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コファス経済関連レポート(カントリー・セクターリスク)2024年6月 - 波乱の前兆か

Digital PR Platform / 2024年6月27日 13時23分

新興国経済、加速の準備は整うもFRBの制約を受ける

市場は現在、FRBの慎重な姿勢を反映し、1回もしくは2回の利下げしか予測していない。米国の金融政策担当者による最新の予測では、利下げは夏の終わり、あるいは年末まで待たなければならないことが確認されている。一方、欧州中央銀行は6月初めに25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施し、金融緩和を開始した。

想定されていたよりも利下げを遅らすFRBだが、それに対して新興国は輸入を通じたインフレの反発を避けるため、利下げサイクルを減速または延期せざるを得なくなるだろう。例えばブラジルは、6回連続で50bpの利下げを行った後、5月にわずか25bpの利下げを行った。FRBの利下げ見送りはアフリカとアジアの金融政策にも影響を与えるだろう。主要新興国の中央銀行はまだ金融緩和に着手しておらず、2024年と2025年の景気回復の規模は限定的だ。

このようにスケジュールが遅れているにもかかわらず、多くの地域がプラスの勢いを享受するだろう。東南アジアの一部の国(ベトナムとフィリピン)は6%以上の成長率を達成するだろう。インドは、若干の減速にもかかわらず、6.1%の成長を達成するだろう。アフリカもまた、すべての主要経済国(ナイジェリア、エジプト、アルジェリア、エチオピア、モロッコ、そして若干ではあるが南アフリカ)で成長が加速し、4%を上回る成長を遂げるだろう。

米国の関税障壁:貿易戦争2.0 なるか

5月14日に発表された中国製品の輸入関税の大幅引き上げは、戦略的分野で中国に対抗するという米国の決意を裏付けるものだ。欧州連合(EU)は同様の措置を採用し、中国の電気自動車に最大38%の追加関税を課した。インドやブラジルなどの国々もすでに同様の措置をとっており、世界的な貿易摩擦のリスクが高まっている。このような背景から、中国製品の積み替えにより、メキシコとベトナムがこの再編成の主な受益者となる可能性がある。

米国と中国の貿易関係は弱まったように見えるが、現段階で2つの大国が切り離されたと結論付けるのは時期尚早だろう。

現政権の決定に加え、トランプ候補の選挙公約である世界全体で10%の関税を導入することが、米国の通商政策をめぐる懸念を煽り、世界貿易の分断化への懸念を高めている。

地政学的な不確実性が高まる中、関税障壁の拡大は企業にとってコスト増を意味し、将来のインフレリスクを高める一因となる。

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