NECとNTT、世界初、12コア光ファイバーによる7,000km以上の長距離伝送実験に成功 ~大洋横断級光海底ケーブルの大容量化に向けて前進~
Digital PR Platform / 2024年3月21日 13時9分
日本電気株式会社(本社:東京都港区、取締役 代表執行役社長 兼 CEO:森田隆之、以下 NEC)と日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田明、以下 NTT)は世界で初めて、標準的な外径(0.125mm)の光ファイバーに光信号の伝送路を12本設けた12コア結合型マルチコアファイバー(注1)を用いて、大洋横断級7,280kmの伝送実験に成功しました。本成果は、将来の光海底ケーブルをはじめとする大容量光ネットワークの実現に貢献する、次世代の伝送基盤技術として期待されます。
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2341/85181/600_255_2024031917073865f947cad36b9.png
図1. シングルコアファイバー(左)と12コア結合型マルチコアファイバー(右)の断面
■背景
グローバルにおける5Gの普及や分散するデータセンター間の通信増などにともない、2018年から2022年における国際インターネット通信量は年平均成長率30%で増加し(注2)、この傾向は今後も続くと予想されています。旺盛な通信需要に対応するため、光海底ケーブルの増設に加え、光海底ケーブルシステム当たりの伝送容量を増加するニーズが高まっています。
既存の光海底ケーブルには、1本のファイバー内にコアと呼ばれる光伝送路を1本設けたシングルコアファイバーが用いられています(図1左)。これに対し、ファイバーを標準的な外径から変えずに複数のコアを設けて通信容量を増やすマルチコアファイバー(図1右)を用いることで、ケーブルの大容量化をめざす研究開発が世界中で進められており、NECは現在、光伝送路を2本設けた2コアのマルチコアファイバーを用いた長距離光海底ケーブルシステムの敷設プロジェクトを手掛けています。
■研究の成果
標準的な外径の光ファイバーにコアを増やしていくと、コアから漏れた光信号が隣接するコアの光信号に干渉し混信することで、お互いの通信品質が劣化するクロストークが発生します。特に長距離の伝送では、クロストークの深刻化に加え、光信号間の遅延や損失の不均一性などが原因で、送信した信号を正確に受信することが困難になります。
これらの課題に対して、NECとNTTが開発した技術は以下のとおりです。
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/85181/600_277_2024031917095465f9485248363.png
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