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ファッション再販業界、パンデミックによるブームが定着:今後も成長継続の予測

DIGIDAY[日本版] / 2021年10月15日 8時50分

ファッション業界は2020年に浮き沈みに直面し、コロナウイルスの影響に対処し続けている。その一方、同業界なかで、この時期に大いに恩恵を受けたカテゴリーのひとつが再販だ。

実店舗が閉鎖され、eコマースの導入が盛んになるなか、ポッシュマーク(Poshmark)、スレッドアップ(ThredUp)、ザ・リアルリアル(The RealReal)、そしてZ世代お気に入りのディポップ(Depop)などの再販プラットフォームは驚くべき成長を遂げ、調査分析会社グローバル・データ(GlobalData)が実施したスレッドアップ(ThredUp)のレポートによると、再販カテゴリ全体で2020年には2019年に比べて25%成長したという。

そしておそらく同じくらい重要なのは、その勢いが持続していることだ。これはショッピング習慣、ファッションの消費率、そしてより循環型の経済への移行、といった点で示唆を大きく含んでいる。ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group)によれば、中古衣料、履物、アクセサリーの市場は300億ドル(約3.4兆円)から400億ドル(約4.5兆円)の規模となっており、再販売市場は今後5年間で年率15%から20%の成長が見込まれている。この成長を加速させるのは、これまでの素早く簡単に消費できるファッションから、さらに環境に優しくなった形を求める消費者からの需要だけではない。すべてのブランドや小売業者自身が再販業者になりつつあり、それが市場の成長を促している。

ポッシュマーク・ディポップの業績

ポッシュマークの共同創設者で新興市場部門シニア・バイスプレジデントのトレーシー・サン氏は、「我々はまだ、再販市場のごく表面に触れただけに過ぎない。ポッシュマークが10年前にスタートしたとき、再販は目新しいものだった。今日、大量の市場機会があり、中古品に対する需要が急激に増加している」と述べた。「また、文化的な観点からも、再販がますます流行しており、我々が消費者に中古スタイルを受け入れさせる企業のひとつになっていることを嬉しく思う」と同氏。

1月に上場したポッシュマークは、2021年第2四半期の決算で、同四半期のプラットフォーム上の取引総額(送料と消費税を除く)は4億4960万ドル(約483億円)で、2020年と比べて前年比25%増だったと発表した。一方、ディポップ(Depop)の商品総売上と収益は2020年に倍以上に増え、それぞれ6億5000万ドル(約737億円)と7000万ドル(約79億円)であった。ロンドンに拠点を置くディポップは2011年に設立され、6月にエッツィ(Etsy)に16億3000万ドル(約1850億円)で買収された。

「パンデミックは、(実店舗は閉鎖されていたため)人々がどこでファッションを購入したり発見したり、次の買い物のヒントを得るか、という点で変化が起きていることを浮き彫りにした」と、ディポップの最高マーケティング責任者であるピーター・センプル氏は言う。

エンタメとしても人気を集める

再販売は、エンターテイメントの一種としてもその人気を集めており、今やただ衣服を買うための手段以上のものとなっている。ディポップと同様に再販アプリであるポッシュマークは、再販の世界をソーシャルメディアの縮図に書き換えることに成功している。フォロー、いいね、チャットルームのようなイベントといったソーシャル機能によって、人々は互いに関わり合い、自分たちの好みや買い物習慣に影響を与え合うことができる。ベイン・アンド・カンパニー(Bain&Company)がディポップと共同で実施したレポートによると、35%のディポップ・ユーザーが、同社のプラットフォームが(エンターテイメントとして)「使うのが楽しい」として利用している。

このトレンドは2020年、アメリカで本格的なパンデミック対策が実施されていた時期を通してさらに強まった。たとえば、ポッシュマークはコミュニティ用のツールキットと、人々がつながり、収入を得ることができる「ポッシュ・アンド・コーヒー(Posh N Coffee)」と呼ばれるZoom上の集まりを開始した。2020年を通して、同社は1000回以上のポッシュ・アンド・コーヒーを主催し、2021年には「ポッシュ・アンド・シップ(Posh N Sip)」と呼ばれる別のバージョンを導入した。ディポップの広報担当者は、2021年末までにさらにソーシャル機能を追加すると述べたが、それ以上のコメントは控えた。

このような人気の高まりを受けて、多くのブランド、特に高級ブランドは、しばしば偽造品の蔓延を防ぐための「防御的な取り組み」として、再販を受け入れ始めている。LVMHとシャネル(Chanel)の2社は再販に反対している一方で、ほかのブランドたちはこの分野への投資を行いつつある。2020年10月、グッチ(Gucci)はザ・リアルリアルとの提携を開始し、ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)は4月に、ハンドバッグ再販サイトであるファッションファイル(Fashionphile)を通じて店舗内のスタイリストを使って再販機会を促進すると発表した。6月には、ファッション・レンタルサービスのレント・ザ・ランウェイ(Rent The Runway)が、同サイト上のすべてのものをサブスクリプション加入者と非加入者の両方に再販できるオプションを追加した。レンタルの競合であるヌーリー(Nuuly)も8月にヌーリー・スリフト(Nuuly Thrift)というプラットフォームで再販を開始した。

再販に対する投資家の意欲も高まっている。高級ブランドの複合企業であるケリング・グループ(Kering Group)は、3月に再販サイト、ヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)のための2億1600万ドル(約272億円)の資金調達ラウンドを主導し、5月にはヨーロッパ最大の中古ファッションのマーケットプレイスであるヴィンテッド(Vinted)が2億9300万ドル(約332億円)を調達し、このスタートアップの評価額は42億6000万ドル(約4833億円)となった。

持続可能性が動機づけの役割に

REI、リーバイス(Levi’s)、パタゴニア(Patagonia)、ファブレティックス(Fabletics)といった有名ブランドもeコマースに再販を導入したり、再販プラットフォームのスレッドアップや再販テック企業のトローブ(Trove)といった企業と再販パートナーシップを結んだりしている。ファースト・インサイト(First Insight)の調査によると、これらのケースでは、ブランド側の主な動機は持続可能性であるようだ。ファッションの持続可能性は特にZ世代にとって非常に重要であり、この世代の消費者たちは持続可能な方法で製造された商品には料金を上乗せで支払うことも厭わないという。

「Z世代はますます高級品を売買するようになっており、消費者は意識的に賢明な購買決定を行い、そこでは持続可能性が動機づけの役割を果たすようになっている」とザ・リアルリアルの女性部門を率いるサーシャ・スコーダ氏は語った。

その一方で、こういった再販行為が、人々が思っているほど持続可能な行為かどうかについては疑問も生じている。最近の研究では、商品のレンタルや再販といった循環型経済の慣行が逆に環境に悪影響を与える可能性を示唆する証拠も提供されている。

しかし、循環型経済の概念の人気は、再販の魅力を広げている。再販の需要は今やアパレルだけではない。ポッシュマークは2月にペット用品カテゴリーを追加し、ザ・リアルリアルは8月に未使用の家庭用品を売買する手段としてコレクターズ・アイテムと電化用品のカテゴリーを開始した。

[原文:Fashion resale brands have lasting power beyond 2020 pandemic-induced boom]

EMMA SANDLER(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)

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