Amazon 、第2四半期の売上増は「翌日配送」のおかげ:要点まとめ

DIGIDAY[日本版] / 2019年7月31日 11時50分

Amazonの2019年第2四半期の売上が発表された。純売上は前年比20%増の634億ドル(約6.8兆円)。前年同時期は529億ドル(約5.7兆円)だった。ジェフ・ベゾス氏は投資家向けの発言で、売上増加の要因として、プライム会員向けの翌日配達サービスが好意的に受け止められたと述べた。

今年4月、Amazonは第1四半期決算にあわせ、8億ドル(約868億円)を投じた翌日および当日配達サービスの開始を発表。投資家との対話のなかで、最高財務責任者のブライアン・オルサフスキー氏は、翌日配達の対象となる商品数や最初に導入される地域について明言を避けつつ、翌日配達について「4月に大きくギアを入れた」と述べ、その効果はすぐに出ると予測した。今回、Amazonはモデルがすでに成果をもたらしていると主張した。ベゾス氏によれば、現在翌日配達の対象となっている商品は数千万点にのぼる。

「顧客はプライムの翌日配達開始に反応しており、大量の好意的フィードバックや、売上増加の加速が見られた」と、ベゾス氏は投資家向けの収支報告で述べている。「無料翌日配達は現在、プライム会員向けに1000万点以上の商品が対象となっているが、まだまだはじまったばかりだ」。

Amazonの翌日配達の余波として、小売業界のライバルがAmazonに追随する姿勢を示している。ウォルマート(Walmart)は今年5月、Amazonがサービスを開始したほんの数週間後に、翌日配達の試験導入を発表し、直接対決に踏み切った。ただし、ウォルマートの取り組みの第一歩はずっと小規模で、翌日配達が利用できるのはフェニックス、ロサンゼルスおよびカリフォルニア州南部のみであり、対象商品も22000点に限られる。

とてつもなく速い配達への投資は成果をあげた。それ以外のAmazonの第2四半期収支報告書の要点を以下に見ていこう。

重要数値 過去12カ月でフリーキャッシュフローは65%増加し、360億ドル(約3.9兆円)に。2018年6月までの12カ月は218億ドル(約2.3兆円)だった。 第2四半期の営業利益は31億ドル(約3365億円)となり微増、前年同時期は30億ドル(約3257億円)。 Amazonの広告売上は前年比37%増の30億ドル(約3257億円)となった。 プライムデーにユーザーは20億ドル(約2171億円)相当の商品を中・小規模独立ストアから購入した(プライムデーの総売上は非公開)。 Amazonは2019年に、国際的な事業構築のため、ヨーロッパで1万2000人の新規従業員の雇用を計画。 今年、Amazonは7億ドル(約760億円)を従業員のスキルアップと研修プログラム開発に投資。本部オフィスやテックハブ、フルフィルメントセンター、小売実店舗で働く10万人の労働者に新たなスキルの獲得を促す。 プライムデー延長で成果

プライムデーを1日から1日半、そして今年は2日へと延長した結果、Amazonは大きな成果を得た。同社の発表によれば、期間中、プライム会員向けの商品値引は100万件を超え、両日の売上は昨年のブラックフライデーとサイバーマンデーを合わせた数値をも上回った。また会員登録も増加し、今年7月15日(プライムデーの初日)のプライム会員新規登録数は同社史上最多を記録、翌16日が僅差で並んだ。

小売業者によると、プライムデー関連のストリーミング特番も数百万人が視聴した。Amazonに特化したエージェンシー、オルカパシフィック(Orca Pacific)のCEOを務めるジョン・ギオーソ氏は、Amazonで今後成長が見込まれる分野として、ライブ動画をあげる。

「ライブ動画はAmazonにとって今後ますます重要になる。プライムデーにそれが実証された」と、ギオーソ氏はいう。「商品、プロモーション、セールに関連したライブ動画がますます増えるだろう。Amazon版のHSNやQVC[訳注:いずれもテレビショッピングチャンネル]と呼ぶのが、適切なたとえだろう」。

スポンサープロダクトがAmazonの広告ビジネスの原動力に

Amazonの広告事業の成長は続いたが、これまでと比べれば鈍化した。前年比37%増となり、27億ドル(約2931億円)だった前四半期から、再び30億ドル(約3257億円)ビジネスへと返り咲いた。それでも、Amazonの広告事業はまだFacebookとGoogleの2大巨頭を脅かすには至っていない。

マークル(Merkle)の第2四半期デジタルマーケティングレポートによれば、スポンサープロダクトが前年比12%増の伸びをみせ、売上は102%増加した。このフォーマットは、特定の販売業者のAmazonのアルゴリズムにおける商品順位を上げるというもので、Amazonにおける非ディスプレー広告費の86%を占める。しかし、検索結果のトップの位置だけをみると、スポンサーブランドのフォーマットの方が優勢だ。マークルによれば、検索結果のトップに表示される広告への支払額は、スポンサーブランドの88%を占めるが、スポンサープロダクトでは45%にすぎない。Amazonがますます定額制に接近し、ブランドが検索結果をめぐってほかのサードパーティセラーとの競合を強いられるなか、ブランドページをフィードの最上部に表示させるための投資の優先順位が高くなっているのだ。

実店舗売上は伸び悩む

今年第1四半期の実店舗売上は1%増だったが、第2四半期も同じくわずか1%増にとどまり、総売上は43.3億ドル(約4701億円)だった。同社はAmazon Goのさらなる大規模店舗オープンを予定しており、ホールフーズ(Whole Foods)店舗からの配達も90店舗で利用可能になったが、依然として実店舗小売事業の足元はおぼつかない。

ただし、プライムデーの成果からは、AmazonのEコマース事業のイベントが小売にも波及効果をもたらしていることがわかる。将来的にこうした効果をさらに利用することも可能だろう。プライムデーの買い物で、7月15日と16日にホールフーズを利用した客は、合計数百億ドルを節約できた。

Hilary Milnes(原文 / 訳:ガリレオ)

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