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【昭和大学・法政大学・グラーツ大学】ミトコンドリア・メタゲノミクスから明らかになった、世界の潮間帯に生息する珍しい土壌ダニの進化の歴史 〜SNSから過去に新種記載されたハマベダニの仲間たちの進化史〜

Digital PR Platform / 2024年6月4日 14時5分



「仮説1:単一起源説」
 従来、考えられてきた説。海岸への適応に成功した単一の共通祖先によって、いったん極寒の極域に適応した祖先が生じ、北極圏から北半球の冷温帯に分布するハマベダニ科と、南極圏からから南半球の冷温帯に分布するイソナンキョクダニ科のどちらもその祖先から進化し、他方、熱帯・亜熱帯にすむウミノロダニ科とマンゲツダニ科の2科ももともとの祖先を同じとして進化したという説。
「仮説2:複数起源説」
 南極圏と北極圏で異なる祖先から別々に進化し、熱帯・亜熱帯も異なる別の祖先をもつという説。

 本研究では、22種のミトコンドリアの全塩基配列を決定し、近縁種の配列とともに解析することによって系統関係の推定を行いました。次に化石の情報による補正を行った分岐年代推定により潮間帯ササラダニの進化史を明らかにしました。
 その解析の結果は以下の通りです。

(1)「仮説2:複数起源説」を支持しました。つまり、潮間帯ササラダニ(ハマベダニ上科)は、陸上から海への適応が、ササラダニ類において独立して3回起こった多系統群であることを示唆しました。
(2)"熱帯性"のウミノロダニ科と、マンゲツダニ科の共通祖先は、三畳紀とジュラ紀にかけての期間(約2億2500万年前ころ)に、最初に海岸環境に適応したことが、分岐年代推定により示唆されました。現在のこの2科の分布域から考えれば、この出来事は超大陸パンゲアがまだ存在していた時期に起こったことが示唆されました。
 また、"北半球のみ"の寒冷な地域に生息するハマベダニ科の祖先は、ジュラ紀後期から白亜紀初期(約1億7000万年前)にかけて海岸環境に適応し、ローラシア大陸の海岸地域に分布していたことが示唆されました。
 一方、"南半球のみ"の寒冷な地域に生息するイソナンキョクダニ科(仮称)の祖先は、ハマベダニ科の約3千万年後(約1億4000万年前)に海岸環境に適応し、ゴンドワナ大陸の海岸地域に分布していたことが示唆されました。

 以上の研究は、共同研究チームの蛭田眞平博士(昭和大学富士山麓自然・生物研究所 准教授)、島野智之博士(法政大学自然科学センター・国際文化学部 教授)、トビアス=プフィングスティル博士(グラーツ大学 講師)が進めました。

●発表雑誌
 掲載誌:Scientific Reports誌
 論文名:Mitochondrial metagenomics reveal the independent colonization of the world's coasts by intertidal oribatid mites (Acari, Oribatida, Ameronothroidea).
 著者:Pfingstl, T., Hiruta, S. F., & Shimano, S.
 公開日:2024年5月21日(火)オンライン公開
 https://doi.org/10.1038/s41598-024-59423-7

▼本件に関する問い合わせ先
 昭和大学 富士山麓自然・生物研究所
 准教授 蛭田 眞平 (ひるた しんぺい)
 E-mail: hiruta@cas.showa-u.ac.jp


 法政大学 自然科学センター・国際文化学部 
 教授 島野 智之 (しまの さとし)
 E-mail: sim@hosei.ac.jp

▼本件リリース元
 学校法人 昭和大学 総務部 総務課 大学広報係
 TEL: 03-3784-8059
 E-mail: press@ofc.showa-u.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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