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【武蔵野大学・明治薬科大学・帝京大学 共同プレスリリース】白癬菌の爪における増殖を抑制する新たな分子標的を発見

Digital PR Platform / 2024年6月14日 14時5分


(2)真菌のCdc42及びRacの機能を阻害する化合物が爪における白癬菌の増殖を抑制することを発見
化合物を用いて白癬菌Cdc42及びRacの機能を阻害することを目的に、哺乳類のCdc42もしくはRacを阻害することが知られる薬の中から白癬菌Cdc42及びRacを阻害可能な化合物を探索しました。その結果、低分子化合物EHop-016が白癬菌Cdc42及びRacを試験管内で阻害し、培地での白癬菌の増殖も抑制することを見出しました。さらに、白癬菌の胞子懸濁液を爪の上に塗布し、EHop-016をさらに塗布した爪では、白癬菌の増殖が抑制されることを見出しました(図3)。以上のことから、Cdc42及びRacが白癬菌の増殖を促進すること、そしてその阻害剤を用いることで白癬菌の増殖を抑制できることが示唆されました。本研究成果により、新たな治療薬の発見に繋がるものと期待されます。


【研究支援】
本研究は、以下の助成を受けて行われました。
・日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(19K16656、21K15438、代表:石井 雅樹)
・日本学術振興会 科学研究費助成事業科研費 基盤研究(C) (23K06533、代表:石井 雅樹)
・日本学術振興会 科学研究費助成事業科研費 基盤研究(B) (17H03981、代表:堅田 利明)
・日本学術振興会 科学研究費助成事業科研費 基盤研究(C) (20K06550、代表:堅田 利明)
・日本学術振興会 科学研究費助成事業科研費 若手研究(A) (16H06163、代表:大畑 慎也)
・武田科学振興財団 薬学系研究助成(代表:大畑 慎也)
・武蔵野大学 大学研究費(代表:大畑 慎也)


【論文タイトルと著者】


タイトル:Targeting dermatophyte Cdc42 and Rac GTPase signaling to hinder hyphal elongation and virulence
著者:Masaki Ishii, Yasuhiko Matsumoto, Tsuyoshi Yamada, Hideko Uga, Toshiaki Katada, Shinya Ohata.
掲載紙: iScience DOI: https://doi.org/10.1016/j.isci.2024.110139


【出典・用語解説】
*1 日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン 2019
*2 培地:細胞や微生物が成長しやすいよう人工的に作られた環境のこと。

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