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連合学習において一部のクライアントに異常や悪意がある場合にも高精度にAIモデルを学習可能な手法を開発 ~LLM tsuzumi の学習への適用やIOWN機能としての実用化を目指す~

Digital PR Platform / 2024年5月7日 15時10分


[画像出典] 連合学習とは?Federated Learningの基礎知識をわかりやすく解説(※2)

 連合学習の課題として、学習に参加するクライアントの一部が異常あるいは悪意を持って、正常なクライアントとは大きく異なる学習モデルを共有した場合に、連合学習自体が困難になることが挙げられます。悪意のあるクライアントがいる場合でも、悪意のあるクライアントがいない場合と同様に、連合学習自体はうまくいくことが求められ、それが実現されるアルゴリズムはビザンチン耐障害性があるとされます。ビザンチン耐障害性は、ラベル付のミスや、計測エラーによる学習データの品質劣化に対して効果を発揮します。また、連合学習に不特定多数が参加し、その中でクライアントの乗っ取りなど悪意のあるクライアントが想定される場合にも有効です。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/87612/700_346_2024050108115266317ab862ac1.JPG


2. 研究の成果
 ビザンチン耐障害性のある連合学習手法では、全クライアントのうち悪意のある行動(実際とは異なる学習モデルの共有など)をするクライアントが50% 未満である場合、悪意のあるクライアントがどのような行動をしたとしても、その手法の精度の低下を小さくすることができます。
 連合学習における既存のビザンチン耐障害性のある従来手法として、CClip※3が挙げられます。この手法は連合学習の各ラウンドで、正常なクライアントの勾配(モデルの更新方向)の平均推定量を用いて、全てのクライアントの勾配の影響が小さくなるように補正(Clipping)を行います。これにより悪意のあるクライアントが学習全体に与える影響が小さくなり、ビザンチン耐障害性を得ていました。しかし、各クライアントが持つデータの統計的性質が大きく異なる際には、正常なクライアントの学習も悪意のあるクライアント同様に補正の影響を受けてしまい、学習したモデルの精度が下がる欠点がありました。
 本技術では、ラウンドごとではなく、過去のラウンドでの学習情報を適切に用いて、正常および悪意あるクライアントの判定を行うことで、正常なクライアントの学習には補正が加わらず、そのことにより全体で学習したモデルの精度が下がることなく, よりよいモデルを生成することができます。

3. 技術のポイント
 モメンタムスクリーニング技術のポイントは以下の通りです。

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