Google 検索の変更で、アフィ収益減を嘆く米媒体社たち:「GoogleはやはりGoogleなのだ」

DIGIDAY[日本版] / 2019年11月13日 16時50分

アフィリエイトコマースに関するビジネスがアメリカのパブリッシャーのあいだで伸長している。そんな米・パブリッシャーのあいだで注目を浴びていたのがクーポンだ。一部パブリッシャーは、あっという間に数億円の収益をあげることに成功していた。

だが、数週間前にGoogleが検索アルゴリズムを変更したことにより、ニュース系パブリッシャーのあいだで、今後のクーポンを通じた収益の見通しが不透明なものとなっている。

Googleは今年9月、サードパーティのサイトにおいて、ホームページから直接アクセスできないように分けられた、サブドメインのコンテンツの扱い方を変更した。これまで1年半以上にわたり、米国では「ベンダーによるクーポンとコマースコンテンツ(ホワイトラベルの場合も多い)をニュース系パブリッシャーが自社サイトのサブドメインで提供する」という戦略が広がりを見せてきた。それが今回の変更によって被害を受けている。これまでのクーポン戦略では、ウェブサイトの訪問者がクーポンを使って購入すると、パブリッシャーとベンダーにアフィリエイト収益が分配されるという仕組みだった。

パブリッシャーすべてがクーポン戦略を試みて成功したというわけではないが、なかには大成功をおさめたパブリッシャーもある。本稿の執筆にあたり問い合わせたパブリッシャーのうち2社の関係者が、クーポンページがわずか数カ月のうちに高い利益率を誇る数億ドル(数百億円)の収益源へと化けたという。そのうちひとりはクーポンが「急速に伸びている」コマース収益を支えてきたと語っている。また、別のパブリッシャー関係者によれば、クーポンはベンダーからの資料に少し手を加えるだけで、ほとんど手をかけずに50万ドル(約5500万円)近い年間収益をあげられていたという。

最大で50%の落ち込みも

クーポンと商品ページはサブドメインに置かれており、Googleの検索結果では上位に表示されることが多かった。これはニュース系パブリッシャーが配信している政治や国内問題、エンタメといった記事がGoogle検索では上位に表示されるためだ。

Googleが今回の変更を導入して数週間のあいだで、あるニュース系パブリッシャーのクーポンページへのオーガニックな検索トラフィックは50%以上の落ち込みを見せた。上述の2番目のパブリッシャーは、これまで1年を通してほぼ常にGoogleの検索結果で1ページ目に表示されていたクーポンページが、現在は2ページ目以降に表示されるようになったと嘆く。3番目のパブリッシャーは、トラフィックの減少は「わずか」だとしており、ベンダーからの投稿を変更して、コンテンツを自社サイトの別の場所に移すことで、この減少も食い止めることができたという。

本稿で問い合わせたパブリッシャーの大半が、クーポンは比較的簡単に収益を徐々に増やせると回答した。またGoogle検索を行ったユーザーが、コマースとショッピングページを信頼していることも確認できたとしている。だがトラフィックが減少したことに加えて、そもそもクーポンがエディトリアルやブランド戦略のなかで微妙な位置づけだったことも相まって、クーポン戦略自体について再考するパブリッシャーも現れている。

今回の変更でクーポン収益に悪影響を受けたあるパブリッシャー関係者は、「大きな収益源とするにはサイトにより積極的に組み込まねばならない」と語る。「クーポン自体が下火になっても驚きではない」。

クーポンに対する各社の姿勢

今回の変更に不意を突かれたパブリッシャーもいるが、Googleは今年のはじめから変更をにおわせてきた。Googleウェブマスターのアカウントは8月に次のようにツイートしている。「基本的に、メインサイトが十分に管理しているか関連性がある場合を除き、メインサイトの一部であるかのようにコンテンツを表示するサブドメインまたはサブフォルダーを、ほかのユーザーに使用させないようにすることを推奨する」。

だが、これに誰もが耳を傾けたわけではなく、とりわけコマース収益の拡大に熱心なニュース系パブリッシャーのなかには、クーポンを収益源としてどれだけ拡大できるかをひたすら追い求めるところも多かった。CJアフィリエイト(CJ Affiliate)でマーケティングおよびビジネスシステム担当バイスプレジデントを務めるニコール・ロン氏は、アフィリエイトコマースの多様化に成功したパブリッシャーも多い一方で、マーケターはアフィリエイト予算のわずか25%程度しかコンテンツに投資してこなかったと指摘する。

また、クーポンによるコマース戦略の強化には興味があっても、自社サイトや体験のなかにクーポンを織り込むことには抵抗のあるパブリッシャーは多い。パブリッシャーのエディトリアルチームがクーポンコンテンツの作成に関わっているパブリッシャーは少なく、そのことはコンテンツの免責条項のなかでもはっきりと述べられている。複数の関係者は、クーポンを自社サイトのどこで、どのように扱うかについていまだ決めかねていると明かしている。

「GoogleはやはりGoogle」

Googleによるサブドメイン関連の変更について、これまでも似たようなことがあったと諦観気味な関係者も多い。「結局のところGoogleはやはりGoogleなのだ」とある関係者は語る。

だが関係者のなかには、クーポンが大きく成長する前につぶされたことについて、内心憤りを覚えると明かす者も多かった。上述の3番目の関係者はクーポンが収益において「重要な」割合を占めるとしつつも「何もクーポンで60人チームを組むわけではない」と語り、次のように述べた。「だからこそ、新たなことを試せるように提携関係を結んでいるのだ」。

Max Willens(原文 / 訳:SI Japan)

 

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