麺メーカー「イシメン」の商品をメーンに扱っていたが、ミ・ナーラ店では、同じく奈良県の製麺メーカーである「岡井食産」の各種麺類を販売していた。ロピアは1店舗当たりの販売数量が多いため、取引先メーカーは商品の扱いの有無で大きな影響を受ける。そのあたりの調整は難しいところも多いが、ロピアは巧みにこなしているようだ。

 冷凍食品は店舗前方24尺で冷凍野菜、弁当食材など、後方40尺で麺・米飯のほか、おかず食材、唐揚げ、中華などを配置。価格訴求は一律ではなく、カテゴリー別や単品の6割引などを実施しており、売れ筋の「味の素冷凍食品・ギョーザ12個入り」は128円で販売する。アイスクリームは店舗前方に個食タイプ、リーチインと平台什器で、プレミアムアイスとマルチタイプを販売しており、「ハーゲンダッツジャパン・ミニカップ」は199円で販売していた。

●加工食品・菓子・酒類
随所に差し込んだローカル商品、韓国食材も充実

 続いて店舗中央のゴンドラゾーンで展開する加工食品売場を見ていこう。目を引いたのが、「ローカル商品」の扱いだ。

 加工食品売場では、一部棚のゴールデンライン付近に張り出し陳列でローカル商品を並べており、たとえばスパイスコーナーでは、宮崎県の食肉メーカー「中村食肉」のオリジナルスパイス「マキシマム140g」(399円)を販売。酢コーナーでは、京都の老舗メーカー「孝太郎の酢」の「京風すし酢360ml」(399円)、はちみつコーナーでは、奈良の「やまと蜂蜜」の「てんてきの糖120g」(599円)などを扱う。

写真右は、大阪府の老舗酒造メーカー「能勢酒造」が製造する「能勢ジンジャーエール250ml」( 109円)。こうしたローカル商品を積極販売するのもロピアの特徴の1つ。写真左は、日本食研製造のロピアオリジナル商品「肉たらし500g」(299円)。

 そのほかにも、東京都の「ろく助・塩白150g」(999円)、大分県の「ヘルカンパニー・地獄の一撃150ml」(599円)、山形県「三吉麹屋・手仕込み麹味噌500g」(379円)など、大手チェーンではあまり見られない個性的なローカル商品を売場内の目立つ場所で推奨販売している。

 ロピアでは、企業メッセージを記した「ロピア語録」を店内随所に掲げている。このロピア語録の1つに、「ロピアでしか買えない価値がある」というフレーズがある。ローカル商品はこれを体現した商品と言える。単に安さを追求するだけでなく、こうした価値ある商品を発掘し、売場でしっかりと売り込む姿勢もロピアの強さの1つであろう。

「韓国食材」を充実させている点にも注目だ。菓子では18品目、麺では9品目、調味料では38品目のほか、定番の「韓国海苔」7品目を扱う。今回の調査では3日間店舗を拝見したが、これら韓国食材はよく売れており、お客に受け入れられているようだった。

●菓子・酒類
酒類はスピリッツ・ジンが充実!

 菓子売場では、チョコレートに力を入れているようで、24尺のスペースを割いている。大袋菓子の扱いも目立ち、「明治・チョコレート効果カカオ72%26枚」(299円)、「ネスレ日本・キットカットミニ12枚」(159円)など、33尺で53品目を扱う。どの商品も安く、多くのお客が手にとっていた。

 酒類は商品を絞り込んでいるが、スピリッツとリキュールに力を入れており、3尺4本のスペースを割いて、「サントリー・レモンサワーの素」、「キリンビール・ピーチツリー」、「合同酒精・電気ブラン」、「サントリー・翠」などを揃える。

●まとめ
店内は売り切れ御免の様相!早くも奈良2号店を出店へ

 一般的な食品スーパーの売場にいると、店内を巡回して従業員に指示を出している人物を見かけることが多い。しかしロピアではそうした人物を見かけることはまったくと言っていいほどなく、売場にいるスタッフはひたすら商品を補充している。おそらく、商品が売れすぎていて、指示を出す必要がなく、補充および発注が各スタッフの最大の仕事となっている様子だ。これほどの来客数があっては仕方がないのかもしれない。

 この好調ぶりは想定どおりなのか、ロピアは今夏~今秋に奈良県2号店「ロピア大和郡山店」(奈良県郡山市)の出店を予定している。同店は、ホームセンターの「コーナン大和郡山筒井店」への出店であり、関西1~3号店と同じくホームセンター内店舗となる。すでに“勝ちパターン”の1つとなりつつあるホームセンター内の出店により、奈良県の食品シェア奪取にはずみをつけることになりそうだ。 

(店舗概要)
店名 ロピア ミ・ナーラ店
住所 奈良県奈良市二条大路南1-3-1
開店日 2021年4月29日
売場面積 約570坪(歩測)
営業時間 9:00~19:00
駐車台数 約1200台(モール全体)
アクセス 近鉄奈良駅からバス約15分

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