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重症呼吸不全患者6万6千人を対象に調査、認定施設では重症呼吸不全患者に「科学的根拠に基づいた治療」を多く実施~死亡率が7%低い結果に~

Digital PR Platform / 2025年1月16日 14時0分

重症呼吸不全患者6万6千人を対象に調査、認定施設では重症呼吸不全患者に「科学的根拠に基づいた治療」を多く実施~死亡率が7%低い結果に~

[画像1]https://digitalpr.jp/table_img/2670/102396/102396_web_1.png

【研究の概要】
東京慈恵会医科大学救急医学講座・附属柏病院集中治療部 吉田拓生准教授は、横浜市立大学大学院データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻 水原敬洋教授、清水沙友里講師らと、重症呼吸不全患者を対象に日本集中治療学会認定専門医研修施設での治療と予後に関する調査を実施しました。調査の結果、認定施設の院内死亡率が低く、科学的根拠に基づく治療が積極的に行われている傾向が確認できました。
本研究の結果は、2024年12月22日、Journal of Intensive Care誌に掲載されました。また2025年3月に開催される日本集中治療学会総会で発表される予定です。

【研究の方法】
本研究は、日本の診療報酬算定データ(Diagnosis Procedure Combination data: DPCデータ)を用いて、重症呼吸不全患者に対する治療内容と院内死亡率を、日本集中治療学会認定専門医研修施設(認定施設)と非認定施設で比較しました。対象は2016年から2019年の間に、人工呼吸器による治療が4日以上必要だった内科系の重症呼吸不全患者66,905人です。

【研究の結果】
認定施設では非認定施設に比べて、経腸栄養(29% vs. 14%)、早期リハビリテーション(34% vs. 30%)、ICUの利用(70% vs. 30%)といった生命や機能回復が期待される治療が多く行われていました。一方で、ドパミン(9% vs. 15%)、シベレスタット(4.1% vs. 7.0%)、高用量メチルプレドニゾロン(13% vs. 15%)など、科学的根拠が不十分な治療の頻度は認定施設において低い傾向にありました。また、認定施設では非認定施設に比べ7%院内死亡率が低く(31% vs. 38%)、院内死亡リスクも非認定施設より低い(院内死亡オッズ比0.75、95%信頼区間0.72~0.77、P < 0.001)ことが分かりました。また、高齢者やショック患者では、認定施設である病院で治療を受けることが生存に有利である傾向が見られました。

【研究の意義】
本研究は、認定施設で提供される科学的根拠に基づいた治療が、患者の生命予後の改善に寄与する可能性を示唆しています。今後、進む高齢化に伴う集中治療の需要の増加に対し、日本の集中治療システムがどのように対応するべきか、本研究で得られた知見を基に議論を深める必要があります。

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