Netflix ドラマをめぐり、コスモポリタンが Google と協働:独自ツールでオーディエンスをもてなし

DIGIDAY[日本版] / 2020年1月22日 16時50分

女性誌のコスモポリタン(Cosmopolitan、以下コスモ)の読者のあいだで、Netflixのサイコ・スリラ―ドラマ「You ー君がすべてー」が人気となっている。同誌も、番組とコスモのコラボを望む声が大きいことを把握していた。そこで同誌は「You」のセカンドシーズンへの参加を目指しており、コスモ向けにGoogleのニュースイニチアティブ(Google News Initiative)が構築したツールを活用することにしたという。

12月26日に、Netflixの番組「You」のセカンドシーズンが公開された。この日にコスモはモバイルの読者を、「コスモポリタン・ウォッチ・パーティ(Cosmopolitan Watch Party)」と名付けた新たなモバイルページへと誘導。同ページでは番組に関する情報や対話式のクイズ、重要な場面におけるキャストやスタッフへのインタビュー記事などが、番組の進行に合わせて表示される。進行を同期させるには、Netflixの同番組と、同ページを視聴者が同時に再生する必要がある。

ウォッチ・パーティのページは、Googleニュースラボ(Google News Lab)がコスモのために独立したCMSで構築したものだ。Googleニュースラボのデータ編集者のサイモン・ロジャース氏は、もしこのプロジェクトが成功した場合、Googleはその技術とライセンスをほかのパブリッシャー相手に提供することになるだろうとしている。

「もしこれがうまくいけば、それを再現してできる限り、この技術を広めていきたい」と、同氏は語る。

「これは重要なイノベーション」

コスモとGoogleが提携をはじめたのはおよそ1年前、コスモの編集長にジェシカ・ペルス氏が就任してまもなくのことだ。ペルス氏は、このセカンドスクリーンコンテンツフォーマットをGoogleに売り込んだ結果、実現に結びついたとしている。コスモはその後、Netflixに対し、「You」を最初に採用する番組にしたいと持ちかけた。

ペルス氏は「You」を選んだ理由について、コスモの「You」に関する記事が常に高いトラフィックを記録していたためだとしている。実際、12月はじめに同誌が行ったセカンドシーズンの番組紹介のトラフィックは、他番組の平均と比べ、実に2140%も高い数値を記録している。

ペルス氏は「今回の取り組みで『没入感』のある体験を提供したい」と意気込む。

現在はGoogleとコスモのあいだで金銭的な取引は行われていないものの、ペルス氏は、「You」の他番組、映画、はてはファッションウィークなどのイベントといった場で、スポンサーや広告といったビジネスチャンスが今後生まれるだろうと予測している。

「これはイノベーションであり、メディアにとって多方面に重要だ。私は自分の仕事をオーディエンスによるコンテンツ消費のあり方を変えることだと考えている。そのためには、いまはまだ存在していないようなエンゲージメントのチャンスに着目することが欠かせない」と、ペルス氏は語る。

プラットフォームが及ぼす影響

コロンビア大学のトウ・センター・フォー・デジタルジャーナリズム(Tow Center for Digital Journalism)のプラットフォームとパブリッシャーに関するリードリサーチフェローを務めるナシン・ラシディアン氏は、過去5年間、プラットフォーム企業がパブリッシャーのエディトリアルコンテンツに及ぼす影響は増大してきたと指摘している。

同氏はGoogleとコスモの提携はプラットフォーム企業について、現在プラットフォーム企業のあいだでは新たな技術商品のロールアウトにあたってさまざまな取引を試しているトレンドがあり、これもまたその一環だとしている。パブリッシャーからすれば資本の交換が発生しないため、コスモにとっては保有していない新技術を利用でき、新たなイノベーションを試すチャンスになる。

一方Googleとしては、エディトリアルコンテンツに影響を及ぼすチャンスになる。

コスモのエンタメ担当編集者や記者らは自分たちの専門性を活用しつつ、たとえばGoogleトレンドによる「You」関連のキーワード検索といった新技術も利用できる。これによりオーディエンスが何に一番関心を持っているのかを把握することができるのだ。こうした形で、Googleはコスモのエディトリアル担当者が作るコンテンツに影響力を発揮することになる。

Facebookにも同様の動き

ラシディアン氏は、Facebookのクラウドタングル(CrowdTangle)はプラットフォームによるエディトリアルへの影響力を示す好例だとしている。クラウドタングルはパブリッシャーに対し、ソーシャルプラットフォーム上でどのコンテンツが良い成果をあげているかを伝える。パブリッシャーはそれを受けて、成功を再現しようと似た話題を記事にする傾向がある。Snapchatのディスカバー(Discover)やFacebook Watchも、プラットフォームが主導でパブリッシャーによるオリジナルコンテンツ作成を促す技術といえるだろう。

ラシディアン氏は次のように述べている。「Googleがコスモの生み出すコンテンツに影響を及ぼすようになるのは間違いない」。

Kayleigh Barber(原文 / 訳:SI Japan)

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