あれから2年、ロヒンギャの人々に決断と議論に参加する場を与えよ

Digital PR Platform / 2019年8月22日 10時32分

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61のNGOがミャンマーの情勢悪化に懸念、ロヒンギャ難民の安全確保、自発的な帰還プログラムを呼びかけ

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ミャンマーで起きた数々の暴力行為から2年、74万人を超える人々が生きるために隣国バングラデシュへと避難しました。バングラデシュ政府とバングラデシュの人々は、100万人にも及ぶロヒンギャの人々を寛容な精神で受け入れています。国連機関と130以上の現地・国際NGOがバングラデシュ政府の取り組みを支援するなか、ロヒンギャの人々はキャンプでの生活支援や他の何にも増して、人間としての権利、安全、尊厳という基本的人権の保障を求めています。人々の多くがミャンマーへの帰還を切望する一方、帰還後の暴力行為や迫害への恐怖が拭えずにいます。

ロヒンギャ難民は、今回の帰還プログラムの発表に対し権利や安全の保障がないままでの性急な帰還開始に恐れと不安を抱えています。現時点での合意内容では、自発的帰還をはじめ情報共有のもと今後の人生を左右する選択をする権利さえも付与されていません。


ミャンマー・ラカイン州の情勢悪化
ミャンマーでの差別的政策によりラカイン州のロヒンギャの人々は、今も移動や教育、医療へのアクセス、収入手段などが厳しく制限されている状況下にあり続けています。約128,000人のロヒンギャとイスラム教徒のコミュニティは、2012年以降ラカイン州中心部にあるキャンプに収容され、移動も許されることなく、もちろん自宅に帰ることもできずにいます。ミャンマー政府は、2017年4月よりラカイン州のこれらキャンプの一部を「閉鎖」するとし、既存キャンプの跡地もしくは近隣には新たな建築物の工事が進められています。そして今なお、移動の自由や人権尊重への改善策は見当たりません。囲いの中にいる人々との協議や接触は容易ではなく、また中にいる人々は、かつて住んでいた地域や行きたい場所に出かけることもできません。

永続的な解決を実現するには、ミャンマー政府が平等の原則を遵守し、基本的人権に関する課題への取り組みを表明することが最優先であり、その上でラカイン州の住民すべての安全と基本的サービスへのアクセスの確保、雇用機会の創出などを保障することが求められます。


人間としての尊厳を
コックスバザールのキャンプでは、ロヒンギャ難民の人々が人道支援によって過去2年をしのいできました。 バングラデシュ政府主導のもと人道支援団体が協働することによって、キャンプ内の状況は改善され、モンスーン対策が強化され、感染症の流行を防いできました。それでも依然としてキャンプは厳しい生活環境下にあり、安全性と治安への懸念が高まっています。 ジェンダーに基づく暴力と移動の制限は、女性や少女が負うリスクをより増大させ、 障害や深刻な病状を抱える人にとっては、基本的サービスのアクセスへの障壁になりえます。人道支援資金の規模縮小と難民たちの教育や雇用機会の損失は、危機自体の更なる悪化を誘発します。資金調達についても、2019年必要とされる試算額9億2,000万米ドル相当のうちいまだ34%しか集まっていません。

2017年8月、隣国から避難してきたロヒンギャ難民たちに支援の手を最初に差し伸べたのは、バングラデシュ政府、そしてコックスバザールのテクナフ地区とウキヤ地区の住民たちでした。現在も約50万人のバングラデシュ住民が難民キャンプ近くで暮らしています。一帯は、大規模避難によって社会的、経済的、環境的にも影響を受け、また限られた資源や支援サービスを巡り住民と難民との間に緊張状態が続いています。 

国際社会は、ホストコミュニティであるバングラデシュの側に立った支援を心掛けること、難民とホストコミュニティの住民に尊厳ある暮らしをもたらせられるよう十分な資金を提供しなければなりません。

私たちバングラデシュとミャンマーで活動するNGOは、すべての当事者関係者によって早急に対応策が講じられることを求めます。今回、本共同声明に署名したバングラデシュとミャンマーで活動する国内および国際機関は、安全で自発的な帰還を含めた適切な措置が実現するまで、ミャンマー国内外において難民となった人々の人権、国籍、ミャンマー国内にいるロヒンギャおよび人権侵害にあう人々およびホストコミュニティの人々の保護と支援を行い、すべての関係機関に以下を要請します。

ロヒンギャの人々の将来を左右する意思決定プロセスの策定にロヒンギャを参加させること:


円滑な帰還実施に向け進められている議論の場にロヒンギャを参加させること、未来を左右する議論に子ども、若者、女性、高齢者、障害者などを含めること


ミャンマーでのロヒンギャの人権を守る:


ラカイン諮問委員会の勧告をミャンマー政府が実現し、ラカイン州での危機の根本原因に対処することを要求します。その中では、ロヒンギャの移動を終わらせるのに必要不可欠な環境を作り出し、難民一人一人が情報をしっかりと共有された上で、自身の帰還を自由に決定する権利を尊重することを求めます。ロヒンギャコミュニティからは、国際的な規範に合致した司法、説明責任、市民権、民間人の保護、移動の自由、差別の撤廃、人道支援組織への恒常的なアクセス、ラカイン州の独立したジャーナリストとメディアが求められていて、こうした要求を反映したものでなければなりません。

国際社会に対しては、過去から現在に至るまでのミャンマー国内での暴力を糾弾し、ミャンマー政府が人権を完全に尊重することを求めることで、こうした努力を支えていくことを求めます。


教育、暮らし、保護への包括的なアクセスをサポートする:


国境の両側で、ロヒンギャが教育、技能訓練、生活全般のサービスや権利にアクセスできる環境の構築を求めます。両国政府に対しては、保護の体制を整え、すべての人の司法へのアクセスを強化することで、ロヒンギャとホストコミュニティの脆弱性を軽減させるよう要求します。国際社会に対しては、国内避難民(IDPs)、難民、ホストコミュニティが生活維持のためのサービスを中断することなく確保できるよう、「2019 Joint Response Plan for the Rohingya Humanitarian Crisis」と「2019 Myanmar Humanitarian Response Plan」の資金を全額拠出するよう訴えます。
*2019 Joint Response Plan for the Rohingya Humanitarian Crisis:
https://reliefweb.int/report/bangladesh/2019-joint-response-plan-rohingya-humanitarian-crisis-january-december-enbn
*2019 Myanmar Humanitarian Response Plan:
https://reliefweb.int/report/myanmar/2019-myanmar-humanitarian-response-plan-january-december-2019


中長期的な解決策を明らかにする:


ミャンマー国内外でのロヒンギャの避難・移動に対する適切な解決策を明らかにすることを、国際社会へ要求します。並行して、バングラデシュ政府への支援の継続と、難民に関するグローバルコンパクトのうち、自立と責任の共有に関する取り決めを少しずつ実践しながら、流入民とホストコミュニティのニーズに対応するための地域横断的なアプローチを追求することを求めます。


原文はこちらから:
https://www.mdm.or.jp/mdm/cont/uploads/2019/08/NGO-Joint-Statement-for-2-Year-Mark_English.pdf
*この声明は世界の医療団日本が ”Two Years On: Rohingya Deserve Justice, A Place at the Table” を和訳したものです。

List of signatories:
1. ACTED
2. Action Against Hunger (ACF)
3. ActionAid Bangladesh
4. Adventist Development and Relief Agency (ADRA) Bangladesh
5. Arts for Action & The Just Acts Consortium
6. Asian Dignity Initiative
7. Association for Pisciculture and Cattle Development (APCD)
8. CARE
9. Caritas Bangladesh
10. Catholic Relief Services (CRS)
11. CBM
12. Center for Natural Resource Studies (CNRS)
13. Center for Social Integrity (CSI)
14. Centre for Disability in Development (CDD)
15. Christian Aid
16. Community Development Centre (CODEC)
17. Community Partners International (CPI)
18. Concern Worldwide
19. Consortium of Dutch NGOs (CDN/ZOA)
20. Cox’s Bazar Environment, Human Rights and Development Forum (CEHRDF)
21. Danish Refugee Council (DRC)
22. Development Initiative for Social Advancement (DISA) Bangladesh
23. Education and Development Foundation (EDUCO)
24. Gonoshasthaya Kendra (GK)
25. Good Neighbors Bangladesh
26. HelpAge International Bangladesh
27. HELVETAS Swiss Intercooperation
28. HOPE Foundation
29. HumaniTerra International (HTI)
30. ICCO Cooperation
31. International Rescue Committee (IRC)
32. ISDE Bangladesh
33. MAF Bangladesh
34. Medair
35. Médecins du Monde
36. Mercy Corps
37. Migrant Offshore Aid Station (MOAS)
38. Norwegian Church Aid (NCA)
39. Norwegian Refugee Council (NRC)
40. Oxfam International
41. Peace Winds Japan (PWJ)
42. Prantic Unnayan Society
43. RDRS Bangladesh
44. RISDA Bangladesh
45. Safer World
46. Samaj Kalyan Unnayan Shangstha (SKUS)
47. Save the Children
48. Sheba Manab Kallyan Kendra (SMKK)
49. SHED Bangladesh
50. Shushilan
51. Social Assistance and Rehabilitation for the Physically Vulnerable (SARPV)
52. Solidarités International (SI)
53. Terre des Hommes (TdH)
54. The Lutheran World Federation (LWF)
55. Unite Theatre for Social Action (UTSA)
56. United Purpose
57. Voluntary Service Overseas (VSO)
58. Welthungerhilfe (WHH)
59. World Concern
60. World Vision
61. Young Power in Social Action (YPSA)


本件に関するお問合わせ先
■お問い合わせ先■
世界の医療団(認定NPO法人)
特定非営利活動法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポン
Médecins du Monde Japan
TEL: 03-3585-6436  Email: communications@mdm.or.jp

関連リンク
あれから2年、ロヒンギャの人々に決断と議論に参加する場を与えよ
https://www.mdm.or.jp/news/16171/
Two Years On: Rohingya Deserve Justice, A Place at the Table
https://www.mdm.or.jp/news/16163/

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