マイクロソフト、ニュースを刷新:媒体社との関係を強化

DIGIDAY[日本版] / 2018年6月29日 16時50分

GoogleやApple、 Facebook がニュースにかつてないほど大きな関心を寄せるなか、マイクロソフトは6月20日、ニュースエンジンMSN NewsをMicrosoft Newsへとリブランドし、ニュースの配布対象を拡大すると発表した。刷新版ニュースエンジンMicrosoft NewsはSkypeやXboxビデオゲームシステムなど、より多くのマイクロソフト製品にも組み込まれる。また、MSN.com の名称はMSNのままだが、「powered by Microsoft News」と表記される。

23年目を迎えたMSNは、1年程前から、ニュースの配布を自社プラットフォーム以外に拡げる動きをはじめていた。最近のAmazon Silkブラウザや、世界有数のテレコミュニケーション事業者であるオレンジ(Orange)、APUS、アメリカ・モバイル(America Mobile)が販売する機器もその例だ。

「オーディエンスとの日々のつながりを確立するのはもちろん大切だが、そのつながりをパートナーのために活用することも、我々にとっては同じく重要だ」と、Microsoft Newsの編集長で、同社グローバルコンテンツ事業部ゼネラルマネージャーのロブ・ベネット氏は語る。

かなり特殊なオーディエンス

リファラルトラフィックに関して言えば、MSNはあくまで脇役であり、ソーシャル分析プラットフォーム、パースリー(Parse.ly)のランクでも16位と低い。実際、ホームページ上では確かに、政治経済などの堅い、いわゆるハードニュースを前面に押し出しているが、その一方、パースリーによると、ヘルスケアおよびフードコンテンツ分野へのトラフィックの駆動には長けている。

マイクロソフトのオーディエンスはかなり特殊であるため、今回の刷新は、主に動画の話ではあるが、オーディエンスの多様化に役立つだろうと、パブリッシャーらは口を揃えて語る。CBSニュース・デジタル(News Digital)のエグゼクティブバイスプレジデントおよびゼネラルマネージャー、クリスティ・タナー氏も、マイクロソフトのオーディエンスは、ライブストリーミング動画のエンゲージがとくに高いと言う。

「ライブストリーミング動画の視聴者獲得に関して、MSNは非常に価値が高い」。

パートナーとの付き合い方

マイクロソフトは長らく、パブリッシャーにとっての純粋なリファラルチャンネルとして機能してきた。最近では、オリジナルコンテンツにおいて、ニュージー(Newsy)といったパブリッシャーとコラボしている。この4年間で、同社は1000を越えるパブリッシャーのコンテンツをホストするとともに、収益化に関するすべてを担い、相当分をパブリッシャーに供してきた。同社によれば、これまでに世界各国のパブリッシャーに支払った金額は6億ドル(約660億円)。もっとも、パブリッシャーの収益に占める割合は各社まちまちで、ごく一部の場合もあれば、全体の3/4に上る場合もあると、ベネット氏は言う。

パブリッシャーの運営上の負担はごく小さい。パブリッシャーはコンテンツをMicrosoft Newsに自動で送るだけでよく、それをソフトが適切なカテゴリーに振り分け、それぞれにふさわしい写真/イラストやその他メディアを付ける。続いて、スタッフがこれに目を通し、注目すべきコンテンツを選別する。どんなコンテンツに関心があるのか、自身の好みをすでに表明している訪問者は、パーソナライズされたニュースフィードを受け取ることになる。

MSNには世界中に毎月5億人のオーディエンスがいると、マイクロソフトは断言する。アレクサ(Alexa)のデータでは、米国居住者はそのわずか16%だが、ベネット氏によると、MSNの月間トラフィックの約半数は米ユーザーによるものだという。

より寛容になった関係性

Microsoft News内のコンテンツはすべてオーディエンスが無料で閲覧できるが、収入の多様化を求める パブリッシャーの要望に応え、マイクロソフトはこの1年、MSNがホストするコンテンツ内において、パブリッシャーがサブスクリプションやニュースレターのサインアップの案内をオーディエンスに送ることを認めるサービスを試験的に導入している。サブスクリプションやサインアップによる収入はすべて、パブリッシャーが手にできる。

ベネット氏いわく、「多くのパートナーにとって、それがまさにトップオブマインドであることはよくわかっている」。

Max Willens(原文 / 訳:SI Japan)

 

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