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【東芝】学習データが十分にない産業分野においても、少数の実画像による「事前学習」で、迅速かつ高精度に解析する「画像解析AI」を開発

Digital PR Platform / 2024年12月17日 10時14分

【東芝】学習データが十分にない産業分野においても、少数の実画像による「事前学習」で、迅速かつ高精度に解析する「画像解析AI」を開発

2024-12-17
株式会社 東芝


学習データが十分にない産業分野においても、少数の実画像による「事前学習」で、
迅速かつ高精度に解析する「画像解析AI」を開発
~顕微鏡画像や赤外線画像、生体画像など収集できる画像が少なく、
従来AI導入が難しかった専門分野の自動化・省人化に貢献~

概要
 当社は、「画像解析AI」において、事前学習に必要な学習データが十分に得られない顕微鏡画像や赤外線画像、生体画像といった特殊な装置や環境下で撮影した産業用途の画像(非自然画像)でも、少数の実画像データから学習データを自動生成し、迅速かつ高精度に解析できる画像解析AIを開発しました。本AIは、独自の事前学習方式を特長とし、従来画像解析AIの活用が難しかった産業分野での適用が可能になり、解析の自動化による効率化・省人化に貢献します。
 当社は、インターネット上で公開されている赤外線画像・顕微鏡画像・ウェハ画像・病理画像・眼底画像の5種類の非自然画像データセット(*1)からそれぞれランダムに40~1,000枚の少量の実画像データを選択し、本AIの効果を検証しました。学習データ画像の枚数を、数十倍から数百倍になるまで自動生成して事前学習した本AIで画像を解析したところ、130万枚の実画像の学習データを持つ代表的な大規模自然画像データセットを用いて事前学習した場合を上回る精度で対象画像を識別することに成功しました。一般的に高精度な画像解析の実現には数万枚以上の大量の実画像データが必要ですが、本AIは最小40枚という少数の実画像データで迅速に高精度な解析を実現します。
 当社は本技術の詳細を、12月8日から12日にベトナムで開催された国際会議ACCV2024 (17th Asian Conference on Computer Vision) にて発表しました。

開発の背景
 人口減少に伴う人手不足解消や人手で行ってきた作業の効率化のために、産業現場における画像解析AIの適用が進んでいます。例えば、半導体製品の不良種別を評価する品質検査において、画像解析AIによって推定した不良種別と各製造工程の処理履歴を対応付けることで、不良原因を特定し生産性向上に繋げることができます。
 一般的に高精度な画像解析AIを構築するには、数万枚以上の大量の実画像データでAIを学習させる必要がありますが、実利用の場面においては 、特殊な環境下または専用の装置で撮影する画像は撮影に時間やコストを要するため、入手できる画像が小規模となる傾向にあります。半導体製品の開発工程で用いられるウェハ画像などでは大量の画像データを収集するのは困難です。また、生体画像のような倫理やプライバシーの観点から二次利用ができないデータも同様です。さらに、新規検査の立ち上げや開発工程における一時的な検査においては、画像データが小規模の段階で解析して詳細の解析が必要かどうかを判断し、短期間で開発にフィードバックしたいといったニーズがあります。
 AI開発においては、少量の画像データしか用意できない場合には、解析したい画像と特性の近い画像からなる大規模なデータセットを用いて、画像の特徴をAIに事前に学習させることで解析精度を向上させる「事前学習」が有効です。「事前学習」においては、動植物や乗り物といった被写体を一般的なカメラで撮影した画像(自然画像)からなる大規模自然画像データセットを用いて「事前学習」する方法が一般的ですが、製造現場や医療現場などで専用の装置で撮影された産業画像(非自然画像)は自然画像とは画像の特徴が異なるため十分な精度が得られないという課題がありました(図1)。

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