1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

地球の永久凍土帯に広がる地形を用いて、火星の地下に氷が豊富にある場所を特定!

Digital PR Platform / 2025年1月23日 20時5分

 この成果は、米国地球科学連合が発行するオープンアクセス科学誌「Journal of Geophysical Research: Planets」に2024年12月30日付けで掲載されました。

今後の展望
 2040年代に計画されている火星有人着陸探査に向けた先行探査として、NASA、ESA(欧州宇宙機関)、CSA(カナダ宇宙庁)、ISA(イタリア宇宙機関)、そしてJAXA(宇宙航空研究開発機構)を主体とした国際協同探査 [Mars Ice Mapper (MIM) 計画] が計画されています。MIM計画では、合成開口レーダーを用いて火星中緯度域の地下氷分布を正確に調べることを目的としており、2030年代前半に実施予定となっています。JAXAもMIM計画に参画しており、火星磁気圏の観測のための周回衛星機器と、火星表面に着陸する着陸探査機(ランダー)を搭載することが計画されています。本研究による火星中緯度域(北緯30°〜42°)の浅部地下氷分布に関する研究結果は、このJAXAの火星着陸探査機(ランダー)の着陸候補地の選定においても、重要なデータとして活用されると期待されます。

 詳細については、添付の資料をご確認ください。

用語の解説
(※1)周氷河地形:氷が地下にあることによって形成される特殊な地形で、永久凍土帯に多く見られる。火星の中緯度でも地球に似た地形が発見されており、地下氷の存在を示唆する指標として利用されている。
(※2)永久凍土:少なくとも2年以上通して地温が0℃以下に保たれる土壌のこと。地表や地下に凍結した水分を含んでおり、氷が存在するため、周氷河地形が発達しやすい。アラスカやカナダ、シベリアなどの寒冷地に分布。
(※3)気候モデル:地球科学や気象学で使用されるシミュレーションで、気温、降水量、風の流れなどを計算し、気候変動などを予測することが可能。火星では大気循環の理解などに使用される。
(※4)マーズ・リコネッサンス・オービター (MRO):NASAが運用する火星探査機で、2006年から火星の軌道を周回し表面を観測。超高解像度カメラ「HiRISE」などの観測機器を搭載している。
(※5)HiRISE:MROに搭載された超高解像度カメラで、High Resolution Imaging Science Experimentの略。1ピクセル約30cmで火星表面の微細な地形や構造を捉えることが可能。地球のGoogle Earth画像は最大1ピクセル約50cmであり、それより高解像度に地形の観察が可能である。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください