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2023年度「大学体育スポーツ学研究」優秀論文賞受賞 「笑い」はこころとからだの準備運動--大学体育授業の教育効果を高めることが明らかに--

Digital PR Platform / 2024年3月22日 20時5分



■研究の成果
実験の結果、「笑い準備運動」の実施により、体育実技後の気分・感情変化評価では笑い群のほうが「抑うつ-落ち込み」、「緊張-不安」、「総合的気分状態(主にネガティブな気分状態)」得点が有意に低下し、気分状態が改善することがわかりました。「笑い準備運動」は、笑顔を意識的に作り、笑い声を発するという行動により、脳に「笑っている」と知覚させる(自ら脳をだます)ことで、楽しい・リラックスというポジティブな気分や感情を生み出すことができると考えられます。したがって、「笑い準備運動」により授業前の緊張やストレスを緩和したことが体育授業受講時の気分に好影響を与えたと考えられます。

また、コミュニケーション・スキル評価では、「笑い準備運動」の実施により「表現力」「関係調整」が有意に改善し、コミュニケーション能力の向上が示されました。「表現力」はコミュニケーションの基礎となる言語的な能力であり、「関係調整」は円滑な社会的相互作用を行うための対人スキルです。本研究の「笑い準備運動」により大頬骨筋や眼輪筋などの笑いを表出する顔面表情筋をあらかじめ動かしておくことが、運動前に関節可動域を増加させるストレッチ等の準備運動のように機能して、笑う表情を作りやすくし、顔面の表情によるコミュニケーションの機会を増加させた結果、体育授業内で周囲の仲間への声掛けやコミュニケーションを円滑にすることができたのではないかと考えられます。さらに、準備運動として皆で笑い合うことにより楽しくリラックスした気分を共有し、円滑なコミュニケーションをはかる下地ができたことが、体育授業受講者間の良好な関係を築き、コミュニケーション・スキルの向上といった大学体育授業の教育効果を高めることにつながったと考えられます。

■今後の展開
本研究で開発した「笑い準備運動」は、ユーモア刺激を伴わずに意識的に笑顔を作ることによりポジティブな感情を高める準備運動です。手軽で簡単、費用もかからず万人に適用しやすいことも特徴です。笑うことは自らの心身を整えるだけではなく、まわりの人々にもいい影響を与えます。従って個人のパフォーマンスにも、チームのパフォーマンスにも好ましい結果が得られることが期待できます。今後は大学体育にとどまらず、大学授業で広く活用できる、また日常生活に落とし込み、習慣化しやすい笑い準備運動の開発を進めていきたいと考えています。

■論文情報
藤田恵理特任講師、平工志穂教授(東京女子大学 現代教養学部 心理・コミュニケーション学科コミュニケーション専攻)、田中幸夫教授(東京農工大学)による共著論文「大学体育におけるこころの準備運動としての「笑い準備運動」の教育効果」(大学体育スポーツ学研究、20: 33-47.)が2023年度大学体育スポーツ学研究優秀論文賞(公益社団法人全国大学体育連合)を受賞しました。


▼本件に関する問い合わせ先
東京女子大学
広報課
住所:〒167-8585
TEL:03-5382-6476
FAX:03-3395-1212
メール:pr@office.twcu.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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