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IOWNオールフォトニクスネットワーク(APN)による低遅延通信を活かした秘密計算でのAI分析環境の実用性を実証 ~秘密計算サーバの複数拠点への配置が可能に~

Digital PR Platform / 2024年6月12日 15時12分


2.主な取り組みの内容
 今回、より広域や複数組織間でのセキュアなデータ利活用をめざし、NTT西日本の構築したIOWN APNによる分散DCに、分散配置されたサーバによる秘密計算システムを構築しました。また、計算処理を行う際のネットワークの影響について評価するため、IOWN APNで接続している場合の構成、一般的なネットワーク接続を模擬した構成および単一のDC内の構成にて、計算処理性能をそれぞれ測定して比較しました。

 今回の測定の結果、10万件のダミーデータセットを学習対象としたAIモデルの学習処理(GBDT※4およびFFNN※5)において有意な差があることがわかりました。特にFFNNにおいては、一般的なネットワーク接続が約157分であるのに対して、IOWN APNの場合には約22分と、およそ1/7倍の時間で学習が完了することを確認できました。また、同一DC内で実施した場合のネットワーク接続は約15分の時間を要しますが、地理分散した場合でも、同一DC内と比較しておよそ1.5倍程度の時間となり、実用的な時間で処理可能であることが確認できました。
 この結果から、今までは通信速度及び遅延の関係から同一のDC内に限定していた秘密計算システムを、一定距離にあるDC間を接続して構成可能であり、異なるDCや企業間におけるシステムを用いたセキュアなデータ利活用システムへの応用が期待できます。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/89749/700_413_202406111723546668099a16a25.JPG


3.今後の展開
 今回の実証実験により、IOWN APNを用いることで、分散DCに跨った単一の秘密計算システムが実現可能であることを示しました。今後、「安全・安心な複数事業者でのデータ利活用」や、「地域DCを統合した計算リソース活用」など、IOWN技術を応用した価値創造に向けたユースケース検証と、実導入に向けた運用課題の解決に向けて、共同実験等を通じて引き続き技術開発に取り組んでまいります。

<用語解説>
※1.IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)
IOWNは、主に、ネットワークだけでなく端末処理まで光化する「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度かつリアルタイムなインタラクションを可能とする「デジタル・ツイン・コンピューティング」、それらを含む様々なICTリソースを効率的に配備する「コグニティブ・ファウンデーション」の3つで構成されます。
APNは、ネットワークから端末、チップの中にまで新たな光技術を導入することにより、これまで実現が困難であった超低消費電力化、超高速処理を達成します。1本の光ファイバ上で機能ごとに波長を割り当てて運用することで、インターネットに代表される情報通信の機能や、センシングの機能など、社会基盤を支える複数の機能を互いに干渉することなく提供することができます。
https://www.rd.ntt/iown/

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