1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

【芝浦工業大学】柔軟な触覚センサーを活用し、指先の微細な動きを高い精度で識別できるシステムを開発 --子どもの発達研究やオンライン医療への応用に期待--

Digital PR Platform / 2024年5月22日 14時5分

写真



芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田純)システム理工学部生命科学科・佐藤大樹教授らの研究チームは、柔軟な触覚センサーを活用し、手指の微細な動きを客観的に評価するシステムを開発しました。このシステムでは、様々な「つまみ動作」を90%以上の識別率で分類することができます。人の微細運動スキルを客観的に評価することは難しく、長年の課題となっていました。そこで、電気インピーダンス・トモグラフィ※1を活用したトモグラフィ型触覚センサー※2を用いたアプローチを開発し、極めて高い精度で動作を識別することを示しました。今後は、触覚センサーをさまざまな形状の物体に適用することで手指運動を促す知育玩具の開発から医学研究まで広く社会に活用されることを目指していきます。





■ポイント
・人の細かい運動スキルを客観的に定量化し、評価することは難しく長年の課題となっていた
・柔軟な触覚センサーを用いたアプローチによって、様々な「つまみ」動作を90%以上の識別率で分類することができるシステムを開発
・知育玩具の開発から医学研究まで広く社会に活用されることを目指す


■研究の背景
微細運動スキル※3は、人間の認知において重要な役割を果たしており、日常的な活動から高度な道具を使った文明の発展まで、あらゆることに影響を及ぼしています。しかし、これらのスキルを客観的に定量化し、評価することは大きな課題となっていました。ビデオコーディング※4のような従来の方法は効果的ですが、時間がかかり、コーディングを行う人のバイアスの影響を受けやすくなります。さらに、モーションキャプチャーや手に装着する計測デバイスのような既存の技術にはいくつかの制限があり、特に乳幼児の指の動きを評価する際には限界がありました。


■研究の概要
研究チームは、電気インピーダンス・トモグラフィに基づく柔軟な触覚センサー(トモグラフィ型触覚センサー)を応用し、指の微細な動きを客観的に評価する新しいシステムを開発しました。本システムで使用する触覚センサーは、4つの層から構成されており、柔軟性、形状の汎用性、感度の点で従来の方法に比べて優れています。
センサーは16個の電極を備えたフレキシブルプリント回路基板と導電性材料を使用し、さまざまな指の動きから電圧データを取得することができます。データは数値解析ソフトウェアを使って処理され、接触分布画像を再構成しました。新しいシステムは円筒形の形状を利用しています。この機構により、つまむ動作の正確な測定が可能になりました。
本研究では、12人の計測参加者(成人)が、指の本数と方向によって特徴付けられる6種類のつまむ動作を行い、計測した電圧信号と再構成画像を用いて6種類のつまむ動作を分類しました。その結果、再構成画像を用いた場合の分類精度は79.1%、電圧信号を用いた場合の分類精度は91.4%でした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください