1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

【東芝】世界初、少量データによる「オフライン強化学習」で複雑なロボット操作を高精度に制御するAIを開発

Digital PR Platform / 2024年5月10日 10時28分

本技術の特徴
 そこで当社は、人手によるティーチングであらかじめ作成した少量のデータで、AIが精度の高いロボット操作を学習する手法を開発しました。本手法では、ロボットアームの操作範囲を撮影した画像からロボットアームの移動先を決定する1段目の制御と、移動先周辺のみを切り取った画像から移動先を補正する2段目の制御により構成される2段階制御を学習します(図1)。
 従来手法は1段目の制御のみを学習して制御を行っていました。今般開発した手法では、2段目の制御の学習において、注目領域のみを含む画像が入力されること、データの水増し(*5)ができること、効率的に学習可能な移動先の補正のみを学習対象としていることにより、より高い精度のロボット操作が可能になりました(図2)。
 本手法を用いてロボット操作100回の画像データで学習したロボット制御AIを、公開ベンチマーク環境(RLBench)でシミュレーション評価したところ、ピッキングや物を置くなどの8種類の作業をそれぞれ500回行った際の平均成功率が従来手法の36%から72%に大幅改善し、世界最高精度を達成しました(図3)。作業別では、従来手法では最高79%の成功率が、本手法では最高99%に向上しました。また、2段目の学習データとなる切り取り画像は、1段目のロボットアームの移動先決定と同時に自動的に生成されるため、追加作業が不要です。100回分の学習データであればわずか半日ほどで作成することが可能であり、学習データの作成に必要なデータが少ない分野や試行錯誤してデータを作成することが難しい分野などでの活用が期待できます。
 本AIにより、少ない時間とコストで、製造機器や医療機器の操作・自動運転など、安全な学習が必要とされる機器の制御の精度を大きく向上させることができます。例えば、高熱を扱うため安全性が求められる製造工場の溶接機器の自動化に適用することで、従来必要だった熟練者の作業をロボットで代替でき、人材不足の解消に貢献します。


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1398/87979/600_207_20240510101737663d75b1b113b.png


図1:開発した2段階制御学習手法の概要



[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1398/87979/600_323_20240510101740663d75b41e8da.png

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください