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NITEバイオテクノロジーセンター、伝統の酒まんじゅうの発酵に関与する微生物の提供を開始

Digital PR Platform / 2024年6月11日 10時30分

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~約170年の歴史を持つ発酵食品に由来する微生物を分離・提供し、新たな製品開発を支援~

 NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長:長谷川 史彦、所在地:東京都渋谷区西原]バイオテクノロジーセンター(以下、NBRC)は、岐阜県食品科学研究所[所長:奥村 和之、所在地:岐阜県岐阜市柳戸]及び株式会社金蝶園総本家(きんちょうえんそうほんけ)[代表取締役:北野 英樹、所在地:岐阜県大垣市高屋町]との共同研究により、伝統の酒まんじゅうの製造に使用される酛(もと)から発酵に関与する酵母や乳酸菌などの微生物を分離しました。

 NBRCは、この研究成果を基に、分離した微生物の一部について2024年5月29日より提供を開始しました。伝統的な発酵食品由来の微生物を用いた新たな食品開発などが期待されます。


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2526/89616/500_360_2024061010505466665bfe994ee.jpg


図 NBRC、岐阜県食品科学研究所及び金蝶園総本家の役割分担



















<今回の取り組みについて>
 酒まんじゅうの製造工程には和菓子では珍しい微生物による発酵の過程があります。酒まんじゅうの皮に使用される酛(もと)※1は、その魅力的な香りの要因となっており、酛の品質は、発酵に関与する乳酸菌や酵母などの働きに大きく左右されることが明らかとなっています。そこで、金蝶園総本家は、この酛のさらなる品質向上を目指し、地元岐阜県の食品科学研究所の醸造発酵技術を活かした共同研究に向けて準備を進めてきました。
 この取り組みには微生物の取り扱い技術に長けたNBRCも参画し、酒まんじゅう酛に存在する微生物の菌叢解析と培養を行い、酒まんじゅう酛の発酵に関与すると推測される菌株を分離しました。

 共同研究開始の際のニュースリリースは以下よりご確認ください。
 https://www.nite.go.jp/data/000138960.pdf

<今回のポイントと今後の展望について>
 今回の共同研究では、NBRCが実施した菌叢解析によって、酒まんじゅう酛には酵母はSaccharomyces cerevisiae※2がほぼ唯一の種として、乳酸菌では多様な種が存在していることが分かりました。得られたSaccharomyces cerevisiaeの複数の微生物株は、岐阜県食品科学研究所が有する醸造発酵技術を活かした解析により、株によってそれぞれ異なる発酵特性を示すことが確認されました。分離した微生物株のそれぞれの特性や各機関の事業目的を考慮して、NBRCは、岐阜県食品科学研究所と金蝶園総本家とは別の株を所有することにしました。
 岐阜県食品科学研究所と金蝶園総本家が所有する微生物株は、引き続き伝統の酒まんじゅうの高品質化に役立てられていきます。また、岐阜県内企業との新たな製品開発への活用も検討される予定です。一方、NBRCが所有する Saccharomyces cerevisiae 6株と、複数の種に分類された乳酸菌8株について、国内のユーザーが利用できるようにRD株※3として2024年5月29日より提供を開始しました。伝統的な発酵食品由来の微生物を利用する新たな食品開発などが期待されます。

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