上場株式におけるインパクト投資:シュローダーのアプローチ
Digital PR Platform / 2024年4月2日 15時50分
インパクト投資の実際
シュローダーでは、製品やサービスが社会/環境におけるプラスのインパクト創出に大きく貢献する企業に投資することを「インパクト投資」と考えます。そのため、企業のビジネスモデルの大部分がSDGsの目標の少なくとも1つと関連するインパクトのある活動である必要があります。これは、我々の投資先企業のビジネスモデルにおいて、インパクトが中核的な位置にあり、企業業績の主要な原動力となっていることを意味します。
シュローダーでは、投資先企業の事業の中でインパクトのある事業が新しく急成長している場合、中期的にその事業が企業にとって意味のあるものになるよう、成長の軌跡をモデル化します。
~ケーススタディ~
エマージング株式におけるインパクト創出
一般的にエマージング市場は、先進国市場対比で環境・社会的課題に直面していることが多いと想定されます。また、同市場の企業の多くが、環境問題やサステナビリティの取り組みに遅れを取っており、資産運用会社がインパクト創出に当たって貢献する余地が大きいと考えられます。
AT Renew社の名前は「All Things Renew」の略称であり、様々な遊休品(一時的または恒久的に使用されない中古品)の再利用を目指すことを企業理念に掲げています。同社は中国で中古家電のリサイクルと下取りサービスを促進するプラットフォームを運営し、製品を再流通させることで製品のライフサイクルを長期化しています。中古電化製品の回収から再販に至るプロセスの促進を通じ社会にプラスのインパクトを与えており、2022年には、同社プラットフォームを通じて3,200万台の製品がリサイクルされ、取引されました。
シュローダーは、2022年から23年にかけて複数回にわたり同社に対してエンゲージメントを実施してきました。22年第1四半期には、中古電子機器の利用によって可能になる温室効果ガス排出削減量の推定値など、同社の環境問題に与えるインパクトの測定と開示を改善するよう同社と対話しました。その後公表されたサステナビリティ・レポートにおいて、同社は指摘事項のフィードバックを実施し、21年度に中古携帯電話の再利用を通じて464,000トンの炭素排出量を削減したと推定されることを記載したほか、適格廃棄物処理業者との提携を通じ、27万台の電子機器廃棄物を処理したこと、また22年度には43.2トンの電子機器廃棄物の削減を実施したこと等が明らかとなりました。同社は急成長する市場のリーダーであり、その影響力の増大と相まって利益率も改善しています。
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