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【中部大学】空間識失調の発生と訓練による解消を金魚の実験で確認 -- 航空機操縦ミスの減少などへの応用に期待 --

Digital PR Platform / 2024年5月8日 14時5分



■論文の情報
・雑誌名:Frontiers in Neurology, Neuro-Otology
・論文タイトル:Learning capabilities to resolve tilt-translation ambiguity in goldfish
・著者:Shin Tadokoro,Yusuke Shinji, Toshimi Yamanaka, Yutaka Hirata
・DOI: 10.3389/fneur.2024.1304496
・URL: https://www.frontiersin.org/journals/neurology/articles/10.3389/fneur.2024.1304496/abstract

■用語説明
注1) 空間識失調
 航空分野で多く用いられる用語で、操縦者が自分または操縦している航空機の姿勢、位置、運動状態(方向、速度、回転)などの空間識を客観的に把握できなくなった状態。航空機の事故原因の約3割を占める。自動車やバス、揺れやすい電車、船、飛行機などの乗り物に乗った時に、吐き気、めまい、頭痛、顔面蒼白などの症状が起こる乗り物酔いの原因となる。宇宙飛行士が同様の症状を呈する宇宙酔の原因とも考えられている。

注2) 体重力錯覚
 内耳の耳石器が慣性の影響を受けて生じる錯覚。例えば水平等速飛行中に加速をすると、慣性力が後方に働くと同時に慣性力と重力との合力が操縦者の後下方に生じるが、この合力の方向を操縦者は下方、つまり重力の方向と誤認した結果、感覚的に機体の機首が上がっているように感じてしまう。

注3) 耳石器
 耳の最深部である内耳には音を感知する「蝸牛(かぎゅう)」と回転を感知する「三半規管(さんはんきかん)」と呼ぶ器官がある。「耳石器(じせきき)」は蝸牛と半規管の間にあり、重力や頭の運動など直線加速度を感知する役割を持つ。耳石器は感覚細胞の上にゼラチン質の耳石膜があり、その上に数多くの耳石がついている。ゼリーの上に小さな粒々が乗っているような状態で、頭を動かすとこの耳石が動くことで感覚細胞が刺激され、方向などを感知する仕組みになっている。この仕組みにより、機械的な加速度計と同様に、アインシュタインの等価原理により、並進加速時と重力に対する傾斜時には同一の応答をする場合がある。

注4) 前庭動眼反射
 頭部運動時にそれとは逆向きにほぼ同じスピードで眼球を回転させる反射運動。これにより、動物が動く際に頭部動揺が生じても見ているものがブレないで安定した視野が得られる。ビデオカメラの手ぶれ防止に似た"頭ぶれ防止"機能。魚類から人までほぼ共通した神経メカニズムで生じることが知られており、耳石器などからの頭部運動情報に基づき脳が空間識を形成し、頭部運動を補償する前庭動眼反射を生成する。したがって、空間識が誤って形成されると(空間識失調状態)、誤った方向に前庭動眼反射が生じる。

▼お問い合わせ先
【研究内容について】
 平田豊 中部大学 理工学部 AIロボティクス学科 教授
 電子メール yutaka@isc.chubu.ac.jp


▼本件に関する問い合わせ先
中部大学 学園広報部広報課
TEL:0568-51-7638
メール:cuinfo@office.chubu.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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