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世界初!オプジーボ等の効果を免疫チェックポイント関連因子から予測 非小細胞肺がんの治療方針検討に役立つ研究成果

Digital PR Platform / 2024年4月11日 14時5分

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近畿大学医学部(大阪府大阪狭山市)内科学教室(腫瘍内科部門)主任教授 林秀敏、近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)がんセンター特任教授 中川和彦、京都大学大学院医学研究科がん免疫PDT研究講座(京都府京都市)特定教授 茶本健司、京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合研究センター(京都府京都市)センター長・京都大学高等研究院(京都府京都市)特別教授 本庶佑らの研究グループは、シスメックス株式会社(兵庫県神戸市)との共同研究により、非小細胞肺がん※1 に対するオプジーボ(一般名:ニボルマブ)をはじめとする抗PD-1抗体※3 の効果を、血液中の「免疫チェックポイント関連因子※2」から予測できる可能性があることを明らかにしました。本研究成果は、今後、非小細胞肺がんの治療方針検討の際に役立つものであると期待されます。
本件に関する論文が、令和6年(2024年)4月2日(火)AM2:00(日本時間)に、国際的な臨床医学の学術誌"Journal of Clinical Investigation(ジャーナル オブ クリニカル インベスティゲイション)"にオンライン掲載されました。




【本件のポイント】
●「免疫チェックポイント関連因子」から、オプジーボなど抗PD-1抗体の非小細胞肺がんに対する効果を予測できることを明らかに
●既存のバイオマーカーと異なり血液を用いて解析するため、リアルタイムに患者の免疫状態を予測可能
●今後、非小細胞肺がんの治療方針を検討する際に役立つ研究成果

【本件の背景】
平成30年(2018年)にノーベル医学・生理学賞を受賞した、京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合研究センター長・京都大学高等研究院特別教授 本庶佑による「PD-1」という分子の発見で、外科手術や放射線治療法、抗がん剤などの化学療法が主流だったがん治療が大きく革新されました。PD-1は、免疫細胞の表面に存在する「免疫チェックポイント」と呼ばれるタンパク質の一つで、ここにがん細胞が作るPD-L1というタンパク質が結合すると、免疫が抑制されてがん細胞が増殖します。PD-1とPD-L1の結合を阻害する「抗PD-1抗体」は、がん細胞に対する免疫反応を亢進させ、抗腫瘍効果を示すことから、さまざまながんの治療薬として実用化されており、代表的な治療薬として「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」が広く知られています。
こうした抗PD-1抗体は効果が非常に高い一方、長期的に有効性が得られる患者の割合は約10~20%であるため、どのような患者に抗PD-1抗体が有効かを予測することが、治療方針を決定するうえで重要です。腫瘍組織を用いて抗PD-1抗体の有効性を予測する手法はあるものの、精度が十分でなく、また、腫瘍組織からリアルタイムに免疫状態を把握することはできないため、血液を用いて患者の免疫状況を予測できるバイオマーカーが求められています。

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