森林総合研究所と日本獣医生命科学大学が共同でアライグマにおけるマダニの寄生状況を調査 ― より多くのマダニを運ぶアライグマはオス、顔と耳に集中するマダニ寄生
Digital PR Platform / 2024年6月17日 20時5分
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所(茨城県つくば市) と日本獣医生命科学大学(東京都武蔵野市)は、神奈川県三浦半島のアライグマにおけるマダニの寄生状況を詳しく調査し、オスのアライグマがより多くのキチマダニを運び、特に冬に寄生するマダニが増加することがわかった。また、マダニはアライグマの顔と耳に集中して寄生していることも確認された。これらは、アライグマにおけるマダニ調査を定量的で簡便に行う方法を提案する成果となる。本成果は、6月6日に日本哺乳類学会の発行する『Mammal Study』で公開され、Vol. 49 (3)に掲載された。
アライグマは、日本ではペットとして北米から輸入された個体が野生化し、外来種として定着。在来種を捕食して在来生態系への影響を及ぼすほか、多様な環境に適応するアライグマは都市部に定着して、家屋侵入などの被害を起こすことが知られている。さらに、近年は感染症を媒介するマダニの宿主として機能していることが示されている。
そこで、森林総合研究所と日本獣医生命科学大学の野生動物学研究室は、神奈川県三浦半島のアライグマにおけるマダニの寄生状況を詳しく調査。その結果、オスのアライグマがより多くのキチマダニを運び、特に冬に寄生するマダニが増加することがわかった。
これはマダニがアライグマの体表上で越冬し、春の訪れとともに吸血して、繁殖に備えることを示唆するもの。さらに、マダニはアライグマの顔と耳に集中して寄生していることも確認された。これらの知見は、野生動物管理による感染症予防対策に向けて、アライグマにおけるマダニ調査を定量的で簡便に行う方法を提案するものとなる。
本成果は、6月6日に日本哺乳類学会の発行する『Mammal Study』で公開され、Vol. 49 (3)に掲載された。
【論文情報】
・掲載誌:Mammal Study
・論文タイトル:Differences of tick infestation intensity by season, sex, age class, and body region of feral raccoons (Procyon lotor) in the Miura Peninsula, Japan.
・著者名:Kandai Doi, Takuya Kato, Minori Kono, Fumiaki Yamasaki and Shin-ichi Hayama
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
【東京農業大学(共同研究)】アザラシではフェロモンの受容器官が特殊な粘液の分泌器官に変化していることを発見
Digital PR Platform / 2024年11月25日 10時1分
-
名古屋城にキツネがやってきた!発見したのは高校生「たまたま映った」撮影場所はタヌキが通る“けもの道”
CBCテレビ / 2024年11月23日 6時32分
-
イエネコの高精度なゲノム解読と未解明の遺伝子群の発見
PR TIMES / 2024年11月22日 11時45分
-
学校法人日本医科大学・日本獣医生命科学大学が三鷹市と包括連携協定を締結 ― 相互の資源や大学の研究成果等を活用し、地域への貢献を図る
Digital PR Platform / 2024年11月15日 14時5分
-
学校法人日本医科大学・日本獣医生命科学大学が武蔵野市と包括連携協定を締結 ― 地域社会の発展への貢献を目指す
Digital PR Platform / 2024年10月31日 14時5分
ランキング
-
1日経平均株価が再度上昇するのはいつになるのか すでに「日柄調整という悪材料」は織り込んだ
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 9時30分
-
2自然界最強「ミノムシの糸」を製品化、スポーツ用品や自動車に活用へ…興和「化学繊維に代わる存在に」
読売新聞 / 2024年11月25日 10時50分
-
3京都の老舗を支える「よきパートナー」という思想 自社だけでなく、客や取引先とともに成長する
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 14時0分
-
4スエズ運河の船舶通過激減 パナマも、供給網負担重く
共同通信 / 2024年11月25日 16時29分
-
5あなたは気づいてる?部下が上司に抱く不満8選 部下は上司への不満を言わないまま辞めていく
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 9時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください