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「第2回関西テックプラングランプリ」大和リース賞を受賞 ~世界初!植物の光合成でLEDランプが点灯~--摂南大学

Digital PR Platform / 2024年12月16日 14時5分


・住環境デザイン学科×生命科学科 2つの研究室が融合
 住環境デザイン学科でインテリア・建築デザイン史の研究をする川上研究室と、生命科学科で共生機能材料学の研究をする松尾研究室が融合して光合成建築の研究に取り組んでいます。世界で初めて植物の光合成から電気エネルギーを生み出すことに成功した松尾教授との会話から、川上教授が建築に応用できるのではないかと考え付いたのが研究のきっかけとなりました。
 研究では、川上研究室が主にデザイン分野を、松尾研究室が科学分野を担っています。それぞれの専門性を生かし、学生は燃料電池の構造や葉緑体溶液の組成の最適化、光合成パネルや窓の製作、そして生成エネルギーの計測といった重要な研究に取り組んでいます。


・光合成燃料電池のメカニズム
 植物の葉緑体に含まれるチラコイド膜から「光化学系Ⅱ複合体(PSⅡ)」のみを抽出し、光合成によって酸素、水素イオン、電子を生成させ、光エネルギーを電気エネルギーに変換。再生可能かつ環境調和型素材による新しい光バイオ燃料電池です。3センチメートル角のPSⅡ溶液を入れたキューブ4つで、1カ月以上安定してLEDライト点灯や時計を動かすことができます。


・建築への応用~「建てる建築」から「植える建築」へ~
 再生可能エネルギーに関する研究は多く行われていますが、光合成で水素イオンを発生させて電気エネルギーに変え、酸素を生み出し、緑色の美しい空間を作り出せる、という3点を同時に可能にしているものは他にありません。川上研究室と松尾研究室では、実際にびょうぶや窓に活用する光合成パネルを作成。屋根やひさしに光合成パネルを活用した、集合住宅やバス停などの建築デザインを考案しています。
 川上教授や松尾教授は光合成建築の研究において、建築に関して「建築を建てる」のではなく「建築を植える」という概念に移行し、緑との共生に少しでも寄与することを目指しています。そこには、人間が生きるために植物を廃棄せざるを得ないのであれば、その廃棄植物から微量であってもエネルギーを作り出して自然への負荷を抑え、酸素は自然へ還元したいという思いがあります。


・実用化に向けた動き
 本研究では、2022年夏に大林組との実証実験を行うなど、実用化への具体的な道筋を探ってきました。LEDキャンドルや時計などのインテリアアクセサリーから、バス停シェルターや集合住宅建築まで、幅広い分野への応用可能性を追求しています。更に、「第2回関西テックプラングランプリ」において大和リース賞を受賞したことを契機に、新たな共同開発に向けた取り組みが動き出しています。
関西テックプランター2024 : https://techplanter.com/kansai/2024/
大林組 光合成建築: https://www.obayashi.co.jp/makebeyond/gallery/photosynthetic-architecture-cm-30/

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