プラットフォーム収益を伸ばす、 動画 パブリッシャーたち : だが、重要なのは依然「スケール」

DIGIDAY[日本版] / 2019年6月14日 16時50分

Facebookにおけるプレロール、ミッドロール広告から十分な収益を得るためには、パブリッシャーたちは依然としてかなり大規模なスケールを持たなければいけない。YouTubeとSnapchat(スナップチャット)においては、一貫とした広告収入が得られるようになっており、パブリッシャーたちはそこからソーシャル動画コンテンツをいかに配信、または再配信するかについて学びつつある。

以下、重要なポイントを並べた。

Facebook上で意義のある規模の動画広告収益を得るためには、動画パブリッシャーは依然としてスケールが必要だ。 SnapchatとTwitterは、一貫した広告収益をパブリッシャーに届けつつある。しかし、再生回数を基準にすると、YouTubeがもっとも良い広告収益源となっている。 この結果、パブリッシャーたちは配信に関して、より賢いアプローチを取るチャンスが生まれている。たとえば、BuzzFeedの場合、料理番組「ワース・イット(Worth It)」をYouTube、Facebook、Snapchatで配信して、広告収益を得ている。配信される内容はどのプラットフォームでも同じだ。 グループ・ナイン・メディア(Group Nine Media)やインサイダー社(Insider Inc.)といった、ほかのパブリッシャーたちも徐々にソーシャル動画をマネタイズするためにプラットフォームを横断するアプローチをとりつつある。

Facebook上で動画を配信し、プレロール広告とミッドロール広告から収益を得るためには、どれだけスケールを大きくできるかが中心課題となる。本稿のために取材に応じてくれたパブリッシャーの1社は、毎月Facebook上で20億から30億ほどの再生回数(3秒カウント方式)を定期的に得ているという。彼らによると、Facebookでは動画が60秒間、3000回再生されるごとに8万から14万ドル(約860万円から約1520万円)の収益が生まれるという(動画の最中に広告が表示される最短の長さは60秒だ。つまりこのパブリッシャーの場合、広告が流れる長さまで再生されたケースのみを再生回数としてカウントしていることが分かる)。また、別のパブリッシャーも、Facebookで3秒間の月間動画視聴数が10億を超えているが、Facebookの広告収入が6桁に達するために必要なビュー数について同様の比率を示している。

3秒カウントの再生回数と60秒の再生回数と、使い分けて両方について議題にしなければいけないのは、フラストレーションとなるのは確かだ。上記の金額は動画広告プロダクトから生まれる広告収益からFacebookが通常取得する、45%の手数料は考慮されていない。しかし大きな課題は明確だ。動画制作者がFacebookから毎月意義のある金額の収益を得たいのであれば、スケールが最重要項目だ。

スケール狙うパブリッシャー

この状況は、持続可能なビジネスを構築したいと考えている動画制作者たちにとっては悩ましいものだが、状況は以前の方が悪かった。Facebookは、いまでは彼らの動画戦略の中心的な役割を担っていないからだ。YouTube、Snapchat、そしてTwitter、どのプラットフォームもプレロールとミッドロール広告(もしくはどちらか一方)を提供しており、Facebookは動画配信社にとって、幅広いソーシャル配信プランの一部にしか過ぎなくなったからだ。

BuzzFeedを例にとって考えてみると、彼らは今年20の動画シリーズをソーシャル・プラットフォーム向けに制作する計画を持っている。これらは複数のプラットフォームを横断する形で配信される。フード関連のコンテンツである「ワース・イット」は現在、YouTubeとFacebook上で全エピソードが配信されている。このコンテンツはSnapchat用に編集されたバージョンも作られた。BuzzFeedの広報担当者によると、先日初の配信が行われ、最初の24時間で600万回の再生回数を達成したとのことだ。この3つのプラットフォームでは、同じコンテンツを使って広告収益を得ることができる。

同様の例は、ほかにもある。今年前半、米DIGIDAYでもインサイダーがFacebookニュースフィード用の短い動画アーカイブを再利用し、Snapchat用に再編集することで収益をあげていると書いた。

プラットフォームを横断するこのモデルによって、プラットフォームを中心に据えた動画展開に関してより持続可能なコスト・収益モデルを構築する助けとなっていると、テイスティ(Tasty)のゼネラルマネージャーである、アシュリー・マカラム氏は言う。

「プラットフォーム収益という観点からは、YouTubeとFacebookで我々が作り上げることに成功した収益は、大きな金額となっている。YouTubeとFacebookがこれらのコンテンツのマネタイズ方法の中核となるほどのレベルに達している。これはダイレクトにスケールと結びついている。スケールがなければ、十分なプラットフォーム収益を生み出す事はできない」と、マカラム氏は言う。

YouTube以外にも可能性

再生回数ベースで見れば、Facebookやほかのプラットフォームと比べて、YouTubeからの収益のほうが良いことは変わっていない。前述したパブリッシャーのふたつ目の取材相手は、パブリックな再生回数ではFacebookの方がはるかに高いにもかかわらず、現在FacebookよりもYouTubeで多くの収益を得ているとのことだ。昨年、とあるパブリッシャーの情報源が米DIGIDAYに語ったところによると、100万回の再生回数ごとにFacebookでは264ドル(約2万8000円)、YouTubeでは2200ドル(約28万8000円)が受け取れると予測していた。具体的な金額のアップデートはもらえなかったが、同じ情報源は「(収益の)割合が変わっていなくても驚かない」と語っている。

しかし、それよりもさらに重要かもしれないのは、(少なくても短期的には、だが)YouTube以外のプラットフォームにおける広告プロダクトがより信頼できる品質になっており、パブリッシャーたちは提供されるプロダクトを活用する手法を学習してきている、という事実だ。

Sahil Patel(原文 / 訳:塚本 紺)

 

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