アプリ 通知 で「早いもの勝ち」、タコスチェーンの遊び心:「ブリトー・タイム」ができるまで

DIGIDAY[日本版] / 2018年9月1日 12時0分

タコス専門のレストランチェーン、ドストロス(Dos Toros)は8月14日、アプリを使ってブリトーを無料で獲得できるキャンペーンを開始した。新しく開発された「ブリトー・タイム」というアプリを使って、毎日ランダムな時間にプッシュ通知が送られる。最初にアプリを開いた10人が当選となり、ドストロス店舗でブリトーと引き換えられるバーチャルカードをもらえる仕組みだ。

ドストロスは、ニューヨークのタコスレストランのクオリティにがっかりした、カリフォルニア州バークリー出身の兄弟、レオ・クレーマーとオリバー・クレーマーによって2009年にオープンされた。ドストロスは「ミッション・スタイル」と呼ばれる、チーズが生地のうえで溶けているスタイルのブリトーも提供している。最初はマンハッタンのユニオン・スクエアに1店舗だけのオープンだったが、いまではニューヨークに15店舗、シカゴには3店舗展開中だ。

今回の新しいアプリでは、彼らの「シンプルかつ楽しい」というニッチをさらに推し進めようとしている。彼らの競合他社にはチポートレ(Chipotle)、Qドーバ(Qdoba)、そしてタコベル(Taco Bell)といった大手が存在。アプリを使って即座に賞品を獲得できるというアイデアは、クイズに答えて現金を獲得する人気アプリのHQトリビアからインスピレーションを得たとのことだ。

「(アプリのアイデアは)HQトリビアのおかげだ。いま行っていることを止めて、アプリを開いて時間を費やしてもらう、そうやって人々の時間をこっちの物にしてしまうというアイデアになっている。何をやってても、とりあえずHQトリビアを開く、という具合だ。毎日ユーザーたちの頭に浮かぶ方法となっている」と、ドストロスのマーケティングマネージャーであるマーカス・バード氏は言う。

「若くて、変わったことを」

競合他社のアプリを真似したかのようなアプリは作りたくない。ブリトー・タイムはそんなエグゼクティブチームたちの想いから生まれた。ドストロスの共同CEOであるレオ・クレーマー氏によると、広告エージェンシーとも数社ミーティングを行ったがブルックリンのエージェンシーMSCHFとミーティングをするまでは、どこも良いと思うアイデアは出てこなかったという。MSCHFは「変わった」取り組みで知られている。インスタカート(Instacart)の広告に彼らが作ったChromeブラウザ用の拡張機能、インスタキャット(Instacat)がその好例だ。

クレーマー氏とMSCHFの相性は良かった。「若くて、変わったこと、ほとんど馬鹿げていると思われそうなインターネットコンテンツを作って楽しみ、話題を作ろうとしているチーム」と描写する。

「ブリトー・タイムはシンプルでありながらワクワクできる楽しい方法だと感じられた」と、彼は言う。

ドストロスの店舗の前に出されたアプリを宣伝するボード

ドストロスの店舗の前に出されたアプリを宣伝するボード

ドストロスの考え方

ファストレストランがよく開発するようなアプリとは違い、ブリトー・タイムにはメニューやオンライン注文といった機能はない。すぐにドストロスのウェブサイトに飛ばされ、そこでは店舗のロケーション、公式インスタグラムアカウント、そしてマスコットであるピント・ザ・ブリトーのインスタグラムアカウントのリンクがある。もちろんアプリのメインの機能はブリトー・タイムだ。アプリ内にバーチャルウォレット、そしてロケーションのリスト、さらにFAQが存在する。

ドストロスは、公式にはリワードプログラムというものを行っていない。以前、特別サービスを提供したことはあった。4月20日には無料でワカモレ(メキシコ料理のサルサの一種)を提供している。新店舗オープンのたびに、1ドルブリトーを販売。またニューヨークの地下鉄カードに似せたブリトーカードなるものも作成。店舗でブリトーと交換できる仕組みだ。

彼らのマーケティングの大部分は店舗内、そしてソーシャル上で行われている。過去1年のあいだ、ドストロスは公式インスタグラムアカウントのフォロワー数を1万2000人から4万600人まで拡大させた。アルミホイルに包まれたブリトーにサインペンで目と口が描かれたマスコット、ピント・ザ・ブリトーのインスタグラムアカウントにはなんと12万3000人のフォロワーがついている。これは一部はジェリー・メディア(Jerry Media)のおかげだ。


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Pintoさん(@pintotheburrito)がシェアした投稿 – 2018年 8月月11日午後2時05分PDT

eコマースも検討中

ドストロスはeメールでのニュースレターも行っている。そこで新しいアプリについても宣伝される予定だ。アプリをダウンロードするためのスナップコードやQRコードが印刷されたステッカーも数千枚、配布する予定だという。

「ブリトーを極めること、提供する料理が美味しいことについては非常に真剣だと理解してもらいたい。しかし、同時にちゃんと考えられたうえで笑えるような遊び心がある性格もブランドに持っていて欲しい。このキャンペーン自体はちょっと笑えるものだけど、楽しいということは良いことだ」と、クレーマー氏は説明する。

ドストロスが新しいアプリを使って無料で提供するブリトーの数は1日に10個だ。しかし、将来的にはワカモレを賞品にしたり、シンコ・デ・マヨの祝日(5月5日:メキシコのおもにプエブラ州の祝日)にはブリトーを100個に増やしたりと、アイデアはほかにも考えているようだ。また彼らが製造する3種類のホットソースを売ることにもフォーカスを置いている。eコマースサイトやアプリ上で販売することも可能だろう。

「常に客の視点から」

来年は第3の、そして第4のマーケットとしてニューヨークとシカゴ以外にも店舗をローンチする計画があるようだ。

「拡大したいのはもちろん。だけどクオリティを犠牲にして拡大したいとは思っていない。我々兄弟は、常に客の視点から物事にアプローチしている。マーケットの数をあえて少なくすることでよりフォーカスでき、自分たちでちゃんとプロモーションができることが目的だ。ほかの場所でほんの少しだけ、拡大をすることを計画している」と、クレーマー氏は言う。

Kerry Flynn(原文 / 訳:塚本 紺)

 

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