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ブルー・ボンドとオレンジ・ボンド ‐ 債券におけるインパクト投資の最前線

Digital PR Platform / 2024年4月5日 10時0分


選択肢が広がるガイダンスの誕生

今日に至るまで、サステナビリティ債券の発展のほとんどが「調達資金をどのように用いるか」に焦点が当てられていました。一方、2023年には、ラベル付き債券でない銘柄のインパクト関連のディスクロージャーを発展させることを目指したタスクフォース(インパクト・ディスクロージャー・タスクフォース)が発足しています。このタスクフォースは公的・民間金融機関、資本市場参加者、その他金融市場のステークホルダーを集めたものであり、インパクト測定とモニタリング原則強化を目指した自発的なガイダンス(サステナブル・ディベロップメント・インパクト・ディスクロージャー・ガイダンス)を提供しています。

このガイダンスでは、 「投資に明確な社会・環境問題解決の意図がある(Intentionality)」の重要性が強調されており、発行体が達成を目指すプラスのインパクトが何かを明示し、その達成に向けた適切な事業戦略を策定することの重要性が示されています。同時に、ベースラインを超える野心的な目標設定と、過去データに基づき、進展が求められる分野への優先的な対応を実施することを発行体に奨励しています。

このガイダンスは、 発行体が抱えるサステナビリティ関連リスク、機会、依存性、インパクトを開示するための基準を提供している国際持続可能性基準委員会(ISSB)の取り組みを補完するものと言えます。

サステナブル・ディベロップメント・インパクト・ディスクロージャー・ガイダンスに則った債券発行は、通常の債券とサステナビリティ・リンク債の間に位置するようなハイブリッドな銘柄の発行を意味します。これらの発行は、資金使途の指定はないものの、より包括的で野心的なインパクト目標の設定と開示を意図して、サステナビリティ目標を設定することに繋がると期待できます。重要なインパクト目標およびKPIの開示強化が発行体側からなされることにより、投資家は投資可能ユニバースの拡大と、インパクト創出に関するより深い理解を得ることができるようになるでしょう。


現状の課題

上記でご説明した新たな基準やフレームワークの誕生に関連して発生する重要な考慮事項の1つとしては、発行体に求められる情報開示の増加とともに、ICMAが現在運営している既存のグリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド、サステナビリティ・リンク債のフレームワークに加えて、発行体が更に複雑な対応が求められる可能性がある点です。

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