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食事記録アプリと食品摂取頻度質問票は 異なる食事調査法であることを明らかにしました

Digital PR Platform / 2024年6月6日 10時0分


研究手法・研究成果

59名の被験者に、2つの食物摂取頻度調査(FFQg、BDHQ)を行ったのち、1カ月のうち7日以上食事記録アプリ(asken)で食べているものを3食とも(おやつ含め)入力していただきました。2つの食品摂取頻度調査、食事記録アプリで計測したエネルギーや栄養素については、いずれの検査法で総エネルギーを見ても1600キロカロリー程度と過小評価されましたが、両者に相関が見られました。次に両者の互換性をブランド-アルトマン分析法*で比較したところ、いろいろな栄養素のパーセント誤差**が40%以上であり、互換性はないと考えられました。したがって、食事記録アプリで測定した結果と、2種類の食物頻度摂取調査で測定した結果を混同してはいけないことが示されました。


今後の展開

食事記録アプリと2つの食物摂取頻度質問票のどちらも実際の栄養摂取量より過小に見積もられることを意識して結果を解釈するとともに、前後の体重の変化など他の指標も参考にして評価する必要があります。食事記録アプリでは従来の記録紙法でできなかった長期間の食事内容、毎食の食事内容を解析できますが、毎回食事を入力する手間がかかり、保存するデータ量は多くなります。食物摂取頻度質問票は1回の解答入力(20分程度)で済み、データ量は少ない利点があるものの、個人の記憶に依存する欠点があります。重要なことは、食事調査法に完璧なものはないということを十分に認識した上で使用すれば、どちらも長所を生かした使用法が可能と思われます。また、栄養摂取に関して患者のフォローアップをする際には、どちらの方法を用いるかあらかじめ決めた上で経時的な変化量を捉える必要があります。


用語解説

*) ブランド-アルトマン分析(Bland-Altman analysis):2つの測定方法の一致性の評価に用いられる手法
**)パーセント誤差:互換性の評価に用いる。20%以内だと互換性ありと判断される

発表論文

<タイトル>
A Study on the Compatibility of a Food-Recording Application with Questionnaire-Based Methods in Healthy Japanese Individuals

<著者>
飯塚勝美(責任著者)1, 出口香菜子1, 後田ちひろ1, 柳ことね2, 清野祐介3, 鈴木敦詞3, 矢部大介4,5,
佐々木ひと美6, 佐々木敏7, 才藤栄一8& 成瀬寛之2,9

<所属>
1 藤田医科大学 医学部 臨床栄養学講座
2 藤田医科大学 健康管理部
3 藤田医科大学 医学部 内分泌・代謝・糖尿病内科学
4 岐阜大学大学院 医学系研究科 糖尿病・内分泌代謝内科学
5 東海国立大学機構 One Medicine 創薬シーズ開発・育成研究教育拠点
6 藤田医科大学病院 国際医療センター
7 東京大学大学院 医学系研究科 社会予防疫学分野
8 藤田医科大学 リハビリテーション医学
9 藤田医科大学 医療科学部 臨床病態解析学分野

<学術誌名>
Nutrients


https://doi.org/10.3390/nu16111742


本件に関するお問合わせ先
学校法人 藤田学園 広報部 TEL:0562-93-2868 e-mail:koho-pr@fujita-hu.ac.jp


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